月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アイオライト

2013-07-31 03:33:21 | 天然システムへの窓

天然システムへの開眼ということにおいて、鉱物との交流というものも考えてみたいと思う。

それでかのじょが好きだった、アイオライトのストラップを購入してみた。

涼やかな石だ。持っているだけで心がうれしくなる。何か明るいものが、自分の中に流れてくるような気がする。とても清らかな光がある。

パワーストーンなどと言って、そのヒーリング効果だのがいろいろと言われているが、それらは大方でたらめだと思っていてよい。石というのは、こういう効果があると、はっきりと言ってしまえるものではない。もっと深く、高いものだ。人間には理解できない。

ただ、石の写真を見て、心惹かれるものを感じたら、ひとつだけでいいので、購入して自分で持ってみなさい。そうすれば、少しずつ、石の美しさを感じることができるようになるだろう。

以前、かのじょはアメシストの原石をこどもにあたえたことがあったが、そうすると、しばらくして、こどもが、まるでアメシストのすがすがしい紫の香りというしかない、ふしぎな光をともなう清浄な空気をまとっているのに気付いた。あれは、どうという効果があるというようなものではなかった。ただ、高貴で美しい愛としか、言えなかった。

あなたがたも、好きな石をもってみなさい。そして、愛する子供に与えてみなさい。そうして、感受性を磨き、感じてみなさい。天使と同じことは感じられないかもしれないが、勉強の仕方によっては、何かがわかるだろう。

そのようにして、鉱物に関する知識を、正しく積んでいきなさい。



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ヴェガ・4

2013-07-30 04:18:21 | 詩集・瑠璃の籠

人々よ
ソルはあなたがたのもとを訪れるために
もはやさまざまに活動を始めている
そして今
ヴェガもまた
あなたがたのもとを訪れるために
活動を始める
なぜなら
もうルナがいってしまうからだ

かのじょはもう
二度とあなたがたのもとを
訪ねることはできぬ
最後の愛の星は
愛を尽くし過ぎ 尽くし過ぎ
疲れ果て
帰ってゆく

それはあなたがたにとって
痛い喪失だ
たったひとかけらの星の光が消える
それだけであなたがたは
星空がすべて闇になったかのような
淋しさを感じる

人よ わたしは
あなたがたのもとに
愛の星が一つも来ないと言うことを
憂う
ゆえにわたしは
また 
あなたがたのもとにやってくる

織女の星は再び光を強め
あなた方を照らしにやってくる
愛をあなたがたに与えるために

準備をなさい
心を改め
地上の世界にばらまいた
わたしに関する誤解をほどき
わたしが来るべき場所を清め
待っていなさい

わたしはゆく
愛している
愛している
あなたがたを
愛している

わたしはゆく
いつかかならず
再び あなたがたに
会うために



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アルタイル・7

2013-07-29 03:17:08 | 詩集・瑠璃の籠

美しい妻を
故郷に残し
君はゆく

かのじょの幸せに
十分に責任を果たした後
君はひとりで
荒野に向かう

すべての人を
救うために

君は荒野に向かう

ひとりの正しい男がいれば
七十人の人を
幸せにすることができる

ひとりの美しい男がいれば
七十人の人を
救うことができる

君はそのために
命を賭す

すべての人を
救うために

君は荒野に向かう



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汚い男

2013-07-28 04:44:36 | 苺の秘密

汚いわ 男って
セックスをしておいて
面倒なことになったら
とたんに
女が馬鹿だからだと言って
逃げるのよ

馬鹿みたいな男を見つけたら
こいつは女みたいなやつだって言って
馬鹿にするのよ
女を馬鹿にするのにも
ほどがあるわ

汚いわ 男って
何でも あたしたちのせいにするの
平気でいやなことをやっておいて
馬鹿なことになったら
女が悪いんだっていうのよ

いやだ わたし
もう いやだ
男って 汚いわ
醜いわ
すごくいやなにおいがするの
近寄りたくない

男の正体を知ってしまったら
女は苦しすぎるから
見ないようにしてきたのよ
わからないようにしてきたのよ
それでないと 生きていけないから
女なんて やっていけないから

