夢中人

sura@cosmic_a

メソポタミア

2009年01月19日 | Weblog
前回の記事で「王家の紋章」のことを書きましたが、あの後、いったい今はどうなっているんだろうと思い、
最新巻を読んでみることにしました。
最新巻はなんと53巻。
読んでみると、やはり、キャロルを中心に大騒ぎ。舞台はメソポタミア地方で、あっちもこっちも大騒ぎ。
あいかわらずヒッタイトのイズミル王子はキャロルに思い一筋。
なんでそこまでって感じなんですが、その理由が画かれてあったんです。
それは、51巻なんですけどね、イズミル王子は少年の頃から諸外国を旅していたみたいで、
ある日、メソポタミアの地で野営した夜、いつものように学問をしていてうとうととしてしまったそうなんですよ。
そしたら、あるお告げを聞いたんです。「王子よ、そなたは未来、不思議な運命の乙女に出会う・・・」と。
そのお告げをしたのが女神イシュタル。その不思議な運命の乙女がキャロルなんですね。
よくイズミル王子が「おお、愛の女神イシュタルよ」と強く思われている場面が多いなと思っていましたが、
そんないきさつがあったんですね。
でも、女神イシュタルは、メソポタミア地方の愛と戦の女神なんだそうです。
イズミル王子の出身であるヒッタイトにはシャウシュカというこれまた愛と戦の女神がおられるそうなんです。
いくら冷静なイズミル王子でも女神イシュタルのお告げは神秘的で印象深いものだったんでしょうね。
。。。しかしですよ、このイシュタルにしてもシャウシャカにしても「愛と戦の女神」なんですね。
なぜ愛と戦。。。?愛と戦ってひとくくりかな?
愛の為に戦うということなのかな。。。と思っていたけれど、どうやら、男性に力を与えるという意味で
「愛と戦」と言ってるっぽい。
私は、日本神話でアマテラスがスサノオが襲ってきたと勘違いして、男性が戦う格好でスサノオに立ち向かおうとして、
「男姫」なんて言われていたけど、それと同じ意味合いなのかなと思っていたけど、ちょっと違うみたい。
この辺、もうちょっと調べてみよう。

メソポタミアのことをネットで調べてみるとなかなかおもしろいと思いました。
いろいろ読んでみると「ギルガメシュ叙事詩」なんてのが出てくる。
「ギルガメシュ叙事詩」は古代メソポタミアの文学作品だそうです。
どうやらこれは聖書に影響があるみたいですね。
このお話のあらすじを読んでみると、なんと、女神イシュタルが登場するではありませんか。
「ギルガメシュを見た女神イシュタルは彼に求婚をするが断られた。怒ったイシュタルは
「天の雄牛」を彼の故郷に送り、この牛は大暴れをし、人を殺した」とありました。
結婚を断られたから暴れ牛を送り人を殺し困らせたって。。。わがままじゃない?
超わがまま。
でも、この辺りのお話を読んで、スサノオが皮をはいだ馬を、機織をしている女性の部屋に投げ込み、
その女性が死んだというのを思い出したなぁ。
いろいろ読んでみると、日本神話と重なるところがあったりした。

この「ギルガメシュ叙事詩」には環境問題のお話が扱われているみたいで、
なんと「王家の紋章」で印象深かった「レバノン杉」が登場してくるんですよ。
「ギルガメシュは友人と二人でメソポタミアにはない杉を求めて旅に出る。
杉は怪物によって守られていたが、二人は神に背いて怪物を殺し杉を国へ持ち帰った」とありました。
この杉がレバノン杉。
神に背き、森の木を切った。
このお話は、あの宮崎駿さんの「もののけ姫」のモデルみたいですね。
そうなんだぁと思って、「もののけ姫」をじっくりと見てみました。
なるほど。。。
古代メソポタミアでは文明の発展においてこのレバノン杉はなくてはならないものだったみたいですね。
それで、伐採に伐採を重ね森林破壊をしてしまったんだ。その伐採は現代まで続いた。
人間はただ富みの為に森林を破壊してしまった。
私は、神様は多少の地球資源は人間が使ってもいいと思ってると思うんですよ。
ただ、使っていい範囲というのがあるんじゃないかな。
そして、神様に対する感謝を忘れてはいけないんだと思う。
人間は神々の恵みによって生かされている。
物質的に豊かになるということは、地球資源を使わせてもらっているということで、
さらに豊かになるということは、さらに地球資源を使っているということだ。
それを感謝するどころか、おかまいなしに奪い合う人間達。
神の存在を知りながら、人間達の手によって神の首を切り落とした。
過ちに気がつく人間達。もうだめなんだろうか、もう神は人間を許すことをしないのだろうか。。。
「もののけ姫」のお話の中では、切り落とされた神の首は、人間の手によって神の身体にもどされた。
「神は死んでしまった」
「神は死にはしないよ。命そのものだから。生と死と2つとも持っているから。私に生きろといってくれた」と会話があった。

レバノン杉は現在1200本ほど残っているみたいですね。でも本当はレバノン中を覆っていたとか。
どうやら画像を見ている、山の杉が1本も残らず切られたという感じですね。
第一次世界大戦あたりまで伐採が続けられたりもしたみたいなんですが、最近では、植林されているとありました。
成長がちょっと遅いみたいで、1年間に2~7cmくらいしか伸びないそうです。
でも植林を続けなければいけないんですね。
私もこのレバノンの森の復活になにかしら力になれればなと思っています。
でも、どんな方法があるんだろう。調べなきゃです。

「もののけ姫」の中では、神の首は身体にもどすことができたけど、
レバノンの森の神の首はまだ身体から離れたままなんだ。
レバノンの森の神は、今だご自分の首を探してさまよわれているんだ。
人間が切り落とした。だから人間がつなげなければいけない。
きっと時間がかかる。。。。たぶん神の首が身体にもどるのは1000年後くらいかな。
長い時間をかけて伐採してきてしまった。。。だから長い時間をかけて元にもどす。

日本からは遠い国のことだけど、他人事ではないほっとけない気持ちが私の中にあるのはなぜでしょうか。
レバノン杉。。。とても気になる。
じゃ、近いうちにレバノン杉の元に行ってきます。
。。。と言いたいところですが、なかなかそういうわけにはいきませんね。
でも、いつか必ずレバノン杉のもとへ行きます。
そしてレバノン杉をギュッと抱きしめたい。
きっといつかそうするんじゃないかとそんな気がしています。
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