人間、突き詰めて考えてばかりではいけません。
このところ、内容の重たい本ばかりだったので、ここは心機一転を図るべく、楽しく面白く笑えるものをチョイスしました。
本書はコニー・ウィリス「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」(なんて長いタイトル!)の元ネタ本ですし、イギリス文学屈指のユーモア小説としてもとても有名な一冊ですので、知っている方も多いと思います。
ストーリィは、単純明快、19世紀の気鬱にとりつかれた3人の紳士が犬のモンモラシーを伴って、テムズ川に2週間のボート旅行に行くというもの。
旅行を決心するところから始まり、<わたし>ことJ(どうも著者らしい)の妄想振り(自分は膝蓋粘液主;シツガイネンエキシュどんな病気かさっぱりわからないが、これ以外の病気すべてに罹っていると信じ込む等々)に先ず笑い、荷造りのドタバタに笑い、
馬車に乗り込むまでに笑い・・・
とまぁ、ボートに乗り込むまでに何度も笑わされるのです。
ボートに乗り込んでからも、<わたし>の妄想は暴走気味で、
ボートの舵取りを失敗すること多数。
同乗者のハリスの決して上品でない罵倒とジョージの哀愁漂うバンジョーといつでも血気盛んなモンモラシーで繰り広げられる、逸話の数々。
3人のいい歳をした紳士が、さも真剣におかしなことをしているのが面白いし、困難な状況を表すのにも、現状をそのまま描くのではなく、真面目な比喩が使われているんですが、そのセンスのよい文章にもやはり笑ってしまうんです。
イギリスの笑いは深い。
本書をユーモア小説という触れ込みで読んでいるのに、なぜだか、テムズ川周辺の景観や歴史についての言及が多くて、なんだか紀行文みたいだなぁと思っていたら、何のことはない、最初は紀行文として書かれたらしいんですね。
ところが、著者のユーモアが炸裂して、当初の目的とは違うことになってしまったようなんです。
そのおかげで、今でも本書が面白く読めるということで、
私たち読者には願ったりかなったりですが。
ボートの三人男
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このところ、内容の重たい本ばかりだったので、ここは心機一転を図るべく、楽しく面白く笑えるものをチョイスしました。
本書はコニー・ウィリス「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」(なんて長いタイトル!)の元ネタ本ですし、イギリス文学屈指のユーモア小説としてもとても有名な一冊ですので、知っている方も多いと思います。
ストーリィは、単純明快、19世紀の気鬱にとりつかれた3人の紳士が犬のモンモラシーを伴って、テムズ川に2週間のボート旅行に行くというもの。
旅行を決心するところから始まり、<わたし>ことJ(どうも著者らしい)の妄想振り(自分は膝蓋粘液主;シツガイネンエキシュどんな病気かさっぱりわからないが、これ以外の病気すべてに罹っていると信じ込む等々)に先ず笑い、荷造りのドタバタに笑い、
馬車に乗り込むまでに笑い・・・
とまぁ、ボートに乗り込むまでに何度も笑わされるのです。
ボートに乗り込んでからも、<わたし>の妄想は暴走気味で、
ボートの舵取りを失敗すること多数。
同乗者のハリスの決して上品でない罵倒とジョージの哀愁漂うバンジョーといつでも血気盛んなモンモラシーで繰り広げられる、逸話の数々。
3人のいい歳をした紳士が、さも真剣におかしなことをしているのが面白いし、困難な状況を表すのにも、現状をそのまま描くのではなく、真面目な比喩が使われているんですが、そのセンスのよい文章にもやはり笑ってしまうんです。
イギリスの笑いは深い。
本書をユーモア小説という触れ込みで読んでいるのに、なぜだか、テムズ川周辺の景観や歴史についての言及が多くて、なんだか紀行文みたいだなぁと思っていたら、何のことはない、最初は紀行文として書かれたらしいんですね。
ところが、著者のユーモアが炸裂して、当初の目的とは違うことになってしまったようなんです。
そのおかげで、今でも本書が面白く読めるということで、
私たち読者には願ったりかなったりですが。
ボートの三人男
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そうそう、思い出しました。
”膝蓋粘液主以外の病気すべてに罹っている”って信じてるんでしたよね、彼。(笑)
紀行文として書いたものをよくもあそこまで爆笑小説にしたものだとみょーに感心しましたっけ。
でも、この作品の笑いの質って、好き嫌いが激しいみたいですね。
一見ドタバタっぽいからかもしれませんが、”爆笑””失笑”ばかりじゃなく、結構きつい皮肉も効いてて、思わず”にやり”とさせられるところもあって、笑いの質がバラエティーに富んでますよね。
コニー・ウィリスの方も読みたいとは思ってるんですが、いまだに古本では見つからず…。(ショボくてすみません。)
くろにゃんこさんの感想を読んだら(第1行目で)、もう、読みたくて、読みたくて。
新品で買っちゃおうかなー、と…。
もっとイギリスのユーモア小説が読みたくなってきて、今度はウッドハウスに挑戦してみようかと思ってます。
特有の「にやり」の笑いにはまってしまいそう。
コニー・ウィリスのほうは、私も古本屋さんで見かけないですね。
海外ものを多く読んでいるyuigaさまなら、最初の数行からきっと笑うこと必至ですよ。
保障します。
なれていない方は、入りこむまで時間がかかるようなんです。
主人公のおかしな言動が、「ボートの三人男」の妄想男にオーバーラップするものがあって、コニー・ウィリスさすがだな、と唸らされました。
買っても損はない思いますけど(自分は図書館で借りたくせに)、新品はやっぱりお高いよね。
ウッドハウスのジーヴスシリーズ、最近盛んに刊行されてますよね。
あれもみんなお高い。(涙)
あの手のモノは文庫化されることも少ないし…。(コニー・ウィリスは結構文庫化されているみたいなんで期待してるんですけど)
第一、まともな図書館が遠い!
