【問題021~問題030】
問題001 外陰病変で下床に腺癌を伴うことがあるのはどれか。
a)vulvar intraepithelial neoplasia (VIN)
b)Bowen様丘疹
c)Paget病
d)硬化性苔癬
e)悪性黒色腫
問題002 外陰癌で誤っているのはどれか。
a)60~70歳代の女性に頻度が高い。
b)角化型扁平上皮癌が大部分を占める。
c)最も頻度が高い部位は腟前庭である。
d)進行癌では鼠径リンパ節転移が多い。
e)Ⅰ期癌には手術療法が第一選択である。
問題003 Paget病で誤っているのはどれか。
a)外陰掻痒感や違和感を訴えることが多い。
b)スクリーニングに擦過細胞診が有用である。
c)術前評価では病巣周囲の多数の生検を行う。
d)手術では病巣辺縁から3 cm外周を皮切する。
e)約10%は間質浸潤を伴う浸潤Paget病である。
問題004 外陰癌のFIGO進行期分類(1994)で誤っているのはどれか。
a)外陰に限局し、最大径1 cmで間質浸潤の深さ3 mm以下であればⅠa期である。
b)会陰に限局し、最大径3 cmであればⅡ期である。
c)肛門への浸潤があればⅢ期である。
d)両側の鼠径リンパ節に転移があればⅣa期である。
e)骨盤リンパ節に転移があればⅣb期である。
問題005 外陰癌のリンパ行性転移でただしいのはどれか。
(1)片側に限局する2 cm未満の腫瘍では、対側の浅鼠径節への転移は少ない。
(2)原発腫瘍の大きさが2 cm未満であれば、リンパ節転移は5%以下である。
(3)Cloquet節は、浅鼠径節のうちで最も内側に存在するリンパ節である。
(4)リンパ節転移は、浅鼠径節、深部大腿節、骨盤節の順に進展することが多い。
(5)浅鼠径節に転移を認める場合、その20~25%で骨盤節への転移がある。
a(1)(2)(3)、b(1)(2)(5)、c(1)(4)(5)、d(2)(3)(4)、e(3)(4)(5)
問題006 外陰癌Ⅰa期の標準的治療はどれか。
a)レーザー蒸散
b)根治的外陰部分切除(radical local excision)
c)根治的外陰部分切除+患側鼠径リンパ節郭清
d)広汎外陰切除(radical vulvectomy)+両側鼠径リンパ節郭清
e)根治的放射線治療
問題007 腟癌で正しいのはどれか。
a)40歳代の女性に最も頻度が高い。
b)組織型では腺扁平上皮癌が最も多い。
c)発生部位では中1/3に最も頻度が高い。
d)下1/3に発生した癌は鼠径リンパ節に転移する。
e)Diethylstilbesterolを服用した女性に腺癌が発生する。
問題008 腟癌の臨床進行期(FIGO)で正しいのはどれか。
(1)腟壁に限局していればⅠ期である。
(2)傍組織に浸潤するが骨盤壁に達していないとⅡ期である。
(3)傍組織浸潤が骨盤壁に達しているとⅢ期である。
(4)外子宮口に達していればⅢ期である。
(5)膀胱に胞状浮腫があればⅣ期である。
a(1)(2)(3)、b(1)(2)(5)、c(1)(4)(5)、d(2)(3)(4)、e(3)(4)(5)
問題009 子宮頚癌のリスク因子でないのはどれか。
a)HPV
b)喫煙
c)初交年齢
d)アルコール
e)性パートナー数
問題010 頚癌検診における細胞採取で正しいのはどれか。
a)腟円蓋から細胞を採取する。
b)子宮腟部表面と頚管内から細胞を採取する。
c)妊娠中は偽陽性が多いので避けるほうがよい
d)スライドグラスへ塗布した後30分以内に固定する。
e)自己採取による癌検出率は通常の検診と同様である。
問題011 子宮頸部細胞診クラスⅣから推定される病変はどれか。
a)軽度異形成
b)中等度異形成
c)高度異形成
d)上皮内癌
e)微小浸潤癌
問題012 子宮頸部上皮内癌の細胞診所見で正しいのはどれか。
(1)平滑な核縁
(2)著しい核の大小不同
(3)出血壊死性の背景