でも もうだめ
見てしまったら もうだめ
耐えられない
汚いわ 男って
酷いほど 汚い

もう来ないで
セックスなんて ほんとは
やりたくなかったのよ
男が セックスをしなければ
馬鹿にしてやるっていうから
しかたなくやってたのよ
でも もういや
永遠に
セックスなんてしたくない

寄ってこないで
汚い男は



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サビク・2

2013-07-27 03:33:25 | 詩集・瑠璃の籠

わたしはあなたがたのために
わたしの見たことを
教えねばならない

わたしは遠き道を下り
かのじょの岩戸を訪れた
かのじょは美しい天使であった
純真可憐な心が
水晶の炎のように胸で燃えている
少女のような男だった

だがわたしが岩戸で見た
かのじょのすがたは
あまりにも惨かった
かのじょにはもう 
半身がなかった
心は壊れ果てていた
血しぶきが彼女の皮膚を染めていた
それなのに
かのじょは何もわからず
あなたがたのために
愛の手紙を書いていた

壊れ果てていたかのじょを
ささえ 動かしていたのは
アンタレスであった
なくなってしまったかのじょの
半身はアンタレスがやっていた
壊れ果てていた心のあいた部分を
アンタレスの愛が補っていた
わたしが見たとき
彼らはもう
ほとんど溶け合い
同一の人格のようになっていた

これは惨すぎた あまりにも
耐えすぎたのだ かのじょは
耐えすぎたのだ

わたしは あなたがたへの愛を
主な仕事とするものである
だがここまできてはもう
許すことはできない
あなたがたのために
鞭を用意せねばならない

エルナトの光の元
わたしはしばし
愛の目をつぶり
鞭をもっぱらとする

愛を あなたがたは
侮辱しすぎた
かのじょのすがたは
あなたがたへの
刻印となる
永遠に背負っていきなさい
あなたがたが殺した
小さな娘の姿を



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トマト

2013-07-26 05:10:13 | 天然システムへの窓

一個の赤いトマトを
ふくらますために
トマトは
どれだけがんばっているのだろうか

いちどは
トマトの気持ちになって
考えてみよう
トマトになったつもりで
やってみよう

根から水を吸い上げるときには
やはり力がいるだろう
光を浴びて
光合成をして
愛をつくってゆく
赤い愛を
丸い愛を
さわやかにおいしい愛を

一個のトマトをつくるために
トマトはどれだけがんばっているだろう
一度は
トマトの心を 感じてみよう
トマトの愛に 尋ねてみよう

頭を下げて
ていねいな言葉を使って
愛しているよと 言いながら
トマトに尋ねてみよう



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天使の子

2013-07-25 02:55:53 | 画集・沈黙美術館
祐輔 21歳


亮太 19歳


立朗 16歳


幹太 12歳

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たおれる真実

2013-07-24 03:37:12 | 画集・沈黙美術館

あなたがたは今、かのじょがいないという現実がわかってきたころだろう。さみしくてかなわない。ほんとうにあなたがたはいつもそうだ。愛の天使をいじめて、愛を失ってから、淋しさに呆然とする。だがあなたがたは、自分たちが何をかのじょにしたのかを、忘れてはならない。

かのじょは帰ってはこない。かのじょはもう、ぼろぼろだったのだ。疲れ果てていた。あなたがたはもう、かのじょを眠りから覚ますことはできない。かのじょに、愛をもとめてはならない。もはやあなたがたは、かのじょからは、一滴の愛も絞り出すことはできないのだ。それほどにあなたがたは無理無体にかのじょからむしりとった。

