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ダンスとか。

Dance Triennale Tokyo 2009

2009-09-27 | ダンスとか
▼エステル・サラモン 『Dance #1/Driftworks』
Eszter Salamon, Dance #1/Driftworks

表参道・スパイラルホール。
ハンガリー出身でドイツで活動している振付家。女性によるデュオ。昼の神村&手塚に続いて「状態」系というか、見るのに特殊な集中力を要するパフォーマンス。疲れる…。床にうつぶせになった状態から、それぞれが小さな律動を体に起こしながら、姿勢や互いの関係を変化させていくのが前半。後半は二人ともが声を出してイライラしながら動き回る。原則や原理(これはどういうパフォーマンスなのかというコンセプトあるいはルール)がなかなか見えず、それをあれこれ推測し続けて時間がどんどん経ってしまうのはちょっと空しい。むしろそれをわかってしまった上で、楽しんだり味わったりということがしたい。とはいえ全部終わってしまっても一貫した何かを把握するのは難しかった。プログラムノートには「表現というものが、登場人物やその心理状態の再現=表象よりもむしろ内的でフィジカルな構成の作業から生じてくる」と書かれていたけど、二人のパフォーマンスは、少なくともぼくの目には「フィジカル」であると同時に多分に「文化的」「歴史的」にも条件づけられているように見えた。限定詞なしのフィジカルな「身体」一般、あるいは代理表象や言語活動(象徴界)から切り離された感覚的経験の束みたいなものをそれ自体として掘り下げていくということが、本当に可能なんだろうか(動物や狂気などといったフラットな状態に陥る以外に)、ということを考えた。むしろ、そうしようとすること自体、ものすごく観念的な(言語活動と深く関わった)作業であらざるを得ないんじゃないか。
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