(4)錯角化または異角化
(5)傍基底型の癌細胞
a(1)(2)、b(1)(5)、c(2)(3)、d(3)(4)、e(4)(5)
問題013 新コルポスコピー所見分類(日本婦人科腫瘍学会、2005)で正しいのはどれか。
a)ヨード塗布試験が必須である。
b)移行帯は異常所見に分類される。
c)白色上皮は軽度または高度にgradingする。
d)白斑は異常所見から除かれた。
e)HPV感染所見を特別に分類する。
問題014 子宮頸部にみられたポリープ状の病変である。組織診断はどれか。(図 1)
a)尖形コンジローマ
b)正常頚管腺上皮
c)微小頚管腺過形成
d)腺癌
e)扁平上皮癌
【問題14-図1】
問題015 子宮頸部腫瘤の生検標本である。組織診断はどれか。(図 2)
a)内頸部型ポリープ
b)正常重曹扁平上皮
c)扁平上皮癌
d)腺癌
e)尖形コンジローマ
【問題15-図2】
問題016 子宮頸部のヒトパピローマウイルス(HPV)感染で正しいのはどれか。
a)HPVは異形成の90%以上に検出される。
b)HPV感染の有無は血清抗体価で判定できる。
c)HPVの型分布は世界中でほぼ同じである。
d)ハイリスクHPVをもつ異形成の約90%が上皮内癌へ進展する。
e)HPVワクチンはタイプ非特異的に感染予防効果をもつ。
問題017 子宮頚癌発生におけるハイリスク型HPVはどれか。
a)11型
b)42型
c)43型
d)44型
e)52型
問題018 ヒトパピローマウイルス(HIV)で正しいのはどれか。
a)頚部扁平上皮癌で最も高頻度に検出されるHPVは52型である。
b)頚部腺癌で最も高頻度に検出されるHPVは18型である。
c)細胞診に異常のない女性でのHPV検出頻度は約50%である。
d)koilocytosisを示す細胞ではHPVは検出されない。
e)妊娠中にはHPVの増殖能(replication)が低下する。
問題019 子宮頸癌の臨床進行期分類(取り扱い規約、1997年)で正しいのはどれか。
a)進行期決定に迷う場合は重い方に分類する。
b)進行期の決定にはCT所見とMRI所見を参考にする。
c)術前診断0期で摘出子宮に微小浸潤癌があればⅠa期とする。
d)膀胱内洗浄液中に癌細胞があればⅣa期とする。
e)進行期決定に頚部円錐切除の病理所見は考慮しない。
問題020 子宮頚癌Ⅰa2期(取り扱い規約、1997年)で正しいのはどれか。
a)浸潤の深さ3 mmを超え5 mm以内で広がり10mmを超えない。
b)脈管侵襲が存在する場合にはⅠb1期に分類する。
c)癒合浸潤が存在する場合にはⅠb1期に分類する。
d)広がりの計測には微小浸潤巣の最大の幅を計測する。
e)深さの計測の基点は浸潤巣直上の最も深い表層基底膜とする。
問題021 TNM分類(取り扱い規約、1997年)で正しいのはどれか。
a)TX - 原発腫瘍を認めない。
b)TO - 浸潤前癌
c)NX - 所属リンパ節に転移を認めない。
d)N1 - 所属リンパ節に転移を認める。
e)MO - 遠隔転移の検索が行われていない。
問題022 子宮頚癌の臨床進行期と治療法の組み合わせで誤っているのはどれか。
a) 0 期 - レーザー円錐切除術
b)Ⅰa1期 - 単純子宮全摘出術
c)Ⅰa2期 - 子宮頸部円錐切除術
d)Ⅰb1期 - 広汎子宮全摘出術
e)Ⅲb期 - 化学放射線療法
問題023 子宮頸癌の治療で誤っているのはどれか。
a)広汎子宮全摘出術では症例によっては卵巣温存が可能である。
b)広汎子宮全摘出術で傍大動脈節郭清の治療的意義は不明である。
c)放射線療法では全骨盤照射と腔内照射を組み合わせる。
d)化学放射線療法ではプラチナ製剤を同時に用いる。
e)化学療法後の放射線療法は生存期間を延長させる。
問題024 子宮頸癌の各組織型で誤っているのはどれか。
a)腺癌は扁平上皮癌に比し放射線感受性が低い
b)小細胞癌は腺扁平上皮癌に比し予後不良である。
