人間の欲望が作り出した
鋼鉄の卵が壊れてゆく
何もない 何も生まれてこない
人間の未来が崩れてゆく
馬鹿どもよ
何もしなければ
本当は何もないのだ
あきれるほど時間をむさぼって
おまえたちのやったことは
ただ人を馬鹿にすることだけだった
科学こそが真実だと
文明の利器で暮らしを豊かにしてくれる
電気こそが神なのだという
科学信仰の信者を
ククト教徒という
文明の利器の中で
楽で楽しい人生を送るために
あらゆる幸福を神から盗んだ
ぬすとの宗教だ
はじめからありはしないものを
頼りにして生きて来た人生は
砂が風に溶けるように消えてゆく
あるいは亡者の幻の中に吸い込まれてゆく
愚か者め
あらゆる暴虐を行い
狂った茸のように生え群がった
人間の文明は
正しきものと間違ったものとに分けられ
細かに整理され
これから少しずつ減退してゆく
神から盗んだものは
野生の小鳥のようにもがいて
おまえの手の中から飛び去ってゆく
はるかかなたへと
だがおまえたちにとっては
その方が幸せなのだ
自分にちょうどよいくらいの文明の暮らしをし
今よりは少々重い苦労をした方がよい
その方が友人が多くなる
高い文明の中では
人は密室の孤独をかみしめ
自分の人生を生きようともせず
人をねたんでばかりいる
ククト神の栄光の中で
糞のように無駄な人生を生きるよりは
身体を動かし
畑で芋を育て
芋に感謝しながら
つましく生きるがよい
虹のように派手な人生の夢は
ゴミといっしょに燃やしてしまえ
もう帰るべきところに帰るのだ
間違ったものは捨てられる
いつまでも愚かな夢にしがみついているのではない
二度と同じ過ちを繰り返さないように
神はおまえたちに
おそろしく苦い薬を飲ますことだろう
いや もはやおまえたちは
その薬の中を泳いでいるのだが
まだ何も気づいていないだけなのだ
幻の神をあがめるのをやめ
真実の神の生きている
真実の世界に帰れ
どんな苦しみがそこに待っていようと
その方がおまえたちのためなのだ