夢中人

sura@cosmic_a

万作・萬斎狂言

2008年03月06日 | 狂言
北九州芸術劇場にて「万作・萬斎狂言」を観に行ってきました。
なんというか、自分のこの行動からして、結構きてるなというのがわかります。
きてますよ。。。萬斎様に。
あんな連ドラなんてやられるとダメですね。はまってしまう。
なんというか、こうなってしまったら誰にも止められません。
自分でもどうすることもできない。
すみません。

で、狂言なんですけどね、今日は「隠狸」と「六地蔵」というのを観てきました。
「隠狸」は狸狩りができるくせにできないと主人に嘘ついちゃう太郎冠者。
主人は太郎冠者が狸狩りが出来ると噂で聞いていて、お客さんを招待し狸汁を
ご馳走しようとしていたので、狸狩りができないのなら市場へ行って買ってきてくれと
言うんです。
承知いたしましたって感じで太郎冠者は市場へ行っちゃうわけなんだけど、
その手には昨晩捕まえた狸があるわけなんですよ。
なんと太郎冠者は主人に黙ってその狸を売ってしまおうとたくらんでいたわけです。
でも主人は、なんかあやしいと思い、市場へ様子を見に行ったところで
太郎冠者にばったり出くわしちゃうわけ。
「なんで~マジで~?!」って感じで驚く太郎冠者。
「ほほ~う、なんだおまえ」と様子をみる主人。
そのうち主人が太郎冠者にお酒を沢山勧めてそれで隠していた狸がばれちゃうというお話でした。
狂言というのは、それぞれ感じるのは自由ということで、私なりの感想を書きますと、
私はこのお話に人間関係を感じました。
私の中の太郎冠者は若いんです。そして主人はそこそこって感じ(ってどれくらい?)。
太郎冠者がこの主人のところにお勤めしてちょっとの月日はたってるはず。
そんな太郎冠者のことを主人はみてきてるんです。
太郎冠者が狸狩りができないと嘘ついた時にきっと主人はそれが嘘だとすぐにわかったはず。
「おまえ嘘だろ。何年付き合ってると思ってるんだ。おまえの嘘ぐらいすぐに見抜くぞ」
くらいな感じでしょうか。
主人は太郎冠者に無関心じゃなかったんです。
無関心だったら狩りはできないと言った時に「あっそう、じゃぁ市場へ行ってきて」
で終わっちゃって、太郎冠者は悪い事をやっちゃう。
でも無関心じゃなかったから悪い事をしないですんだんです。
主人に怒られたと思うけど、太郎冠者にとってはよかったことなんです。
そこに主人の愛があったんだなぁと感じました。

もう一つのお話は「六地蔵」
ある田舎者は六体の地蔵を発注しようと都に仏師を探しに行ったところ
一人のすっぱ(詐欺師)に出会ってしまう。
そのすっぱは、自分は仏師で一晩で六体のお地蔵さんをつくると約束。
そんなことできるはずもなく、どうしようと考えたところ、
仲間を3人呼び出しお地蔵さんに化けさせる。
とうぜん嘘のお地蔵さんは三体しかなく、もう三体は別の場所に移動させ
ながらとりつくろうことにした。
翌日、田舎者がお地蔵さんを受け取りにやってきた。
目の前にあるのは三体。それらの確認が済んだらもう三体の確認がしたいという。
にせ地蔵達はばたばたと移動。
その確認が終わったら、さっきの地蔵がまた確認したいという。
う~ん、またさっきのが確認。。。って感じでばたばたばたばたしてるんですよ。
で、結局最後には嘘だとばれちゃうお話。
なんというか、このお話は単純に楽しめるお話だった。
おもしろかった。
しいていえば、どちらにしろ人を見る目というのが必要になってくるのかなぁって。
意外に純粋な人にこそ振り回されるのかもね。

私、狂言にだんだんと慣れてきてる感じがする。
解説されていた石田幸雄さんが言われていたが
1回、2回見ただけじゃ狂言はわからないと思うといわれていたが、そうかもしれない。
映画やドラマの観かたと狂言の観かたは違うかもね。
狂言などを先に見慣れていて、そのあと映画やドラマを観たらどんな印象をうけるんだろう。
それはそれであれ?なんか違う。なんで?って感じなのかなぁ?
狂言には(確か)254のお話があると言ってたなぁ。
その中のどれだけのお話を知ることができるだろうか。
次はいつかなぁって今思っているところであります。


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