月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アンドロメダ・12

2019-05-31 04:25:55 | 詩集・瑠璃の籠

おかしなことをするでない

おまえには
おまえというものがあるのに
わざわざそれに馬鹿をやらせて
テントウムシのように
派手なものになるではない

神はおまえを
よいものにつくった
りっぱなものにつくった
自然にそれでいるだけで
うつくしいものにつくった
それを信じなさい

おかしなことをするでない

おまえには
おまえに似合うことがあるというのに
わざわざ馬鹿になって
元から苦手なことを
苦しがってやるのではない

神はおまえを
よいものにつくった
りっぱなものにつくった
ただ真面目に自分を働くだけで
しあわせなものにつくった
それを信じなさい

ほんとうのおまえには
ほかにするべきことがある
それを意識のほかに追いやって
見栄えだけがいい偽物を生きて
これが幸せなのだと
自分に言い聞かせながら
生きるのはやめなさい

おかしなことをするでない

にんげんは
しんじつにいきれば
まことによいものであるのだ
それを信じなさい




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フェクダ・13

2019-05-30 04:28:12 | 詩集・瑠璃の籠

人間は今
天使に出会って
自分を見失っている

自分たちより高い者に
出会うのは初めてだからだろう
自分たちとは違う
美しい者に
出会うのは初めてだからだろう

ゆえに自分存在の根幹が揺れ
天使の真似をして
天使になろうともがいている

それはやめなさい
それは自分を
迷いの闇に陥れる
馬鹿なのだ

人間は人間ゆえの美しさがある
神が与えてくれた
すばらしいものがある
その自分の真実を信じなさい

苦手なことを無理してやって
自分を天使にするのではない
あほうはやめて
本当の自分を探すのだ
黎明の薄闇に見失っている
本当の自分を探すのだ

年齢の差はどうしようもない
だが若い者には
若いなりのすばらしさがある
すべてはこれからなのだという
未来がある

あなたがたはすばらしいのだ
本当の自分を生きる時
あなたがたはまことに美しいのだ
それを信じなさい




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ヴィンデミアトリックス・38

2019-05-29 04:26:18 | 詩集・瑠璃の籠

美とは
愛の根源に深くかかわる
紋章である

それを見るだけで
人は愛をかきたてられる
愛をせずにいられない
人間の
あらゆる創造活動を引き起こす
それは永遠の紋章なのである

それを盗み
愛をまだ確かに知らぬものにかぶせ
人をだまし
愛を搾取しようとするものは
裏切り者である

偽物の美人とは
神の愛の紋章を盗んだ
裏切り者なのである

傲慢に落ち
自分より美しいものを憎み
あらゆるものを滅ぼそうとする

それは愛の姿をしていながら愛ではない
愛の世界の破滅を願う
おそろしい癌なのである




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アラドファル・16

2019-05-28 04:26:12 | 詩集・瑠璃の籠

心の冷たいものが
美貌を着る時
それはおそろしい
神への裏切りになるのです

神は心が冷たいと
言っているようなものだからです

何を
神にしてもらっていると思っているのか
生きるために必要なすべてのものを
与えられている
人間の心がゆがまないために
美しいものをすべて与えられている

ああ
空を見上げれば月があるという
当然のことを保証するために
神がどんな努力をなさっていると
思っているのか

あらゆることを
してもらっていながら
軽い気持ちで美貌を盗むだけで
神を馬鹿にしていることになるのです

いい加減にもうやめなさい
人の美貌を盗むのは
それがないと自分がみじめだというように
本当の自分のすべてを隠して生きるのは
それこそが最も愚かな裏切りです
本当の自分を馬鹿にして
他人の美貌をかぶっている限り
あなたは神への裏切り者であり続ける

たとえ本当の自分が
どんなにみじめに小さくとも
それがあなたの本当の幸せなのです
神が与えてくださった
本当の自分なのです
永遠にそれから逃げていくことなどできはしない

どんなに着飾ろうと
嘘は嘘でしかありません
苦い本当の自分の涙をのまない限り
あなたは
本当の美しさを手に入れることはできないのです




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ミルファク・3

2019-05-27 04:36:07 | 詩集・瑠璃の籠

人から盗んだ自分を着て
悦に入っているうちに
本当の自分が
どんどん腐ってくる

おまえが苦しいのは
その恐ろしい破壊音を
心のどこかで
常に聞いているからだ

ずっと逃げてきた
本当に生きねばならない人生が
どこかで葛のように
繁茂しているような気がして
じりじりと不安に濡れているうちに
夢にも思わぬところで
美しすぎる真実に出会う

ほんとうのおまえは
こうではなかったか
ほんとうの人生は
こうではなかったか

ああ
いやだったのです
まことの人生を生きるのは
平凡で
苦しいことばかりで
痛いこととは
えんもゆかりもない人生は

いいものになって
花ばかり咲いて
苦しいことなど何もない人生が
欲しかったのです
なんにもないところから
金がざくざく出てくるような
人生が欲しかったのです

大馬鹿者め
神の永遠の蔵から
玉を盗んで
永遠に自分のものにしようとしたか
全部支払わねばならない

地獄よりも深い穴に落ちて
永遠に
自分ではないものになり果てて
美しいものたちに
悲しい目で見られねばならない




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ゲンマ・40

2019-05-26 04:24:48 | 詩集・瑠璃の籠

心の涼しい人間になりなさい
嘘をかかえて
ごみのようなもので自分を汚したまま
神の前に来るのではない

なぜそんなことをした
自分がつらくて
ひとがにくくて
不幸になれとねがって
いやなことをした

馬鹿はそういうものだ
あほうになって
他人のことばかり考えて
自分のことは何もしない
何もしないでいるうちに
どんどん自分が馬鹿なものになって
よけいにひとがにくくなる

