夢中人

sura@cosmic_a

枕草子

2013年12月17日 | Weblog
枕草子を読んでみた。
枕草子 (ビジュアル版 日本の古典に親しむ)
田辺 聖子
世界文化社

作者の清少納言は、今から千年前の平安時代に中宮定子の女房として宮仕をして働き生活をしていた女性。
中宮定子には沢山の召使いがいたはずで、彼女はその中の一人。ここで清少納言は、しきたりや形式に則って生活をしていったのでしょうね。それはそれで良かったと思うのですが、彼女は妄想好きの自由な心の持ち主だった。その思いを紙に書き綴っていくのが楽しかったに違いない。書いていくうちに本音が出てきたりもして、あ、自分こんなこと思っていたのだなんて感じたこともあったのじゃないかな。
他にも、流行り物も決して嫌いではなかったと思うワケで、当時の風潮も入っているような気もする。
そんな本音も書いてある清少納言の文を読んでいると、手紙を読んでいる気分になる。そして、返信をしたくなる。
きっと当時はそんな術がなければいけなかったのかなと感じます。

枕草子を読んでみて、今も千年前も変わらないのだなと思ってはみたものの、いや違う、千年前の生活が受け継がれて今に至るのだなと思った。描かれている生活が日本人のDNAに刻み込まれているみたいだと。
唯一つ現代と違うなと感じるところがあるとすれば、時間の流れ方でしょうか。そこはなんとなく違うと感じる。ゆったりと流れているなと思う時もあれば、明るいうちにやらなければいけない事もあっただろうし、暗くなったら暗くなったであったろうし、それはそれで忙しかったのかもなと思う所もある。当時の夜は真っ暗闇だったでしょうね。現代の日本では体験出来ることできないのではない暗さなのではないのかなと思う。漆黒の闇、黒い世界、物の怪たちの世界。あぁ、闇ってワクワクするものなのですね。その状況が妄想力をかりたてる感じです。
上村松園「雪月花」
枕草子では、それぞれの四季が愛情深く描かれてあるのですが、私的には、今が冬ということもあるせいなのか、冬の景色が心に残りました。コントのような「雪の山」。登場人物が多くてワイワイとした様や、中宮のノリの良さ。清少納言の負けず嫌い感。ハラハラ感。自然との戯れ感などを感じました。そして、「雪の夜」。このお話の中に古歌が出てきます。「山里は雪ふりつみて道もなし今日来む人をあはれとは見む」。この古歌ですが、「お仕えしはじめたころ」にも出てくるんですよね。人気の古歌だったのかなぁ。しかし古歌ってあんまり触れた事がないなぁ。。。解説には「拾遺集」とか「古今和歌集」などと書いてある。をかしな感じなのかな。をかしきことって私的にはドラマテックな事として読んでいることが多い。生きている事をかみしめる、そんなドラマテックなこと。いとをかし。
コメント
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