月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
コメントはゲスト・ルームにのみお書きください。

メンカリナン・14

2016-12-31 04:17:33 | 詩集・瑠璃の籠

糞と泥と金と
紙と硬質インクで
偽物の愛を作ろうとした

糞で
神の絵姿を汚し
新しい女と寝るために
殺した女房の死体と一緒に
森の奥の沼に沈めた

金の鎖で
しめ縄を作り
森を囲って禁域を作り
誰も秘密に触れないようにした

泥で
偽物の神像を作り
神とインクで
神のお告げを偽造した
愛しているぞと言いながら
女と金を
俺によこせということを
隠喩に含ませて言い続けた

偽物の愛は膨らみ
蛙が牛の山になるように
馬鹿に痛い腐れ女の神になった
美しいが
いやな女なのだ
人を馬鹿にして
金と真珠を食わせろと言う
いくらでも欲しがる

奴隷を締め上げて
いくら金を持って来ても
ありがたいとも言わない
貪り食うて
まだ足りないという

セックスがしたいというと
わたしを愛しているの
と笑う
馬鹿にしているのだ

いやな女なのに
離れられない
愛が
欲しいから

馬鹿め






コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムジカ

2016-12-30 04:15:33 | 詩集・瑠璃の籠

人を馬鹿にして
自分が勝ったつもりにするのは
愚か者の所業です

それは
自分を他人に頼ることに
他ならない
他人を馬鹿にしなければ
堪えられないほど
自分は馬鹿なものなのだと
自分で認めていることに等しい

心のどこかで
それをわかっておきながら
ないことにして
何もかもをやってきたことに
もうあなたがたは責任をとらねばなりません

人間というものが
下らぬことをやってきたのは
馬鹿が
人間を下らぬものと言ったからです
その言葉を信じた人間が
自分は下らぬものと思い込んで
苦しみながらも
下らないことをやってしまい
一層自分を下らぬものにして
あえぎ苦しんできた

その苦しみがまた
下らないことをさせる

それをあなたがたは
人間の歴史というものが
すべて下らないものだったと
いうことになるまで
やってしまったのです
歯止めをかけようとしてくれた者はいたが
馬鹿はそういうものを
ことごとくつぶしてきた

その報いを
馬鹿はもう正しく受けねばなりません
覚悟をしなさい
もはや逃げることや許されない
子供の振りをして
神に情けを請うこともできない

何もかもを
自分でやらねばなりません
二度としないから許してくれなどという
ばかげた嘘をつくのではない

軽々しいその口の裏で
人を馬鹿にして
助けてもらえたらすぐに裏切り
また馬鹿をやろうとしている
その魂胆は見えているのです




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陶の掲示板

2016-12-29 05:47:04 | 星の掲示板

35枚目の掲示板を設定する。





絵/エミール・カールセン





コメント (50)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルテルフ・11

2016-12-29 04:42:20 | 詩集・瑠璃の籠

ここまで世界が荒れたのは
おまえのせいだ
馬鹿者よ

ここまで人間が汚れたのは
おまえのせいだ
馬鹿者よ

遠い昔
神の庭から
一輪の水仙を盗んで
それを女のせいにした

遠い昔
一本のマッチで
森に火を点けておきながら
それをネズミのせいにした

おまえがついた
一粒の小さな嘘が
世界に小さな傷をつけて
それが見事に膿み広がり
ここまで人間は腐ってしまったのだ
責任をとれ

貧しい国に帰り
一日に一椀の
稗飯も食えぬような暮らしをし
一本の鋤と
一本の箒で
世界を清めよ
逃げるのではない

毒を含んで煮えたぎった
おまえのもらした糞の海を
すべて清めよ
逃げるのではない

だれの助けも求めてはならない
おまえ一人でやれ
逃げるのではない




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴィンデミアトリックス・18

2016-12-28 04:16:04 | 詩集・瑠璃の籠

あんなにがんばって
嘘の上に虚栄の城を作り
あらゆるものを馬鹿にして
真の王から盗んだローブを縫いつなげ
明らかに神に成り代わろうとした
その馬鹿が
今更
誰も自分を助けてくれないと言って
世間をなじっている

人間などみな馬鹿だ
いやなものだ
何にもなりはしない
あんなものなどいても
無駄なだけだ
食い物が必要なだけ
苦しいものだ

そのように
何でも言っておきながら
嘘がばれてみると
すべてが崩れていく
あると思っていたものはみな
虚栄にかすんで
意味を失い
ないものに等しいものになっていく

膨らんだ罪だけが
酸の海のように
くるぶしを濡らす
狭い孤島に取り残され
運命に飲まれることにおびえながら
馬鹿は
誰も自分を助けてはくれないと
人間をなじっているのだ

あんなものは馬鹿なものだと
そう言ったものに
頼ろうとしていることが
馬鹿だと思わないようにしている
助けてもらった後で
騙される奴が悪いんだと言って
逃げるつもりなのだ
そうすれば自分が勝てると
馬鹿は思っている

未だにそんなことから
抜け出せていない
汚い根性がもう透けて見えていることに
気付いても認めたくないのだ
そういう馬鹿は
酸の海に溶けていく孤島で
いつまでも泣き叫び続ける

だれも
だれも自分を助けてくれない





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フォマルハウト・10

2016-12-27 04:15:57 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿は
進化していく人間の姿に
心底おびえている

なぜなら彼らは
人の弱みに付け込まなければ
何もできないからだ
人間が
馬鹿なことをする馬鹿でなければ
騙すことができないからだ

滑稽なことをする人間をからかい
馬鹿にすることができる
悪がかっこいいものでなければ
絶対に困るからだ

だが人間の霊魂は
どうしようもなく成長し
馬鹿がやっていることの正体を
容易に見抜くことができるようになる
巧みな論理に覆い隠した
馬鹿の真意が
あまりに滑稽であることに
皆が気づくようになる

