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このところ忙しく、思うように本を読む時間が取れません。
こんなときは、読みやすくて面白い、そんな本がいいですね。
というわけで、今回はウィリアム・アイリッシュ短編集をチョイスしてみました。
アイリッシュといえば、「黒衣の花嫁」のウールリッチと同一人物。
「黒衣の花嫁」に比べますと、長編の冗長さがなく、コンパクトであるわりには、ひつひとつの濃度が高めかなと思います。
また、美しさや妖しさはあまり感じさせず、
ユーモアや皮肉といった楽しみを味あわせてくれます。
今のところは。
といいますのは、私、まだ以下の数編しか読んでおりません。
全体的な感想は、後日あらためてしたいと思います。
刻んだ記事で申し訳ない。
『裏窓』
ご存知、アルフレッド・ヒッチコック監督によって映画化された原作本。
原作があるのも知らなかったけど、アイリッシュだというので二重のビックリ。
内容は、それとなく知っていました。
覗き見をしている主人公が殺人事件を目撃しちゃう、、、みたいな。
でも、今回読んでみて、本当に驚いた。
すっごく面白い。
文庫本で50ページに満たない短編なんだけど、
最初の一行から主人公の世界に吸い込まれてしまいます。
一人称の語り口で何の説明もなく主人公の部屋、それも椅子とベットと窓だけなんですが、読者はそこに放り込まれるわけ。
でも、主人公の行動が何によって制限されているかは明かされません。
動けない主人公は、実際に殺人事件を目撃するわけじゃなくて、ただ、窓から望めるほかの窓の住人の行動を観察していて推理する、とっても洞察力のある人なのだ。
だから、必然的に、読者も推理しなけりゃいけない。
主人公が動けない理由とか、たびたび主人公が遅滞反応というボケをかましてくれるので、ハラハラしながらツッコミを入れてみたり。
最後の一文にニヤリとすること請け合い。
『死体をかつぐ若者』
ある若い青年が、クレオパトラのようにカーペットを丸めた中に死体を入れて、それを担いで右往左往するという、そんなお話。
死体を隠して処理しようとするところやアリバイ作りとか、青年は頑張っているんだけれど、よく考えてみれば、かなり行き当たりばったり。
死体という小道具のおかげで、緊張感あふれるものになっているんだけれど、
見ようによっては大変コミカル。
ラストの皮肉を面白いって思うか、こんなのアリ?って思うかは貴方次第。
ちなみに私は結構好きです。
『踊り子探偵』
ダンスホールでダンスのお相手をするのが仕事の若い女性が主人公。
彼女の仕事仲間が、踊り子ばかりを狙う連続殺人犯に殺されてしまいます。
連即殺人の猟奇的な行動や心理を織り交ぜてあって、サスペンス的な色合いの濃い作品。
その恐怖感をロマンスタッチで払拭しているので、読後感は意外とすっきりさわやか。
『殺しの翌朝』
刑事が殺人現場についてみると、そこは見覚えのある場所で、ラジエーターの裏に隠してある凶器を迷うことなく見つけてしまいます。
記憶にはないけれど、どうやら人を殺してしまったらしい。
動機がいまひとつ不十分だと思うのですが、刑事の感じる絶望や恐怖が読みどころになっていて、実験的な作品ではありますが、面白く読めると思います。
とりあえず、今回はここまで。
次回をお楽しみに(してくれる人がいるのか?)
近況報告ですが、インフルエンザの記事に書いていた娘は、無事前期試験で合格しました!