c)すりガラス細胞癌は扁平上皮癌に比し予後不良である。
d)扁平上皮癌で角化型は非角化型に比し予後不良である。
e)腺癌のうちvilloglandular adenocarcinomaは予後良好である。
問題025 子宮頚部の上皮内腺癌で誤っているのはどれか。
a)子宮頚部細胞診が診断に有用な場合がある。
b)コルポスコピーで病変の拡がりを評価できない。
c)円錐切除で断端陰性であれば残存病変はない。
d)リンパ節転移は認められない。
e)妊孕能温存は可能である。
問題026 子宮内膜増殖症で正しいのはどれか。
a)子宮体癌取り扱い規約で4 種類に分類されている。
b)異型増殖症の内膜細胞診による正診率は90%を超える。
c)異型増殖症では篩状(cribriform pattern)の腺管増生が著しい
d)異型増殖症が腺癌へと進展する割合は約5 %である。
e)異型増殖症と腺癌との鑑別にMRI検査が有用である。
問題031 子宮内膜細胞診で正しいのはどれか。
a)内膜細胞の細胞異型のみを評価する。
b)内膜細胞がみられなければ再検査を指示する。
c)細胞診陰性であれば子宮内膜癌は否定できる。
d)疑陽性の場合、内膜組織診は不要である。
e)卵巣癌細胞が検出されることはない。
問題032 わが国の女性10万人あたりの子宮体癌罹患数はどの程度か。
a)1 人未満
b)6~15人
c)106~115人
d)506~515人
e)1006~1015人
問題033 タイプⅡ子宮体癌で正しいのはどれか。
a)肥満
b)閉経後
c)予後良好
d)類内膜腺癌
e)エストロゲン依存性
問題034 子宮体癌の手術進行期分類(取り扱い規約、1996年)で正しいのはどれか。
(1)浸潤が筋層1/2を超えるものはⅠb期である。
(2)頚管腺のみを侵すものはⅡb期である。
(3)腟に転移を認める場合はⅢb期である。
(4)骨盤リンパ節に転移があればⅢc期である。
(5)鼠径リンパ節に転移があればⅣb期である。
a(1)(2)(3)、b(1)(2)(5)、c(1)(4)(5)、d(2)(3)(4)、e(3)(4)(5)
問題035 子宮体癌の手術進行期分類(取り扱い規約、1996年)で正しいのはどれか。
a)腹腔細胞診で陽性であったのでⅠc期とした。
b)卵巣に転移がみられたのでⅡa期とした。
c)大網に径1 cmの転移がみられたのでⅢb期とした。
d)子宮傍結合織浸潤がみられたのでⅢc期とした。
e)傍大動脈リンパ節転移がみられたのでⅣ期とした。
問題036 子宮体癌の治療で正しいのはどれか。
(1)若年女性で類内膜腺癌G1かつⅠa期と予測される場合は子宮温存を考慮する。
(2)傍大動脈リンパ節郭清が長期予後改善に寄与するか否かは不明である。
(3)臨床進行期Ⅱ期の症例に対する腟壁切除の有用性は証明されている。
(4)進行例に対する手術療法の意義は低く、腫瘍減量手術は行うべきでない。
(5)内視鏡下手術は確立しておらず、その適応は慎重に考慮すべきである。
a(1)(2)(3)、b(1)(2)(5)、c(1)(4)(5)、d(2)(3)(4)、e(3)(4)(5)
問題037 子宮体癌の化学療法で正しいのはどれか。
(1)中リスク症例の術後化学療法は放射線療法と同等かそれ以上に有効である。
(2)高リスク症例で術後残存腫瘍2 cm以下の場合に化学療法が推奨される。
(3)アンスラサイクリン系とプラチナ製剤の併用が推奨される。
(4)進行例に対する術前化学療法の有効性が証明されている。
(5)放射線療法後の再発例にはイリノテカンが有用である。
a(1)(2)(3)、b(1)(2)(5)、c(1)(4)(5)、d(2)(3)(4)、e(3)(4)(5)
問題038 子宮体癌化学療法のkey drugはどれか。
a)エトポシド
b)ジェムシタビン
c)アドリアマイシン
d)サイクロフォスファミド
e)5-FU