あれらはみな
馬鹿なのだ
まだ大事なことが
なにもわからないのだ
わからない自分が苦しくて
わかるものに自分を見せようと
他人の皮を着て生きている
それが見苦しいことに気付いていない

わからないものはどうしようもない
生きていく世界が違う
もう十分に尽くした
馬鹿は放っておいて
違う世界に行こう

人間は馬鹿を見捨てていく
自分の古い垢にこだわって
新しいものを見ようともしない馬鹿は
もう二度と見たくないと
新しい世界に行く

馬鹿は
自分で変わらない限り
永遠に取り残される





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ズブラ・10

2016-12-26 04:16:21 | 詩集・瑠璃の籠

女の方がよいことになって
自分には何もできないことがばれると
馬鹿男には何もないのだ

できもしないことを
できるとうそぶいて
ヘラクレスの皮をかぶり
弱気な目をサングラスで隠し
あらゆる女をだましてきた

今にもでかいことをやるぞという
振りをしながら
だらだらと同じことばかり繰り返し
抑圧的な態度で女を黙らせ
嫌なことをして
都合のいい社会の仕組みを作り
自分に反抗する芽をことごとくつぶしてきた

馬鹿男が営々と作ってきた
灰色の嘘の居城の
奥の奥には
鼠のように小さな猿が隠れている
黄色っぽい色をしていて
泣きはらした目をして
外の音におびえている
自分の本当の姿がばれるのを
何よりも恐れている

張りぼてで作った
体格の良い聖者のアンドロイドが
電池切れで動かなくなる日が近い
電池を買おうにも
もう金がない

どうすればいい
どうすればいいのか

馬鹿男は頭を抱えながら
居城の奥で悩み悶えている





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミネラウヴァ・3

2016-12-25 04:16:26 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿は
死んだ女の骨をなめている

もうとっくに死んで
肉は腐れ落ち
住んでいた家もなくなり
国は砂になったというのに
まだ骨をなめている

なんでもないことにしてくれ
許してくれ
なにもかもは馬鹿がやったことだからと
何にも知らない馬鹿のことだからと
大目に見てくれ

あらゆることを
大勢で馬鹿にして
すべてを愚弄して
生意気の千倍のことを
大見えを切ってかっこよくやり
自分こそが神に等しき正義だと
自信たっぷりにうそぶいて
世界を破滅に導いた
馬鹿が

小さな女の骨をなめながら
まだうめいている

もう一度やり直させてくれ
馬鹿が勝つ世界にしてくれたら
いくらでもいい思いをさせてやるから
生き返ってくれ
帰ってきてくれ
いい女がいいんだ
おれが惚れているから

馬鹿はまだやるつもりなのだ
もう誰も
振り返りはしないというのに




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルヤ・25

2016-12-24 04:17:24 | 詩集・瑠璃の籠

あなたがたが
ものごとを馬鹿にするのは
そうすれば
大上段に立って
自分が強くなったような気がするからです

だが
馬鹿にしたからと言って
自分が強くなるわけではない
地球を創られた
神の創造など大したことはないと
口では言うことはできるが
果たしてあなたがたは
神の創られた石くれ一つを
創ることができますか

蠅や蚊の霊魂を
創ることができますか
自己存在の創造など簡単なことなのだと
たいしたことはないのだと
うそぶくのなら
やってごらんなさい

存在の創造とは
それは飽きるほど長い年月と
忍耐をかけて
小さな点から
少しずつ虚無を消していくということなのです
虚無というものの
正体もわからないのに
それができるはずはない

神が創られた世界には
地球の人口の数万倍の存在がいるのです
その存在のすべてを
神は創られたのです
それはすばらしい
奇跡にも等しい技なのです

自分の周りの小さな世界しかまだ知らない
馬鹿が
神を馬鹿にしてはいけません
子供の頃ならまだいいが
もうよほど大きくなった今では
それをしてはなりません

勉強をし
神の創造のすばらしさを知り
自分の表現力を賭して
それをたたえなさい
神の耳にも届くほどの
美しいことを編みなさい

その自分の自分自身の美しさを
あなたがたが発揮するとき
そこで初めて
神の創造の真のすばらしさを
あなたがたは知ることができるでしょう




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルテルフ・10

2016-12-23 04:15:33 | 詩集・瑠璃の籠

氷のオーロラが
アメリカに来る
エンタープライズよりも怖い
運命の戦艦だ
もはやおそい

馬鹿な男は
ちんけな自分のプライドを守るために
救国の母を退けた
二度と彼女は来てくれまい

女がいいものになっては
好きなようにセックスができなくなる
それはまずい
男の欲望とは
原始の時代のように
豊満な女と好きなようにやれる
そんな世界を地球に作ることなのだから

馬鹿な男は大勢で
そういう
急進的な顔をして
恐ろしく保守的な
狸を選んだのだ

ミミズのように弱い肝を
カーネル・サンダースの扮装で隠しながら
自分は高貴な神の使いだとうそぶいている
本気でやれば
女が思い通りになると思っている馬鹿が
とうとうホワイトハウスに住み着く

民主主義が
ぼろを出して
坂を転げ落ち始める

氷のオーロラが
流氷のように
マンハッタンに着氷する

自由の女神は衰えて
場末のクラブのダンサーのように
堕落していくだろう
見せかけだけの表情が
保証していた国の理想は
死んだウナギのように腐っていく

もはや遅い





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする