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ダンスとか。

Live Arts Bangkok (第二日)

2007-08-17 | ダンスとか
Bangkok, Siam Society.
会場は20世紀初頭に作られたという文化センター。普通のプロセニアムで、客席はフラットなので、ちょっと舞台は見にくかった。
▼Donna Miranda, Beneath Polka-dotted Skies
フィリピンの女性ソロで、去年の横浜のソロ×デュオに出ていたのと同じ作品。今回が初見。スーツケースに荷物と一緒に刃物を詰める奇妙な映像が流れた後、その手前で踊るのだが、フロアが多用されているために細かいところがよく見えなくて残念だった。
▼Zan Yamashita (山下残) + Thongchai Hannarong "Boy", Cough
山下残の『せき』(04年)を、タイのダンサーで上演。背景のスクリーンに「せきをする」「倒れる」「本を読む」「笑う」「せきをする」などといったテクストが淡々と流れ、ダンサーも淡々とその通りに行為する。文字と行為がひたすら平行線を保って進んでいく。何だろうこれは?どこをどう見たらいいんだろう?と入口をあれこれ探しているうちに、最後まで行ってしまった。尾崎放哉が元ネタになっているので、俳句的な間のようなものがもっと見えてくればいいのかも知れないが、別にそれだけではないのかも知れない。ぼくはオリジナル版を見ていないので比較はできないものの、ダンサーが何度も転がったり起きたりするところは明白に動きが様式化されていた。
▼Phon Sopheap, A Monkey's Mask
ここで一度中庭に出て、昨日と同じ演目。今度は庭が小さく、観客がぐるっと囲んでいるので、踊りの緊張度も高く、シャープに、劇的に見えた。演じ手の、「演じる」気迫が、見る者に虚構を受け入れさせるということがあると思う。最後は人をさらうのではなくて誰かの荷物をもって逃走。
▼Spell #7, Tree Duet
シンガポールのパフォーマンス・グループで、去年のIDFでは別の作品を見たが、今回は Paul Rae によるソロ作品。木の椅子、ペットボトル入りの水、一冊の本だけで、フラッと出てきて、「木」をめぐる様々なエピソードについてトークをするのだが、いかにも人を食ったような感じの、しかし演芸調には絶対持って行かないフラットさ(平凡さ)を完璧にコントロールしていて、これは凄いなと思った。例えばちょっと長めに水を飲むだけで、そこに何となく意味を読み込ませてしまったりする。話し方自体には何も変わったところはなく、ただ観客の注意を引き付け、さらりと意外な展開を見せて素で驚かす。話している内容は、シンガポールの寺院にある古木の話や、タイのゴム産業がアメリカのフォードのお陰で急激に発展する話、エコロジーの話などで、視点を目まぐるしく移動させながら、いかに木がわれわれの生活や存在と関係しているかを納得させる。Duet というのもそういう意味か、と後からすっきりする。
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