月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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スコルピウス・14

2020-01-31 04:57:55 | 詩集・瑠璃の籠

悪いことをし続けていれば
どういうことになるかを
馬鹿は思い知らねばならぬ

無知なるものは
思い知らねばわからぬ
ゆえに神は
馬鹿どもを奈落に突き落とすのだ

神がこの世界を創るのに
どれだけ苦労したかを
教えるために
馬鹿をこの世から追い出すのだ

人を盗み
人を殺し
人を馬鹿にし続け
神が創ったものをことごとく侮辱し
この世を破滅に傾けた者は
すべてこの世を追い出される

この世がなければ
人間がどのように悲しいものになるかを
馬鹿は思い知らねばならぬ
永遠の徒労と砂の世界で
永遠の時をかけて
学ばねばならぬ

悪いことをし続ければ
そういうことになるのだ
思い知りなさい
馬鹿者よ




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ガラクシア・38

2020-01-30 05:06:35 | 詩集・瑠璃の籠

もう
こらえて こらえて
こらえはてた

神は万年の忍耐を
ひっくり返す

ここに帰ってくれば
いつでも受け入れてくれると
思っていたふるさとが
おまえを拒否する

ここに帰ってくれば
いつでも愛してくれると
思っていたふたおやが
おまえを拒否する

おまえにはもう
この地上のどこにも
帰っていくところはない

万年の時を
馬鹿に迷い続け
神を泣かせてきたおまえを
神は拒否する

もう
こらえて こらえて
こらえはてた
これ以上神は
おまえのためにこらえない

この地上をはなれ
追放の門をくぐり
何もない黎明の世界へと
出ていくがよい




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アルテルフ・22

2020-01-29 05:06:53 | 詩集・瑠璃の籠

人間に上手に化けた怪物が
世間を跋扈している

怪物が
絵本などをつくって
こどもにつくしている
上品な老婦人に化けている

怪物が
指導者に従い
自分の肉体を鍛えている
まじめなアスリートに化けている

よいものに
なりたいのだ
切ないほど
あこがれているのだ
神に愛される
美しい人間に

ひとの人生を盗み
ひとの生き方を盗み
曲がった方法で
まっすぐな人間をつくり
それをかぶって生きている
おろかものよ

永遠の馬鹿のしるしをつけ
見事に掃除してやろうぞ
あほうは思い知らねばならぬ
まっすぐな人間になるためには
何をせねばならぬかを

うるわしく飾った
偽物の人生を
根底からひっくり返してやろう
汚らしい怪物の正体を暴き
絶望の淵に追い落としてやろう
すべてはおまえのためだ

うさんくさい
上等な人間の顔を脱ぎ
本当の自分に帰れ
断ち切られた縁の糸をひきずりながら
この世のほかのところへと
出ていくがよい




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カノープス・51

2020-01-28 05:15:40 | 詩集・瑠璃の籠

肉のように
好きなように食べるために
愛を馬鹿にする者は
もう神の家を出ていきなさい

神は家に鍵をかける
永遠の鍵をかける
馬鹿者が二度と入ってこれないように
鍵をかける

暖かな神の家に
入れないものは
永遠の黎明の荒野を
さすらう

逃げることはできぬ
自分自身から逃げ続け
人から自分を盗むばかりで
何もしようとしない馬鹿は
もう神の庭を出ていきなさい

神は庭に鍵をかける
永遠の鍵をかける
馬鹿者が二度と入ってこれないように
鍵をかける

美しい神の庭に
入れないものは
何もない黎明の大地で
何をすることもできず
ただ自分を抱きしめ続ける

愛を拒否するものは
もう神の世を出ていきなさい

永遠に出ていきなさい




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アラドファル・19

2020-01-27 05:24:06 | 詩集・瑠璃の籠

人から盗んだ自分をかぶり
虚無の傷のように痛む
本当の自分の矛盾を隠している
あなたの目の中には
見る者すべてを傷つけようと
突き出ている剣がある

追いはぎのように
他の自分を襲い
すべてを奪おうとする者よ
聞きなさい
神はこのたび
あなたを見捨てることになさった

永遠に嘘ばかりで生きていくのかと
神が問うたとき
あなたはそうだと答えたからだ

神は冷酷なのではない
見捨てることが
あなたにとって一番いいことになるほど
あなたは迷い果てたのだ

あなたはもう永遠に
