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ダンスとか。

Emio Greco|PC

2006-01-19 | ダンスとか
Emio Greco|PC, Conjunto di NERO

NY, The Joyce Theater.
イタリア人 Emilo Greco と、オランダ人 Peter C. Scholten の二人の振付家・演出家によるカンパニー。ダンサーは男3女3。フェルトのような布で三方を囲まれた暗い空間に、地味なノイズが流れていて、その中で色々なフォーメーションが展開されるのだが、とにかく振付がつまらなくて眠くなった。肘や膝を鋭角で突き出して止める動きや、首を硬直させて鋭く行うターン、あるいは細かく宙を舞う手の振りとともに右へ左へと身を翻し続けるところなど、至る所に勅使川原風の動きが現れ、それによってますます他の部分の稚拙さが際立ってしまう(体の特定の一部分しか使わない、流れを欠いた単純な反復運動、あるいは単なるポーズ)。そう思ってみれば、全身を黒い布で覆った人物がいつの間にか壁近くに現れていて静かに佇んでいるだけ、とかもどことなく勅使川原テイストだし、照明で作った斜めの対角線を膝下だけの小走りでシャカシャカとバックしていくのなどは『ルミナス』のパクり。時々不意を突くようにして轟音が響き渡るのだが、とにかく本当に退屈なため、よくある「劇的な変化」の演出としては成立していなくて、ただ睡魔に襲われている無数の観客が普通にビックリして目を覚ましたりしていた(ぼくは睡魔が一巡して以降は覚醒していたのでよく観察できた)。流石にそういう種類の「ショック」は狙いじゃないと思うが、ジョイスの観客は高齢者も多いのでもう少し配慮すべき。
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