月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ヴィンデミアトリックス・80

2023-08-31 04:34:17 | 詩集・瑠璃の籠

冷たい砂風の吹く
永遠の黎明の大地を
あなたはさまよう

灰色の大地
灰色の空
花も咲かず
鳥も鳴かず
流れる水もなく
空には日月も星もない
そこには
愛が何もない

ただ弱い光が
あなたの目を塗り
永遠の絶望の月日を
あなたに教える

愛を愚弄しすぎた馬鹿者は
みなそこに行く
虚無のごとき存在として
永遠に何もせず
ただぼんやりと生きねばならない

それが
どんな地獄の責め苦よりも
苦しいことなのだと
あなたは思い知るだろう
馬鹿者よ

永遠のシジフォシア
徒労と疲労の支配する
薄闇の世界
そこに行ったものは
二度とは帰ってこれない



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シェダル・43

2023-08-30 04:23:39 | 詩集・瑠璃の籠

もうだれも
助けてはくれない

嘘にまみれた暮らしの中で
孤独な魂を
引きむしっているあなたを
憐れんでくれるものは
もういない

すべての愛が
冷たく心を閉じてゆく
もう二度と愛しはしないと
あなたから遠ざかってゆく

あなたは愛を
裏切りすぎたのだ
自分だけの幸せのために
人を食い 神を盗み
あらゆる暴虐を働いた

誰の苦しみも振り向かず
盗んだ栄光の中で
永遠にこの世を
思い通りに支配しようとした

ゆえにすべての愛は
もうあなたを見放す
あなたを
魂の地獄から
救おうとしてきた手を
すべてひっこめる

あなたを救えるものが
いるとしたら
それはもうあなた自身しかいない
だのにあなたは
その自分自身さえをも
裏切り続けているのだ



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アラドファル・41

2023-08-29 04:22:11 | 詩集・瑠璃の籠

愛が
心を閉じてゆく
嘘ばかりつく馬鹿者に
とうとう愛想をつかす

よってくるな
あっちへいけ
よってくるな
あっちへいけ

自分だけの幸せのために
人を食うて平気な馬鹿者は
みんな拒否する
二度と愛したくはない

美しい神の空が
赤い怒りに染まり
幾千の手を伸ばして
馬鹿者をつまみ出す

出ていけ
もうこの世から出ていけ
この世を
汚い血と糞で汚しまくった
馬鹿者は出ていけ
おまえの顔など
二度と見たくはない

愛を愚弄し
裏切り続けてきた馬鹿者よ
とうとう愛がひっくり返る
恐ろしい神の怒りが
あふれかえる津波となって
おまえを流し去る



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ベクルックス・85

2023-08-28 04:24:02 | 詩集・瑠璃の籠

みだらなことは
やめなさい

天使の美貌を盗んで
愚かな美女となり
人をだまそうとすることを
やめなさい

あなたが美しくなりたがるのは
それで人を支配できると思うからだ
美しさにひかれてやってきた男を
自分のために利用できると思うからだ
そんな心は愛ではない
愛ではないものは美しくない

愛は
みなの幸せのために
陰であらゆる努力をしている
細やかにおおらかに
愛をうたい続けている
その愛の美を盗み
醜いエゴのために利用するのは
あまりにも愚かな罪なのです

神が創ってくださった
素晴らしいこの愛の世界を
みだらな夢で汚す
憎むべき馬鹿なのです

もうやめなさい
馬鹿なことは

本当に美しくなりたいなら
エゴを捨て
嘘を捨て
本当の自分に帰りなさい
真正直な自分の姿を受け入れ
そこから真面目に
自分の勉強をし
愛の美をこつこつとためてゆくのです