やれやれです~~。
アイリッシュ短編集 (3)
こんなときは、読みやすくて面白い、そんな本がいいですね。
というわけで、今回はウィリアム・アイリッシュ短編集をチョイスしてみました。
アイリッシュといえば、「黒衣の花嫁」のウールリッチと同一人物。
「黒衣の花嫁」に比べますと、長編の冗長さがなく、コンパクトであるわりには、ひつひとつの濃度が高めかなと思います。
また、美しさや妖しさはあまり感じさせず、
ユーモアや皮肉といった楽しみを味あわせてくれます。
今のところは。
といいますのは、私、まだ以下の数編しか読んでおりません。
全体的な感想は、後日あらためてしたいと思います。
刻んだ記事で申し訳ない。
『裏窓』
ご存知、アルフレッド・ヒッチコック監督によって映画化された原作本。
原作があるのも知らなかったけど、アイリッシュだというので二重のビックリ。
内容は、それとなく知っていました。
覗き見をしている主人公が殺人事件を目撃しちゃう、、、みたいな。
でも、今回読んでみて、本当に驚いた。
すっごく面白い。
文庫本で50ページに満たない短編なんだけど、
最初の一行から主人公の世界に吸い込まれてしまいます。
一人称の語り口で何の説明もなく主人公の部屋、それも椅子とベットと窓だけなんですが、読者はそこに放り込まれるわけ。
でも、主人公の行動が何によって制限されているかは明かされません。
動けない主人公は、実際に殺人事件を目撃するわけじゃなくて、ただ、窓から望めるほかの窓の住人の行動を観察していて推理する、とっても洞察力のある人なのだ。
だから、必然的に、読者も推理しなけりゃいけない。
主人公が動けない理由とか、たびたび主人公が遅滞反応というボケをかましてくれるので、ハラハラしながらツッコミを入れてみたり。
最後の一文にニヤリとすること請け合い。
『死体をかつぐ若者』
ある若い青年が、クレオパトラのようにカーペットを丸めた中に死体を入れて、それを担いで右往左往するという、そんなお話。
死体を隠して処理しようとするところやアリバイ作りとか、青年は頑張っているんだけれど、よく考えてみれば、かなり行き当たりばったり。
死体という小道具のおかげで、緊張感あふれるものになっているんだけれど、
見ようによっては大変コミカル。
ラストの皮肉を面白いって思うか、こんなのアリ?って思うかは貴方次第。
ちなみに私は結構好きです。
『踊り子探偵』
ダンスホールでダンスのお相手をするのが仕事の若い女性が主人公。
彼女の仕事仲間が、踊り子ばかりを狙う連続殺人犯に殺されてしまいます。
連即殺人の猟奇的な行動や心理を織り交ぜてあって、サスペンス的な色合いの濃い作品。
その恐怖感をロマンスタッチで払拭しているので、読後感は意外とすっきりさわやか。
『殺しの翌朝』
刑事が殺人現場についてみると、そこは見覚えのある場所で、ラジエーターの裏に隠してある凶器を迷うことなく見つけてしまいます。
記憶にはないけれど、どうやら人を殺してしまったらしい。
動機がいまひとつ不十分だと思うのですが、刑事の感じる絶望や恐怖が読みどころになっていて、実験的な作品ではありますが、面白く読めると思います。
とりあえず、今回はここまで。
次回をお楽しみに(してくれる人がいるのか?)
近況報告ですが、インフルエンザの記事に書いていた娘は、無事前期試験で合格しました!
やれやれです~~。
アイリッシュ短編集 (3)
そうですね、アイリッシュの短編は長編に比べてムードの面では物足りないような気もしますが、引き締まっていて面白いです。
私は、長編のまったり感も好きなだし、アイリッシュ=ウールリッチらしい雰囲気も好きなのですけど、短編もいいですね。
ユーモアセンスがよくって、意外な発見でした。
ところで、kazuouさまのブログには、私と同じ匂いがします。
マイナーな作品を取り上げるのは、私一人じゃなかったんだと心強い。
世の中には、自分と同じ趣味の人が必ずいるものです。
お互いに頑張りましょう!
もともと、何でこの作品について誰も何も言わないんだろう、というのが、もどかしくて始めたようなものですので。マイナー街道まっしぐらで頑張ります!
あとそれから、白亜書房から出ている『コーネル・ウールリッチ傑作短編集』も、なかなかよいですよ。
むむ、こちらの図書館にはないのか・・・
マイナー街道まっしぐら(笑)
私もです~~~。
ブログを始めて1年たちましたが、せっせと読んだ本の感想を書いたおかげか、隠れたお仲間の存在がチラホラ見え隠れしております。
始めたころは、一日のアクセスIPが50未満でありましたが、最近では100を越すことも多く、正直、驚いています。
継続は力なり、ですよ。