40からのインラインsk8

娘にさせようと買ったのに、逆にハマってしまった中年男。果たして自由自在に操れる日は来るのか?

CR番外編 長島愛生園 3

2009-02-28 09:24:50 | CR番外編
歴史館です。昭和初期の建築で、当時は園の事務など、運営の中心的な役割を果たしていた建物です。この日はどこかの学校が学習会に訪れていました。ワタシもちゃっかりその一団に紛れ込んであちこち見学。内装がずいぶん改装されていて、でっかいスクリーンを備えたホールやパソコンで資料を検索したり、ビデオを見られたりする閲覧室などがあって「相当気合が入ってるなー」と感心。そういう部屋はセンサーで自動点灯する照明も備わっていて至れり尽くせりです。ただし入館には事前に予約が必要ですが。(ホント、学習会に紛れ込まねば入れないとこだった)

 この建物で特に印象に残ったのが資料室と園長室。資料室にはハンセン病に関するありとあらゆる書籍、園内で発行されていた会報や行事の記録、来園者の記録や皇族方の活動記録などとともに国家賠償訴訟に関する資料がずらり。それも新聞記事や雑誌の切り抜きではなく、入園者の日記や証言を記録したものなどの第一級資料がファイルに細かく整理されていて壁一面を埋め尽くしています。そのインデックスを見るだけでハンセン病に対する長い差別と偏見の中で苦しんできた人々の声が聞こえてきそうで、正直圧倒されますな。

 また1Fの園長室は歴代園長の写真とともに執務机が置かれ、いろいろな資料も展示してあります。初代園長の光田健輔については日本ハンセン病の父、ハンセン病研究への国際的貢献、患者救済への取り組みなどの光の部分と隔離政策、ハンセン病患者への断種・中絶手術の断行、周囲の人々の偏見を助長したなど、人権に関するいろいろな影の部分をも指摘されている人物ですが、部屋に飾ってある写真は功なり名を遂げた証である文化勲章をかけたもの。展示では多くの業績とともに問題点にも触れていて、否定しつつも否定しきれないという、複雑な気持ちが伝わってきたなー。

 この歴史館から奥にハンセン病の方々が生活していた地区があります。ちょうど外界との境目に建てられていたんですね。