奪い取っていったものを
返さねばならない
人間どもよ
わたしは今留守宅に戻ってきた
燭台に月を灯して
わたしがまどろんでいる間
おまえたちはこの世で何をしていたのか
世界には灰色の影たちがたむろし
累々と横たわる銀の骸の上を人々は歩いている
わたしはまずそれを片付けねばならぬ
光の息を吐き魂の翼を広げ
風の眼差しをまとい
わたしはもどってきた
星々の木漏れ日の間から
気配の指を垂らして
すべての生けるものの魂にしのびこむ
世界のてっぺんの丘に手を広げ
次の正義を導くための歌を歌い
すべての悲しみを洗うために
地に縛られた剣を引きちぎって歩み出す
人間たちよ 今
わたしはもどってきた