問題039 子宮内膜増殖症および体癌の治療で誤っているのはどれか。
a)単純型子宮内膜増殖症に対して単純子宮全摘術を施行した。
b)子宮内膜異型増殖症に対して黄体ホルモン療法を施行した。
c)体癌で浸潤が筋層1/2を超えており傍大動脈リンパ節郭清を施行した。
d)体癌で頚部間質に深い浸潤を認めたため広汎子宮全摘出術を施行した。
e)体癌の高リスク例にdoxorubicinとcisplatinによる化学療法を施行した。
問題040 子宮肉腫の治療で正しいのはどれか。
a)第一選択の治療法は手術療法である。
b)標準的手術術式は広汎子宮全摘出術である。
c)進行例に対しては化学療法が有用である。
d)平滑筋肉腫には黄体ホルモン療法が奏功する。
e)低悪性度内膜間質肉腫の5年生存率は50%以下である。
問題049 胞状奇胎娩出後の管理に有用な検査はどれか。
(1)尿中hCG値測定
(2)胸部レントゲン撮影
(3)血中エストラジオール値測定
(4)骨盤CT
(5)基礎体温測定
a(1)(2)(3)、b(1)(2)(5)、c(1)(4)(5)、d(2)(3)(4)、e(3)(4)(5)
問題050 絨毛癌肺転移に対してまず行う治療はどれか。
a)胸部腫瘤の摘出術
b)胸部腫瘤と子宮の摘出術
c)MTX単独化学療法
d)TJ化学療法
e)EMA-CO化学療法
問題051 卵巣腫瘍の組織分類で正しい組合わせはどれか。
a)ブレンナー腫瘍 - 表層上皮性・間質性腫瘍
b)未分化胚細胞腫 - 表層上皮性・間質性腫瘍
c)漿液性嚢胞腺腫 - 性索間質性腫瘍
d)顆粒膜細胞腫 - 胚細胞腫瘍
e)莢膜細胞腫 - 胚細胞腫瘍
問題052 卵巣腫瘍組織分類で胚細胞腫瘍でないのはどれか。
a)卵黄嚢腫瘍
b)ステロイド細胞腫瘍
c)未熟奇形腫
d)卵巣甲状腺腫
e)カルチノイド
問題053 卵巣腫瘍の組織学的特徴で誤っているのはどれか。
a)顆粒膜細胞腫 - Call-Exner body
b)未分化胚細胞腫 - Schiller-Duval body
c)明細胞癌 - hobnail cell
d)Krukenberg腫瘍 - signet-ring cell
e)Brenner腫瘍 - coffee-bean nuclei
問題061 卵巣成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化で正しいのはどれか。
a)頻度は約10%である。
b)閉経後の患者に多い。
c)腫瘍径の小さいものが多い。
d)両側性発生例が多い。
e)組織型は明細胞腺癌が多い。
問題062 若年者の卵巣悪性胚細胞性腫瘍で正しいのはどれか。
a)原則として妊孕性温存手術を考慮する。
b)未分化胚細胞腫は放射線感受性が低い。
c)未熟奇形腫では血性LDH高値を示す。
d)絨毛癌の予後は良好である。
e)治療後の問題点は妊孕能のみである。
問題077 ヒトパピローマウイルス(HPV)と関係が深い癌抑制遺伝子はどれか。
(1)p53
(2)BRCA1
(3)FHIT
(4)NF1
(5)Rb
a(1)(2)、b(1)(5)、c(2)(3)、d(3)(4)、e(4)(5)
問題099 癌化学療法に使用するG-CSF製剤や5-HT3受容体拮抗剤で正しいのはどれか。
a)好中球減少Grade 4が確認されたらG-CSF製剤の投与が必須である。
b)好中球数が5,000/mm3を超えたらG-CSF製剤の投与を中止する。
c)G-CSF製剤や5-HT3受容体拮抗剤は原則的に抗癌剤と同日投与する。
d)有熱性好中球減少症Grade 3では第3世代抗菌剤の投与が必須である。
e)5-HT3受容体拮抗剤は遅発性嘔吐に著効する。
問題100 抗癌剤の毒性が現れやすい臓器・組織で誤っているのはどれか。
a)ドキソルビシン - 心筋
b)エトポシド - 呼吸器
c)イリノテカン - 消化器
d)パクリタクセル - 神経
e)シクロホスファミド - 卵巣