あなたの心に
こまどりの声をとかし
菜の花の光で
くすぐってみる
すると心がかすかに揺れて
灰色の古い傷が見え
それが妙な形に歪んだまま癒着して
ひきつれているのを見つける
遠い記憶の傷跡だ
これはもう治すことはできない
なぜならもう そこからまた
あなたの新しい愛の部屋が
芽生え始めているからだ
思い出すたびに つらかろう
思い出すたびに 痛かろう
だが思い出すたびに 胸に愛が灯り
あなたは愛するもののために
永遠の歌を歌うだろう
恋をする者たちのために
愛の庭を作ろうとしていたあなたは
疲れ果てて夢の中にいる
あなたがせっかく作ったものを
だれかが大勢で壊してしまったことを
あなたはまだ知らない
涙に耐え 愛をこらえ
わたしは唇を結び
未来の道を探るために
あなたの元を去り
また空に飛びだしてゆく
またあなたに会いに来よう
あなたに会うたびに
わたしの愛は燃えて
すべてをやっていくだろう
どんなに遙かな道であろうと
進んで行くだろう
次に来るときは
小さな河鹿の声を持って来よう
それをあなたの心に溶かせば
あなたの心の中に
美しい小川の音が流れ始めるだろう
愛している