京都・祇園甲部歌舞練場。
▼上方舞 花笠 (まめ秀、和葉、有佳子、まめ照、孝比呂、真織、弥須葉、小耀、豆ゆり、豆十三)
▼地唄 水鏡 (井上豆千鶴、井上多満葉)
▼長唄 越後獅子 (井上和枝)
▼義太夫 弓流し物語 (井上まめ晃)
▼地唄 虫の音 (井上八千代)
▼義太夫 妹背山 (橘姫:井上孝鶴、求馬:井上そ乃美、三輪:井上小鈴)
色とりどりの着物に桃色の花笠をもった十人の芸妓が横一列に並ぶレヴュー的な「花笠」から始まる。東京で京舞をやる時はほとんど地唄ばかりだから、「妹背山」のようにほぼ歌舞伎と同じ様式で花道まで使う曲が井上流にあるというのは知らなかった。振付は初世からきちんと残っていて、誰の作かプログラムに明記されている。五世の「虫の音」は、席が遠いせいもあるとはいえ、とにかく波風が立たない踊りで、求心的にきつく締まっているのでもなく、存在感さえ茫洋と稀薄に思えた。四世晩年のミニマル性とは全く異質な、フラットさとでもいえばいいのか、いずれにしろ印象に残るところがなかった。他に井上和枝の「越後獅子」の、細かい首の動きの何ともいえない艶めかしさ。
▼上方舞 花笠 (まめ秀、和葉、有佳子、まめ照、孝比呂、真織、弥須葉、小耀、豆ゆり、豆十三)
▼地唄 水鏡 (井上豆千鶴、井上多満葉)
▼長唄 越後獅子 (井上和枝)
▼義太夫 弓流し物語 (井上まめ晃)
▼地唄 虫の音 (井上八千代)
▼義太夫 妹背山 (橘姫:井上孝鶴、求馬:井上そ乃美、三輪:井上小鈴)
色とりどりの着物に桃色の花笠をもった十人の芸妓が横一列に並ぶレヴュー的な「花笠」から始まる。東京で京舞をやる時はほとんど地唄ばかりだから、「妹背山」のようにほぼ歌舞伎と同じ様式で花道まで使う曲が井上流にあるというのは知らなかった。振付は初世からきちんと残っていて、誰の作かプログラムに明記されている。五世の「虫の音」は、席が遠いせいもあるとはいえ、とにかく波風が立たない踊りで、求心的にきつく締まっているのでもなく、存在感さえ茫洋と稀薄に思えた。四世晩年のミニマル性とは全く異質な、フラットさとでもいえばいいのか、いずれにしろ印象に残るところがなかった。他に井上和枝の「越後獅子」の、細かい首の動きの何ともいえない艶めかしさ。