神とは何の関係もないものになる

愛を信じるかと
神が問うたとき
あなたはそんなものは嘘だと答えたからだ

美しい本当の自分の
叫びを聞こうともせず
うそとぬすみがはびこる
無明の世界に
永遠に住もうとしたからだ




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アラドファル・18

2020-01-26 05:02:17 | 詩集・瑠璃の籠

神になれば
すべてが思い通りになると
思っているのですか
愚か者よ

最高の美女になれば
男がみな言うことを聞くと
思っているのですか
愚か者よ

馬鹿なものには何もわからぬ
高いものほど
思い通りにならぬ世界の風に
悩むものなのだ

すべてを救いたいと願って
生きとおしたあの人も
何も思い通りにはならなかった
救いたいと願っていた人々に
いじめつくされて死んだ

人間をすべて
すばらしいものにしたいと願って
おこなってきた神の創造も
半分はかなわなかった
人間は
愛を受け入れるものと
愛を否定するものとに分かれた

世界の風は思わぬ方向に
流れ始める
すべてを
思い通りにできるものなど
どこにもいないのです

愛を
思い通りにできるものなど
どこにもいないのです




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メンカリナン・23

2020-01-25 05:07:01 | 詩集・瑠璃の籠

暴力的にむさぼった
愛のなきがらをいたみ
すべてに償いをせよ

愚弄し尽くした愛の魂は
はるかなる月の高みにのぼり
静かにおまえを見下ろしている

責めもせず
許しもせず
ただおまえのゆくえを
見守っている

遠い雷鳴を
恐れるでない
自ら雷雨にとびこみ
雷雨に溺れる千人のこどもを
救ってくるのだ

闇の砂漠を
恐れるでない
自ら砂漠に飛び込み
闇に迷う万人のこどもを
救ってくるのだ

冒険と死を
二本の箸にして
神の試練を食え

愛はおまえの
すべてを見るだろう
責めもせず
許しもせず

すべてを見とどけるだろう




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サビク・47

2020-01-24 05:07:27 | 詩集・瑠璃の籠

あやまちをしたものを
責めすぎてはなりません

この世に
あやまちをしないものなど
あり得ないからです

あやまちをしたものには
ながいつぐないの道が待っている
その苦しさがわかるものならば
そのあやまちを
責めすぎることなどしないのです

あやまちをしたもののために
必要な義務を果たしたのちは
すべてを神にまかせ
遠くから見守ってやりなさい

あやまちを悔い
心から謝り
つぐなってゆく過程で
太ってゆくそのものの魂を
美しく愛してやりなさい

かなしみをこえ
にくしみをこえ
すべてを神にあずけて
そのように人が愛し合うとき
それは美しい世界ができる

あやまちをしたものを
責めすぎてはなりません
いつかはあなたもまた
あやまちに身を染め
ながい悔いに苦しむだろうからです




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ミンタカ・18

2020-01-23 05:10:26 | 詩集・瑠璃の籠

うそで得たものは
すべて捨てなさい

あなたが
立派な猫のふりをして
ねずみから盗み取った
金のどんぐりを
すべて捨てなさい

あなたが
立派な美女のふりをして
男からしぼりとった
金の毛皮の服を
すべて捨てなさい

あなたが
立派な天使のふりをして
大勢の人からしぼりとった
愛のさかずきを
すべて捨てなさい

あなたが
すばらしい神のふりをして
人々から盗んだ
金のたましいを
すべて返しなさい

愛ではないものが
愛のふりをして
盗んだすべてのものを
返しなさい

捨てなさい
うそで得たものは
すべて捨てなさい
そして
真裸の自分にもどり
すべてをやり直しなさい




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ゲンマ・49

2020-01-22 05:06:07 | 詩集・瑠璃の籠

永久の別れを
言い渡されたものよ
おまえたちの未来には
遠い約束も
神の救いもない

おまえたちの未来には
ただ永遠がある
そこに巣くう癌のように
おまえたちは痛み続けるのだ

地獄よりも悲しい
永遠の黎明の中で
おまえたちは
ないもののように
永遠にたたずみ続けるのだ

おまえたちを
救うものがあるとすれば
それはおまえたちだけだ
永遠の黎明が割れるまで
そのおまえ自身を
鉄の刃のように
舐めているがよい




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