しかも予約って出来ないみたいなんですよ。
在庫はわかっても、貸し出し中かどうかはWebじゃわからないし…。
図書館に関しては市も県も凄く遅れてる感じなんです。
図書館が利用出来たらなぁ。
よっぽど売れてくれたら、あるかもしれないですが、いや、どーかな。
コニー・ウィリスの方は、待っていれば文庫化してくれるでしょ。
「ドゥームズデイブック」の文庫の装丁には泣きましたが。
あまりにもイメージと違ってて。
図書館検索では予約できないんですか?
それは不便ですねぇ。
しかも遠いとあれば、足も遠のいてしまうのも無理のないことですね。
今、検索したら「ジーヴズの事件簿」「スミスにおまかせ」「比類なきジーヴス」「よしきた、ジーヴス」と多数取り揃えてありました。
ですが、昨日、ほかの本を何冊も借りてきているので、そちらを先に読まねば。
ウッドハウスが読めるのは来月かなぁ。
コニー・ウィリスといえば、河出書房の奇想コレクションで、かなり先の出版でしょうけど、コニー・ウィリスが予定されてますよね。
楽しみです~~★
私も「犬は勘定に入れません」が古本で手に入るなら絶対欲しいですよ!!!ちなみに私は公民館務めなので、公民館の図書担当権限をフルに利用して、買い入れちゃいました(笑)出版後、結構早いうちに入れたから、市の図書館よりチェックが早かった(笑)
文庫化したら安くなるだろうけど、あの装丁が好きなんですよね~…
うらやましい~~~~。
前々から、図書館の仕入れはどのような人がどうやって本を選ぶのか気になっていたんです。
そのような裏事情もきっとあるに違いないと思っていましたが・・・
おお、奇想コレクションで出ますか。
ていうことは、短編集?
楽しみですねぇ。
奇想コレクションの装丁、好きなんですよね。
色使いがとっても私好みなんです。
装丁といえば「犬は勘定に入りません」の装丁もキレイで、私も好きです。
関西人は笑いのツボが狭いんじゃないかとも。
「ボート」もそうですけど、ディスクワールドも典型的なイギリスのユーモア小説ですよね。
イギリスのユーモアセンスを解するかどうか、そこが分かれ目。
もしかしたら、それが原因でなかなかディスクワールドが普及しないのか・・・
>Unseen Univの学長リドカリーは、ビリヤード台を事務机に使っています(ものが落ちないし、sweetsを入れるポケットがついていて便利)。
このセンスですよねぇ。うんうん。
学長、面白いですよね。
「刈り入れ」での、買い物カートとの格闘を思い出すとついついニヤニヤしちゃいます。
言われてみれば、買い物カートって、いろいろなことに使えそう。
1輪車より安定も良いし。
それにしても、なんかコニー・ウィリスって面白そうですねー。今度さがしてみます。
笑いのツボって人それぞれだから。
コニー・ウィリスの「犬は勘定に入れません」は、面白いです。
のっけから、ヴィクトリア調の言葉で、わけのわからないことを口走る主人公。
笑えます。
時間の連続性やタイムパラッドクスなど読みどころも満載ですが、「夏への扉」より、その辺は難易度が高いです。
読み応え十分ですよ。