それが
正しい美人の道というものなのです



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ヴェガ・26

2023-08-27 04:29:26 | 詩集・瑠璃の籠

幸せは
心で感じるものだよ
きれいな服を着て
見せびらかすものではない

おまえはなぜ
そんなに自分を衒うのだい
そうしなければ
自分がつらいのかい

美貌や才能や
大きな家や車や
きれいなパートナーや
贅沢なものを
たくさん持っていることを
みんなに見てもらわないと
幸せではないのかい

かわいそうに
おまえはいつも不安なのだ
本当の自分には何もないと
思い込んでいるからだ
だからいろんながらくたを集めて
自分を飾りたがる

もうやめなさい
何もないのではないよ
自分には自分がある
太陽の温かさを感じて
たまらずみんなを愛したくなる
明るい心がある

その心に鍵をかけて
見栄えだけの幸福に
酔い惑うことほど
悲しいことはない

さあもう
がらくたは捨てて
わたしとともに行こう
本当の自分さえあれば
すべてがある
何も悲しむ必要はない

森の中をひとりゆく鹿のように
自由に歩こう
そうすれば本当の幸せが
金の小鳥のように
おまえの心の中で
歌い始める



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プロキオン・18

2023-08-26 04:23:44 | 詩集・瑠璃の籠

あなたが傷つけた
人々に償うために
涙の川を
掃除しなさい

長い長い年月
あなたが裏切り続けてきた
人々の涙は
泥のような大河となって
あなたの前を流れている

恐れてはいけない
逃げてはいけない
あなたにはそれができるのだ
自分の存在いっぱいの愛で
川を清めていきなさい

自分を嫌がり
エゴに迷い
馬鹿なことばかりした
自分の過ちを
心から皆に謝罪し
すべてをやり直していくことを
神の前に誓うのだ

自分の
永遠の未来を
愛のためにつぎ込み
すべてをやっていきなさい
そうすればいつか
涙の川は
野を潤す
清い小川となるだろう

それは悲しみの涙ではなく
再び結ばれた
すばらしい友情を喜ぶ
涙の川なのだ



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アルヤ・100

2023-08-25 04:31:42 | 詩集・瑠璃の籠

もう
愚かな迷いの時代は終わった
さあ
馬鹿なことはやめなさい

人間は自分に気づき
自分の中に
永遠に燃える
愛の光があることを
知った

それさえあれば
すべてのことをやっていける
すばらしい黄金の光の存在に
気づいた

さあ
暗い迷いの夢から覚め
光の中に出てきなさい
すべての愛が
あなたを待っている
新たなあなたを

恐れずに
殻を破りなさい
そうすればあなたは
自分に
自由の翼があることに
気づくだろう

魂の自由を得たとき
あなたはもう
愛以外のことはしたくないと
思うのです

そう
自分とは愛なのだ
ただ愛だけで
すべての幸福のために
よきことをやってゆく
すばらしいものなのです



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デネボラ・12

2023-08-24 04:22:14 | 詩集・瑠璃の籠

苦い罪を
心臓の奥に隠し
嘘で作った
聖者の仮面をかぶって
世間をごまかそうとする馬鹿者を
わたしは許さない

真実の薔薇の花弁を
刃に変え
薄汚い仮面のひもを
切り放つ

逃げることはできない
自分の本当の姿を見て
おまえは叫びをあげるだろう
これが俺かと
醜いことばかりしてきた
人を愚弄し続けてきた
これがおれの正体かと

人間でありながら
獣のようなエゴにまみれ
すべてを自分だけのためにやってきた
これがその結果なのかと

愛を馬鹿にし
人を食って生きてきた
おまえの真実の姿を
おまえに見せてやる
すべて受け取れ
逃げることは許さない

あまりにも醜い
馬鹿になりさがった
自分だけを連れて
さっさとこの世界を
出ていくがよい



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サビク・85

2023-08-23 04:28:48 | 詩集・瑠璃の籠

もう曲がったことは
やめなさい

そこまでのことをして
自分をよいものにする
必要があるのですか

みながうらやましがる
才能と美貌を持ち
潤沢な金と
素敵なパートナーと
欲張りが欲しがるすべてのものを得て
本当にそれで幸せですか

汚い嘘と盗みばかりで
きらびやかな幸福を偽造しても
あなたは幸せではない
なぜならそこには
本当の愛はないからだ

真実のあなたを
深く愛してくれる愛が
どこにもないからだ

どんな名声と称賛を浴びても
心の奥に置き去りにされた
冷たい孤独を埋めることはできない
すべては嘘だからです
あなたの生きている人生そのものが
偽物だからです

砂の中を泳ぐ魚のように
あなたの魂は疲れ果てていく
たくさんの宝に囲まれながら
飢えた鹿のように
心は闇をさまよう

もうやめなさい
ありとあらゆる馬鹿をやって
偽った幸福が
愚かな幻だとわかったなら
もうすべての嘘を捨てて
本当の自分に
帰ってきなさい




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シルマ・38

2023-08-22 04:23:29 | 詩集・瑠璃の籠

まだやっている
馬鹿者は
まだやっている

天使がラッパを吹き
神が時代の旗を振り
世界が変わっていく予感が
雨のように降っているのに
馬鹿者はまだ変われない

嘘と盗みを
盛大にやって
築き上げた高殿から
落ちるのが怖いのだ

天使の真似をして
偽造した聖者の仮面が
腐ってゆくのがつらいのだ

逃げることはできない
自分を影に封じ込め
永遠に嘘で生きていたいと
馬鹿者は夢を見る
だが真実は容赦なく
馬鹿者の嘘を引きはがす

嘘の高殿は
立ったまま阿呆になり
聖者の仮面は
醜い罪のあざとなって
永遠に馬鹿者のしるしとなる

まだやっている
馬鹿者は
まだやっている

嘘で作った
美貌の聖者の衣に
臭い血のシミが
浮き出ているのを
みなが見ているのに
まだやっている



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