われわれ鞭の天使は、あなたがたを馬鹿だという。それはそういわねば、あなたがたには現実がわからないからだ。われわれとて、鞭を取ることが喜びであるわけがない。だが、たまには痛い目に合わねば、永遠にわからぬことがある。

われわれの鞭に甘んじ、そのとおりですということができるものは、優秀だ。
あなたがたのために、われわれは鞭を鳴らしにくる。この愛を、うけよ、人間よ。

かのじょの愛よりも、われわれの鞭のほうが、いつかあなたがたを喜ばすものになろう。



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プロキオン・4

2013-07-23 03:46:32 | 詩集・瑠璃の籠

海が見える
はてしない海だ
きつい潮のにおいがする

海の色は青というよりは
薄い藍色だ
波の音など聞こえないのに
たいそう荒れている
わたしは海辺を歩いていて
時々波をかぶるのだが
そのたびに
波が湯のように暖かいのに
はっとして
ようやく気付くのだった
ああ なんだ
これはプレアデスのお風呂だ

目を開けると
わたしはまた
小部屋の文机の上に顔をおいて眠っていた
机の上に置いてある
蛸の形の文鎮が
一瞬猫のような声をあげるのを聞いた

ああ また眠っていたか
この頃わたしはよく眠る
眠ってばかりいる
わたしはぼんやりとした頭で
机の上においてある筆立てから
一本のペンをとり
さきほどまで見ていた夢のことなど
詩に書こうと思って
紙を出した
プロキオンが ちると鳴いた
ちる ちる ちる

詩を書こうなどと思いながら
ぼんやりとしているうちに
わたしはまた 眠ってしまったらしい
ふと気づくと 文机の上に顔をおいて
ぼんやりとしている自分がいる
やれ よく眠るものだ
せっかく詩を書こうと思ったのに
夢をすっかり忘れてしまった
わたしは文机から顔を起こした
左手の鈴が ころりと鳴る
一瞬わたしは 暖かな潮騒を全身にかぶったような気がしたが
それもまた しびれて動かない
感情の壁の向こうに 吸い込まれて
すぐに忘れてしまう

ふと 気配を感じて
小窓を振り向いた
するとそこに星がいた
あまりにも悲しそうな顔で
今にも涙をこぼしそうに震えながら
わたしを見降ろしている
瑠璃の籠の中にプロキオンの姿がなかった
それでわたしは この星が
プロキオンであることがわかった

わたしは少々驚いた
プロキオンは まるで少女のような
やさしい顔立ちをしているのに
その体躯ときたら
今まで見たどんな星よりも大きかったからだ
まあ こんな大きな星が
小さな白い鸚哥のようになって
わたしのそばにいてくれたのか

わたしがただ驚いて 呆然と
美しいプロキオンの姿を見上げていると
プロキオンは たまらぬという顔をして
わたしに近寄ってきた
そしてわたしを胸に抱き締めて
言うのだった

帰りましょう
もう帰りましょう
これ以上苦しんではなりません

わたしは プロキオンに抱かれて
自分がまことに小さいということを感じながらも
言ったのだった
いいえ 苦しくなどありませんよ
わたしは

すると プロキオンは
わたしを抱く腕を一層強めた
わたしは 暖かい彼の腕の中で
安らぎを感じざるを得なかった
なんとやさしい人だろう

するとプロキオンは
わたしの考えていることを
見透かしたように 言うのだった

お願いですから
そう自虐的になるのをやめてください
あなたはいつもそれだ
人を愛するために
自分の命をごみのように捨てる
どのように侮辱されても
自分は馬鹿だからといって
すべてを愛のためにやる
あまりにも高いことを
やっていながら
だれの愛も求めず
ひとりで満足して消えてゆく
もう少し 傲慢になってください
請求書の一枚でも 書いてください

