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月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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2015-06-19 06:07:55 | 詩集・瑠璃の籠

こもれびの したで
やわらかなゆめに つつまれ
しずかに しずかに
いきている

あいしているよ
あいしているよ

しんぞうが こどうするたびに
さよなきどりの
こわれたおもちゃのように
わたしの こころが
ないている

生まれてきて よかったと
しみじみ 思うている
つらいことも あったけれど
ちいさなさかなのような
すきとおったまごころが
ときどきわたしのしんぞうに
くちづけをしてくれたから

だれにも あいされなかった
わけではないよ
ただ ここは
すなおにあいすることが
むずかしすぎるところだから
あいはみんな
なみだの中に かくれてしまうのだ

かなしまないで 
かなしまないで
わたしはしあわせだったから
どんなにつらくても
しあわせだったから

いまでも みんなをあいしているよ
ゆめのなかでしか
あえなくなっても
ずっとあいしているよ

だきしめてあげたいくらい
あいしているといっているのに
いまはあなたのほうが
わたしよりおおきくて
わたしをだきしめてくれるのだね

あいしているよ
ずっとあいしているよ

やわらかな ゆめのむこうで
だれかがわたしを
こいぬのようにだきしめて
あたたかな さとうゆに 
ばらのかおりを 入れて
かなしかった ふるい記憶を
あらってくれている

だれだろう あたたかい
ほんとうに あたたかい
あいしているよ

あいしているよ
えいえんにわたしは
すべてを
あいしていくよ

あいしていくよ

わたしは おわりであり
はじまりなのだ



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