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ダンスとか。

アートノヴァ Vol.19 「?アートノヴァ」

2004-11-19 | ダンスとか
アサヒ・アートスクエア。
▼青空太郎(チャンキー松本とイヌンコ)
前に青山円形劇場で見た時は、チャンキーがバンドのヴォーカルで、イヌンコはアニメを上映していた。夫婦らしい。今回はチャンキーがヴィニールの小屋みたいなところへ入って、即興で歌いながらマンガを描いていくのをプロジェクターで映し出し、それをイヌンコがシンセで伴奏する。本当の思い付きがどんどん連鎖していくのを、なぜか見入ってしまうのはやたら高いハスキーヴォイスの歌の旋律の寄る辺なさがどこかビョークを彷彿とさせるからだけではないと思う。途中、連想ではなくただのしりとりになってしまう部分はつまらないのだが、連想は(どんなにくだらなくても)面白くて見てしまう。イメージの連続と飛躍が同時に示されるから。
▼ほうほう堂
先日STでやった『るる ざざ』をやや短くしたヴァージョン。ストイックさが薄まってややポップ気味になったがやはり地味ではある。しかし良い。それぞれが相手のグルーヴに切り込んでいって、その応酬が自動的に変拍子みたいなものを生成する。振付を淡々とこなしつつ、いかに機械化に陥らないか、というところを追求しているように思った。ここから振付やフォルムの要素を限りなく排除していくとDA・Mになる。
▼宇宙レコード
西村たけお、小林顕作、中村たかしの三人組。基本的にはお笑い劇ではあるのだがお笑いだからこそ可能になるこの支離滅裂なナラティヴ構造を、方法論的に追求するとチェルフィッチュに接近してくる。前半はオフィスを舞台にしつつ部長だのOLだのの役を三人がどんどん交換して話の辻褄がどんどんおかしくなっていくというコント。間に池田鉄洋(猫のホテル)の気色悪いチアリーディングみたいなものが入った後、後半はヤンキーが怒鳴り声でダベっていて思いつくまま一方的に喋りながら自分で何の話をしているのかわからなくなったり、語勢だけで会話が成立したりするというコント。前半のコントはわざと話を取り違えたりする身振りを見せることで笑わせ、後半のコントはよりリアリズム寄りに滑稽なシチュエーションを描出している。こういうのとチェルフィッチュ的な方法主義とでどこが分かれ目になってくるかというと、「笑い」という単なる効果の水準で満足してしまうか、ナラティヴに対する悪意を徹底して突き詰めていこうとするがための自己批判的プロセスを採るか、という点だと思う。
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