月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ラサラス・4

2017-05-31 04:15:10 | 詩集・瑠璃の籠

神の白き馬が
人類の馬鹿を
背に乗せるのをやめた

四枚の翼をもつ
白い神の馬は
星のように大きく
広やかな心で耐え
大勢の馬鹿を背に乗せていたが
馬鹿があまりに嫌なことをするので
耐えきれずに
すべての馬鹿を振り落とした

病毒が降ってくる
神の馬がその翼で起こしていた
風が防いでくれていた
あらゆる病毒が
馬鹿の上に降ってくる

それは馬鹿の
DNAのらせんを壊し
恐ろしい癌の種を作るだろう
見たこともないような
病原菌の侵入を
細胞の中に許すだろう

馬鹿が壊れてゆく
自分だけを永遠に幸福にするために
神をだまそうとした
馬鹿が壊れていく

もう永遠に
許してはもらえない




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聖の掲示板

2017-05-30 15:35:36 | 星の掲示板

58枚目の掲示板を設定する。





絵/ジョヴァンニ・ベッリーニ





コメント (227)
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アルドラ・5

2017-05-30 04:16:05 | 詩集・瑠璃の籠

混沌の響きというは
自分を馬鹿だと思い込んだものが
その苦しさのあまり
他者を暴力的に攻撃するようになり
それによって世界が
おそろしく滅亡の闇の方へ
傾いてしまうことを言います

混沌というは虚無
虚無とは全くないもののことです
ゆえにこの世にふるえる力なども
あるはずがない
力を持つのは
存在というものだけなのです

自己存在が存在する前の
混沌というもの
虚無というものを
永遠の絶対支配者にしたいなどという
動きは
子宮回帰の心と根を同じにしています

生きることを
あまりに苦しく
難しいと感じている魂が
母にすべてをやってもらえていた
胎児の頃にもどりたいと思う
なにもしないでも
親がすべてをやってくれていた
子供のころに戻りたいと思う
それが
混沌に響いた人間の心の闇に巣くう
鼠のような弱さなのです

あほうと言うは
その
薄苦いウェハースのような
幻のお菓子に
すがりついているものなのです
甘えたい
甘えたい
だれかに助けてもらいたい

だが
だれも助けにきてはくれない
なぜならもうそのものは
充分に大人になったのですから
自分というものがわかるほどに
大きくなったのですから

大きくなったものは
自分でやれることはみな
自分でやらねばならないのです
混沌にぬれた自分の
おろかな鎧を捨て
まことの自分に戻りなさい
それですべては救われるのですから

わたしはアルドラ
人類の天使ではありません
月の友です

これからもときに
語りにきましょう





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アルドラ・4

2017-05-29 04:15:36 | 詩集・瑠璃の籠

子供じみたことを
あやしいほど着飾るものは
虚仮だと思いなさい

子供じみた心のまま
大人になった大人の心を
諫めるために
子供のように素直な心を訴えることが
功を奏することもありますが
馬鹿というものはそれを利用して
自分を偽ることもあるのです

子供じみている自分の願いを
肯定するために
子供じみていることが美しく
正しいのだと決めつけてしまう
それですべてを支配しようとしてしまう
それこそが
子供じみたまま老いてしまった
大人の馬鹿というものです

自己存在というは
可逆的に進むことなどありはしない
常に進歩していく
何も勉強しない馬鹿でも
日々を経験していく中で
知識経験が増えていく
いつまでも
何も知らない子供のままでいることはできない

正しく自分を立て
一人前の大人として
責任というものを
瞳の中に燃やしていかねばならない
自分のやっていくことを
自分のこととして
正直に認めていく
麗しい大人にならなければ
あなたがたはいつまでも
老いた子供であり続ける

老いた子供とは何か
いつまでも神に甘えて
自分では何もしようとしない
愚かな人間のことです
人間ならばまだいいが
子供のままでいたいなどというわがままを
激しくやっていきすぎれば
人間以外のものにもなり果ててしまう

