紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

寛ぎのフレンチ・エスプリ…パリ・ジャズ・ピアノ~ミシェル・ルグラン

2007-11-03 13:58:16 | ジャズ・ピアノ・ソロ~トリオ
皆さん、こんにちわ。
ブログが余り更新出来ない、えりっく$Φです。ゴメンナサイ。

さて、今日は一見飛び切りお洒落なジャズ・ピアノ・トリオですが、良く聴くとかなりディープな奥深さが有るこのアルバムで行きましょう。

正統的な?ジャズ・ピアノ・トリオ好きな方からは、何かご意見を賜りそうな予感(悪寒・笑)がしますが…。

全曲、代名に「パリ」が付いている曲orパリの関する曲だけで、構成されており、演奏するのは、フランスの至宝「ミシェル・ルグラン」で、彼のとても若い頃に録音されたアルバムです。

アルバムタイトル…パリ・ジャズ・ピアノ

パーソネル…リーダー;ミシェル・ルグラン(p)
      ギ・ペデルセン(b)
      ガス・ウェイルズ(ds、bgo)

曲目…1.パリの橋の下、2.パリの夜もすがら、3.パリの四月、4.パリの空の下、5.パリ・カナイユ、6.我が愛するパリ、7.アイ・ラブ・パリ、8.ザ・ラスト・タイム・アイ・ソウ・パリ、9.ムーランルージュの歌、10.バラ色の人生

1959年10月~11月 パリにて録音

原盤…Emarcy  発売…ユニバーサル・ミュージック
CD番号…UCCM-4023

演奏について…全てパリ絡みの名曲ばかりで作られたアルバムなんですが、「ルグラン」の繊細でお洒落な表現が随所に散りばめられて、楽しめる演奏が目白押しです。

オープニングの「パリの橋の下」では、高速4ビートに乗せて、「ルグラン」が転がす様なシングルトーンを駆使して、縦横無尽に鍵盤を泳いでいるかの様な、お洒落な演奏がなされています。

2曲目「パリの夜もすがら」では、ブロック・コードとレガートを効果的に使って、明るく華やかな風情を感じる演奏です。
ブラシメインの「ウェイルズ」も品が良く、ベースの「ペデルセン」は、とても実直で手堅い演奏に終始しています。

3曲目「パリの四月」…多くのジャズ・メンが取り上げている、ジャズとしてもかなりのスタンダード曲でしょう。
※何と言っても「バド・パウエル」の名演がピカ1なんでしょうけど。
「ルグラン」は、情感たっぷりに、しつこくならないギリギリの線で、素晴らしい表現を見せる。
さすが、若いながらも、後に映画音楽のマエストロたる片鱗を見せ付けます。
とてもロマンティックで、上級の赤ワインの様な芳醇な演奏です。
アルバム1の演奏でしょう。

私の大大好きな4曲目「パリの空の下」…は、演奏は超一級の演奏なのですが、何故か2分弱くらいの極小の時間が悔しいんだなぁ。
このまま、あと5分くらいは聴きたい。
本当に聴きたい…「ルグラン」の意地悪うぅー。

5曲目「パリ・カナイユ」は、軽快なメロディに軽快なアドリブが、ピタッと決まります。

6曲目「我が愛するパリ」では、「ルグラン」が疾走するピアノ演奏と、「ウェイルズ」の超絶技巧のボンゴとのデュオ演奏が最高にカッコイイ。
まじ「ウェイルズ」のボンゴ…良いんですぅ。
アフリカン・ミュージシャンとか、ラテン系のミュージシャンが敲いているみたいです。
私は気に入りましたね。
このアルバム中、一番の「裏名演」でしょう。

7曲目「アイ・ラブ・パリ」もジャズ名演が多いですね。
ここでは、正しくフランス人による、フランス人のための、フランス人的ジャズ・ピアノ・トリオ演奏がなされております。

8曲目「ザ・ラスト~」は、「ルグラン」がかなりアドリブを活かした遊び心を入れた演奏をしてくれます。

9曲目「ムーラン・ルージュの歌」では、ベース「ペデルセン」のチョイ・ソロが有ったりして、このトリオも最高に乗って来たかな?って感じですね。

ラスト「バラ色の人生」…若い頃に弾いた演奏&アルバムなのに、何か人生を達観した様な平穏さがピアノに込められていて憎いね!
これがディープな部分の正体かな?
フランス人気質って…皮肉屋って言う学者さん、確かいたよね?

寛ぎのフレンチ・ジャズと言いましたが、お洒落で軽薄だけじゃない、隠れたエッセンスが曲中に収められているのが分かります。
面白いアルバムですね。


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