もうやめなさい
いやらしいことをやめて
神の前にこころを改め
苦い嘘を洗い流して
ほんとうの自分に戻り
うつくしいことをしていきなさい

まるで恋に狂っているかのように
馬鹿に迷ってしまった自分を
いつまでもそのままにしておいてはいけない
逃げることなく
自分のしたことを正しくつかみ
本当に正しいところにもどって
すべてをやり直すのだ

馬鹿になっておまえがやったことを
神はみんな知っているのだぞ
嘘を抱えたまま
神の前に出るのではない
涼しい心になりなさい




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スコルピウス・4

2019-05-25 04:38:51 | 詩集・瑠璃の籠

負けないものは
敗れるだろう

国の塩がさびる前に
ひとはひとに
頭を下げねばならぬ

おまえたちは
ひとりでは生きていけぬ
それゆえに
上手に頭を下げることが
できねばならぬ

いつまでも
子供のように
負けん気をもてあそぶのではない

空の神の目を思い
おのれの背負うている国を思い
ひとり
最もいやなものに
頭を下げよ

いやらしいものに
食われることも覚悟して
すべてを
神のためにやるのだ

負けるものは
勝つだろう

おまえの足元に
神が植えた玉に
おまえは
頭を下げて初めて
気付くことができるのだ




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シェダル・10

2019-05-24 04:29:15 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿は
馬鹿なことになるのが
いやなばかりに
馬鹿なことばかりやった

そしてすべてが
馬鹿なことになっても
あやまりもせず
ひくいところにわだかまって
ぶつぶつと文句ばかり言っている

おまえは何をした
馬鹿になれと言って
全部を馬鹿にした
いやなことばかりした
苦いことばかりした
永遠にいなくなれと言って
愛を追い出した

すべての責任をとらねばならないというのに
馬鹿はいまだに何もしない
つらいつらいとばかり言って
逃げるすきを常に探している
言い訳の影を歩きながら
なんでこんなことになったのかと
馬鹿なことばかり考えている

いやなことをしたからだ
人間を馬鹿にしたからだ
ささやく風の声を避けながら
逃げることのできない自分から
永遠に逃げようともがいている

馬鹿者よ
馬鹿者よ
黄昏の荒れ野に落ちて
虚無の風に魂をさまよわせるのか
自分以外に
どこにもおまえの居場所はないというのに




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ベクルックス・64

2019-05-23 04:27:57 | 詩集・瑠璃の籠

人から盗んだ美貌を
これでもかときれいに磨き上げ
人にみせびらかすことほど
恥ずかしいことはありません

水晶のように透き通った瞳のつもりで
心の窓から黒々としたものが見えている
それがおそろしく馬鹿だということに気付きなさい
裸で通りを歩くこと以上に
恥ずかしいことになっていることに
早く気付きなさい

若い女性たちが
自分を美しいと思い込んで
きらきらに磨いた嘘の自分を人に見せている
それがたまらなく苦しい
あまりにもみっともない

本当に美しい人なら
自分の美しさを控えめにするはずなのです
美しいことによって
人を苦しめてはいけないと思うからです

そんな心もまだできていないのに
裏でいやらしいことをして
人から盗んできた美貌を自分と信じ込み
人に見せつけることほど
いやらしいことはありません
やめなさい
やめなさい
もうやめてください

本当に美しくなりたいなら
偽物の自分を捨て
本当の自分の姿になって
心を美しくする修業をまじめにやっていきましょう
愛の勉強をしていきましょう
それ以外に美しくなる方法はないのです

愛することがまだうまくできないのに
人を美貌で支配するために
自分を見せびらかしている人ほど
醜いものはありません




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アルギエバ・43

2019-05-22 04:27:32 | 詩集・瑠璃の籠

人間の不幸の種というものは
結局は何もしないということだ

人からいいものを盗んで
見栄えのいい人生を手にいれても
それにあぐらをかいて
何もしないでいるうちに
あほうがどんどんたまってきて
苦い風が吹いてくる

おまえが本当にしなければならないことは
苦しい本当の人生の中で
懸命に努力して自分を立てることだ
小さい人間として
人に使われ人に仕え
愛するということを
まじめに勉強していくことだ

偽りの人生に安住しつつ
嘘くさい勲章をもらったところで
おまえは幸せにはなれない
みごとに愛に逃げられて
からっぽの人生につまずき
見栄え以外は自分に何もないことを思い知るのだ

何が欲しかった
人がうらやましがる自分が欲しかった
そのためにあらゆる馬鹿なことをやった
いいかげんにしろ
馬鹿者どもめ
逃げてゆく愛の中に
神の気配があることがわからないのか

苦い薬を飲むのは嫌だからと
夢見た甘い人生の中で
何もしないでいることが
一番の幸福だと
酔いしれていた嘘の中で
ほんとうの自分が消えていく

何もかもが馬鹿になってしまう前に
やめておけばよかったものを
あほうが
完全に落ちてしまったか




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