何もしないものは
生きていくために
常に他人に頼らねばならない
そのことをよいことと肯定するためには
すべてをさかさまにしなければならない
それゆえに永遠に罪を重ねていく

まだできることが小さい
子供のうちは
神も許して下さるが
もうよほど
できることが大きくなったら
甘えは通用しません

子供じみた自分を着飾り
人を馬鹿にしてはならない
おとなになりなさい




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アルドラ・3

2017-05-28 04:14:47 | 詩集・瑠璃の籠

翼というものは
わたしたちの属性の
配下にあるものです

そうたいしたものではない
自己存在の進化の過程において
ある時期に
ぜひとも必要なものです
わたしたちの活動を助けてくれるが
必要がなくなれば消えていく

こういうものがあるのは
天使だけです
飛ぶためにあるものではない
美しいが
わたしたちがこれを背負っているのは
少々つらいことでもあるのです

いずれあなたがたにも生えてくる
そうすれば悲しみもわかります
あなたがたはこの翼を
おもしろい感じに見ていますが
自分の背につけてはいけませんよ
そんなことをするものは滅多にいないだろうが
それはあまりにもおかしなことなのです

今のあなたがたにはいらないものだからです

これはわたしたちの
傷つきやすい心臓のようなもの
ずいぶんと立派だが
触れあうと痛い

わたしたちは
あなたがたよりはずいぶんと大きいが
神に比べれば
ずっと弱いのです

だからこそ
この翼が必要なのです




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アルドラ・2

2017-05-27 04:14:31 | 詩集・瑠璃の籠

完成など目指してはいけません
自己存在というものは
永遠に完成することはないのです

どんなに高いことをなしとげようとも
どんなに素晴らしい事業をしようとも
必ず足りない何かがある
自分に満足するときなど
永遠に来はしない

ただ
常に進歩向上していく
自分を感じる
自分がいる
その光の中で
自分というものを生きている
それこそが
自己存在の幸福なのです

焦ってはいけない
自分の小ささに
絶望してはいけない
時の流れは
はてしなく続いていく
未来というものは
今はないが
今というものを積み重ねていく向こうに
未知の顔をしつつ
厳然と横たわっているのです
わたしたちは常に
そこを目指して生きていく

今できる
いっぱいの自分をやりなさい
学びなさい
知識を食べていきなさい
霊魂というものは
恐ろしく不思議なものです
あまりにも膨大な富を蓄えていくことができる
あまりにも
大きなものになっていくことができる

その真実を信じ
ひたすらに光に向かっていくものは
永遠の幸福を得るでしょう

完成など目指してはいけません
完成を決めつけてしまえば
それ以上努力しなくてもいいという
虚無の闇に死んでしまう

限りない努力の進行の中で
生きていきなさい




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アルドラ

2017-05-26 04:15:46 | 詩集・瑠璃の籠

すべてがわかったときには
何もかもが遅いというのは
あなたがたの癖のようなものですが
いつまでもその愚かな闇の中に
こもっていてはなりません

所詮人間などそんなものだと
あほうになって何もやらなければ
人間というものは
なくしてはならないものを
失い続ける

かわいい女性というものが
どんなに大切なものかということが
かわいい女性が全くいなくなった後で
わかっても
何にもなりはしないのです

神が与えてくださったものには
大切でないものなどありはしない
大事にしていかなければ
悲しいことになるのだと
わからなければいけない

あなたがたが
この世界にあるものを馬鹿にするのは
あまりに自分が苦しいからだ
小さくて馬鹿で何もできないものだと
思い込んでいるからだ
だから
自分が好きなものほど
ことさらに殺そうとする
いやだといっていじめてやらなければ
自分の相手をしないのだと思い込んでいるからです

もうそろそろやめなさい
あほうに狂って
大切なことを見ようとしないから
決してなくしてはならないものを
失うのだ
大昔の昔から
そんなことばかりを繰り返してきて
まだわからないのではいけない

