月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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トリアングルム・23

2018-10-28 04:14:27 | 詩集・瑠璃の籠

いいかげんにしなさい

何くれとなくやってくれていた
愛を見捨てて
石の狸を信仰しても
何もなりはしない

なぜおまえは
人を馬鹿にするのか
空を超える山と比べたら
なんともみすぼらしいものだなどと言って
人間を馬鹿にするのか

人間にちょうどいい大きさの
愛をくれる
人を馬鹿にするのか

おまえは
小さい自分の根性に
耐えられないのだ
あまりに自分が
馬鹿だと思い込みすぎているのだ

何をしても
何にもなりはしないと
きめこんで
何もやらないからだ
それでおとなしくしているかと思えば
陰に回っていやなことばかりする

自分以外の誰かが
悪いことにするために
法外な嘘をつく

空より高い山などない
そんな嘘ばかりついて
おまえは神を盗んで
自分ばかり偉くしようと
もがいているのだ




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ダリム・9

2018-10-15 04:13:26 | 詩集・瑠璃の籠

人民を平和に浴させるのは
人類の義務である

ゆえに争うてはならぬ

国の間に 民族の間に
様々な集団の間に
争いが生じるような
局面を回避するために
あらゆる努力をしなさい

語り合い
心を交わしあい
互いを理解し
憤懣のありかを正視し
高い神の視点から
状況を凝視し
最も良いポイントで
バランスをとるのだ

争いは
人が自分の欲望だけを
重視することから始まるものだ
それを正しく理解し
人々の幸福を願う
神の望みを最重要視して
最も良い形で
和平を結ぶのだ

勝利をのぞんではならぬ

互いに争いあい
傷つけあうよりも
互いの長所を提供しあい
協力し合うことのほうが
互いの発展にとって
よいことなのである

平和の風を
安定して世界に広げるために
あらゆる努力をしなさい
努力をすることこそが
人民を幸福に導くのである




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フォマルハウト・12

2018-10-09 04:13:13 | 詩集・瑠璃の籠

極光の空を泳ぐ
銀色のクジラが
静寂につままれた
真実の声を吐く

枯れ蔦のからみついた
栄耀栄華の塔が
倒れていく

天使の顔を盗んだ女に
ゆがんだ角が生え
それは獣のように泣く

泰平のローブをひきずり
永遠に歩くつもりだった
ランウェイが沈む

あほうの終末が来る

人間を
灰だと言って
すべてを奪いつくした
馬鹿どもの腹から
幾千の腐った蟹が出てくる
もうあれらは終わりだと

愛を生む
はずだったのだと言いながら
永遠の嘘にねじれる
虚無の子宮の闇に
何を持って逃げようとするのか
あほうよ
何もない自分の影をひきずり
幾千の蝶の死骸を身に着けて
語られつくした謀略の抜け殻に
まだこもろうとするか

極光の空を泳ぐ
銀色のクジラが
静寂につままれた
真実の声を吐く

極彩色の夢のからみついた
栄耀栄華の塔が
倒れる




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国の掲示板

2018-10-08 17:45:16 | 星の掲示板

80枚目の掲示板を設定する。




絵/サンドロ・ボッティチェリ




コメント (201)
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ヴィンデミアトリックス・37

2018-10-07 04:13:41 | 詩集・瑠璃の籠

新しい愛の国に
おまえたちは居場所がない

新しく組みなおされた
秩序の翼の下に
おまえたちは居場所がない

黄金の愛の調べに
腐った手で触れ
何もかもを思い通りにしようとした
おまえたちに居場所はない

逃げることはできない自分を捨て
神を裏切り
永遠の愛の美女になりすまそうとした
おまえたちに居場所はない

黎明の夜風に吹き込められ
ヘビの子宮をくぐり
無能の支配する闇へと
生まれるがよい

そこには群青の砂漠があり
苦い塩の木がある
永遠のため息が
おまえたちの涙の頬を切る
よいものは何もない

人類世界を追われたものは
奇妙な猿のさなぎにとりこまれ
あほうのはねをもつ
永遠の芋虫に
羽化するがよい




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ダリム・8

2018-10-03 04:13:27 | 詩集・瑠璃の籠

発展していく種をふさいではならぬ

未だ幼期の暗黒にいるものは
ひとりの自分として立ったものを妬み
衆愚にとけ 大勢となり
その発展を邪魔しようとするが
それが結局は
自分たちの発展をも阻むものであることを
理解するべきである

衆愚は混乱しか生み出さない
そこに秩序の光をあて
整然とした社会としての発展を呼び出すものは
ひとりの自分として立った人間なのである
未だ暗黒からの分離不安にゆれるような個人では
集団の指導力を発揮することができない

ゆえに
正しい自己の
発展していく種をふさいではならぬ
新たな自分として立っていく
光る自己の成長を阻んではならぬ
馬鹿の暗黒に沈みこみ
馬鹿の暗黒から出ていこうとするものを
ねたんではならぬ

ひとりの自分として立ったものがいなければ
神の光を人間社会に呼ぶことはできないのだ
神の光に照らされなければ
人間社会は限りなく混乱に沈んでいくのだ

ひとりの自分として立ち
すべてを愛によってやっていこうとする人間の
正しい成長をはばんではならぬ
ひとりの美しい人が立てば
その周りの大勢の人が救われるのだ
その希望の種を壊してはならぬ

馬鹿の暗黒から目覚めようとする人の
出現を喜びなさい
それこそが
人類発展の光なのである




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トリアングルム・22

2018-10-02 04:13:40 | 詩集・瑠璃の籠

なくしたものの大きさを
毛ほども感じる
ことができないか

うさぎのように
天使を食ろうて
顔を血で汚しておきながら
絶世の美女のほまれを
おれによこせというか

天使のような聖女の
位をよこせというか
あきれてものもいえぬ

あほうの女よ

永遠にみかぎる
神はおまえをみかぎる

神はもう
おまえを愛しはしない
二度と汚れた顔を見せるでない

愛の拒絶の水に染まり
なくした未来の大きさに
気付くことができるまで
神のいない
寒い夜明けの中に
住んでいるがよい



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