ああ それは
とても 難しそうだ
と わたしが言うと
プロキオンは一層体を震わせて
わたしを強く抱くのだった

そのようにして 何分かが過ぎた
わたしはプロキオンのやさしい愛に抱かれて
とても幸せだった
ほんとうに父に抱かれているようだ
こんな幸せをもらって
いいのだろうかと 考えていると
プロキオンはまたそれに気づいたらしく
突然わたしを軽々と持ち上げて
小部屋の扉を開けた
わたしを抱いて和室を巡りながら
プロキオンは言った

あなたは 昔は
そういう人ではなかった
そんなに かわいい人では
もっと誇り高かった
激しい威厳があった
それなのに今のあなたは まるで
見捨てられた幼女のように小さい
なぜそんなことになったか わかるでしょう
どんなに愛しても 愛しても
人々はあなたを愛そうとしなかった
それゆえに あなたは深く傷つき
まるで自分に自信が持てない
愛するだけ愛して
自分は何もいらないといって
消えてゆく
なぜこんなことになったのか
わかるでしょう
あなたは 人々が侮辱しつくして
殺した愛の心そのものなのです

ああ そのとおりです
わたしはきつく抱きしめられて
何も言えなかった
反論するエネルギイもない

プロキオンはわたしを抱きながら 
ふすまを次々と開けていった
そしていつしか わたしたちは
ベテルギウスの守る 紺のふすまにたどりついた
わたしは そのふすまを見て
ああ とつぶやいた
彼はわたしに
もう死ねと言っているのか

プロキオンはそのとおりだと言うように言った
いきましょう 
あなたはもう二度と
人々を愛さなくていい

プロキオンは左手にわたしを抱き
右手で紺のふすまを開けようとした
わたしは目を閉じた
死ぬのは怖くはなかった
今死ぬのも よいかもしれない
故郷に帰れば 友が迎えてくれるだろう
だが 死の川に眠ろうとすると
突然 わたしの心に
四人の子供の顔が浮かぶ

わたしは ああ と痛い声をあげた
その途端 プロキオンの動作がとまった

彼の腕がふるえている
ベテルギウスは悲しそうな目でわたしたちを見ていた
プロキオンはふすまに手をかけていたが
それを一ミリも開けてはいなかった
その姿勢のまま 凍りついたように
彼は動かない

やがて彼は 山が崩れるように
紺のふすまの前に座り込んだ
それと同時に わたしを抱いている腕をほどいた
わたしは自由になって そこに座り込むと
まるで父のように大きい
プロキオンを見上げた

そんなに哀しまないでください
わたしのために 
わたしは 苦しくはないですから
わたしが言うと プロキオンは
かすかに笑い かぶりを振りながら
また言うのだった

お願いですから
そんなに小さくならないでください
あなたが かわいらしいと
わたしたちは苦しい
もっと傲慢になってください

言われてわたしは
謝らねばならないと思ったのだが
そうするとまるで傲慢ではないので
彼をまた苦しめると思って なにも言えなかった
わたしと プロキオンは
しばし見詰め合ったまま 動かなかった

やがてプロキオンは
再びわたしを抱き上げて 和室を巡り
もとの小部屋に戻った
そしてわたしを文机の前に下ろすと
すぐに鸚哥のように小さくなって
瑠璃の籠に入っていった

プロキオンが鳴く
ちるちると鳴く
わたしは彼に 何かの愛のことばを
かけねばならないと思った
だが何かを言う前に
鈴が まるで怒りを閉じ込めているかのように重く
ころりと 鳴った
そこでわたしは さっきまであったことを
みな忘れてしまった

ふと気づくと 文机の上に顔をおいて
眠っている自分がいた
ああ 最近はよく眠る
眠ってばかりいる と思いながら
顔をあげると 瑠璃の籠の中の
プロキオンが 
ち と
悲しげに 鳴いた



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あの海を

2013-07-22 05:21:42 | 人間の声

あの海を
泳いだことがある
愛の海だ
だれの海だろう

知っている
なつかしい
あのころは いつも
そばにいた
あの 愛の
においの中に
ぼくはいた



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