大切なものが消えて
取り返しのつかないようなことになる前に
馬鹿なことをやるのをやめられることができる
そういう勉強を
あなたがたはせねばなりません




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トリアングルム・5

2017-05-25 04:15:26 | 詩集・瑠璃の籠

傲慢と無知が
一つの器に溶けあえば
それは奇妙な芋虫になる

何も知らないうちから
馬鹿なことをしすぎ
おかしな罪を犯しすぎたものは
だんだんと
人間の姿を保てなくなるのだ

手も足も
不思議に溶けていき
まるで芋虫のような形になる
それは
永遠に蝶になることはできない
芋虫なのである

そのようにして
人間を落ち果ててしまったものは
人間世界をでてゆき
シジフォスの荒野の横を通り過ぎ
砂流でできた
おそろしく不思議な
大樹に登らねばならぬ

世界樹という言葉に
匹敵するほどそれは大きいが
そのように豊かなものではない
不思議に美しいが
かつておまえたちが見たこともないものだ

おまえたちはその木に登り
不思議な時の葉を食べながら
その木に月の花が咲くまで
永遠に近い時を
その木に巣くう芋虫として
生きてゆかねばならぬ

わずかな知恵を巨大なものと思いこみ
神よりも自分が偉いと思い込んで
馬鹿なことをしすぎると
人間はそういうものになるのだ
ゆえに
おごり高ぶってはならぬ
怠けてはならぬ

励め
いそしめ
美しうなれ

あほうになりすぎた人間は
神がなんとかしてやる
だが
いいことがわかるようになるまでは
えらいことをしてはならないと
それだけは勉強せよ




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トリアングルム・4

2017-05-24 04:15:31 | 詩集・瑠璃の籠

人間よ
あなたがたはまだ
とても小さい

生きるために必要な
美しいものを
あまりにもたくさん
神にもらっている

手も足も
かわいらしい顔も
鳥のような声も
幻のように美しい瞳も
おまえが持てるものではない
おまえはまだ
そんなものを作ることはできない

ただ
神が
おまえを激しく愛するがゆえ
好きなだけ与えてしまうのだ

神が産んだ
まだ何もないこどもを
何もできないこどもを
裸にしておくことなどできようか
できはしない

おまえたちは
あまりにも小さい
ゆえに
生きていくことが
あまりにも難しい

ゆえに神は
おまえたちができぬことは
みな代わりにやってやる
何でもない
神にできることは
すべてやってやる

おまえは重く思う必要はない
おまえはいつか
とんでもないものになって
かつて神にもらったものと
同じくらい大切なものを
神にくれるだろうからだ

あほうにならず
励むがよい




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ミネラウヴァ・17

2017-05-23 04:15:30 | 詩集・瑠璃の籠

深い海の底から
大陸が盛り上がってくるかのように
本当のあなたが
奥から現れてくるでしょう

偽りという偽りを注ぎ込んで
馬鹿が造った大海の底に
塗りこめられていた
法則の絵が
あなたの顔に
浮かび上がってくるでしょう

きらびやかな栄光は
霞のように消え
墨のように濃い陰が
染みあがってくるでしょう
まるで仮面が透き通って
本当の肌の色が見えてくるように

あなたが自分だと思っていたことの
あらゆることが
花だと思っていた雪のように
消えていく

宝石だと思っていた
自分の枝になっていた実が
塵屑よりもはかなく
かすれて崩れていく様を
あなたは見るでしょう

何もかもは嘘だった

わかるよりも前に
自分が消えてしまったほうが
幸せなのか
それとも

判断するのはわたしの役割ではない
運命をかぶるあなたの
感性の主体が決めることだ
いいえ
神が決めることなのだ

消えてしまったものは
もう忘れなさい
自分の奥から染み出てきた
本当の運命を
受け入れなさい

まるで虎に出会った鹿のように
食われていくことを見ながら
神の中に沈んでいきなさい




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