五人の美しい女神を載せた船が
夜のユーフラテスを下ってゆく
新しい世界に
新しい女性を生み出すために
空にうがたれた白い月の光だけを頼りに
船は静かに河を下ってゆく
もう宝石も金糸のドレスもいらない
難しい化粧の薬も 香水もいらない
ほほ笑みだけで着飾り
明るい心の中に
かわいい金のコオロギを飼っている
美しい娘たちを地球に産むために
五人の女神が 船に乗ってやってくる
白い月の明かりだけを頼りに
船はユーフラテスを下ってゆく
水の音は微かで 時に魚の跳ねる音がする
水底の貝が驚いて
水色のバロックを思わず吐き出す音がする
女神たちは すばらしい幸せを
娘たちに与えることができることに
こんな幸せは二度とないだろうと
ささやきあい 喜びを分かち合う
白い月の光は 川面にちらつき
それは小さな白い蝶が水面で踊っているようだ
ああ いつになったら
皆のところに着けるだろう
かわいい娘たちに会えるだろう
ああ 娘たちよ
偽りの白粉を洗い流し 愛を顔に塗りなさい
盗人から買ったインド翡翠の首飾りを外し
子供のおもちゃのような派手な服を脱ぎなさい
髪はきれいにまとめ
粗末だが清潔な衣服をまとい
その両手で美しいことをして
その喜びでかわいい爪を塗りなさい
清らかな書物をたくさん読み
魂をきれいに洗いなさい
五人の女神が船に乗って
ユーフラテスを静かに下ってくる
この世界に
新しい美女を産むためにやってくる