紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

続き…ヴィレッジ・ゲートのクリス・コナー

2008-05-14 20:58:33 | ジャズ・ヴォーカル
さて、それでは、この歌手&バック・ミュージシャン、演奏曲、と3拍子揃った名アルバムの解説をして行きましょう。

ところで、実は…以前も言い訳じみた事を書いてお叱りを頂いた事が有るのですが、昨日このアルバムの記事を書いていたら…???久しぶりに投稿保存をしていなくて、記事を消失してしまいました。(涙)(涙)

私のブログ…記事を書き続けて20分ぐらいした時、一時保存しないと…駄目なんですね!
何回もこんなことやってたらいかんですねぇ!

さて、1曲目「ロット・オブ・リヴィン~」…オープニング曲に相応しく「クリス・コナー」が、とにかく元気良く歌い上げるナンバーで、曲間の「ロニー・ボール」のブギ・ウギピアノが、更に元気さを加速させます。

2曲目「エニープレイス・アイ・ハング~」…「クリス・コナー」のスキャット入りのディープなナンバーで、「ショーネシー」の繊細なドラミングと、「ロニー・ボール」の明るめのブロック・トーンが上手く絡み合って、goodです。
「マンデル・ロウ」の渋いギターも○です。
「クリス」は、とにかく歌詞を大事に、且つシャウトも入れて、完璧な歌唱をします。

3曲目「オール・オア・ナッシング・アット・オール」…私、個人的に大好きな曲ですが、「ショーネシー」のご機嫌なラテン・ドラミングに乗って、「ロニー・ボール」もラテン・ピアノで「クリス」の名唱を飾り立てます。
中間からは「マンデル・ロウ」の技巧高き伴奏ソロも突き抜けて来るし、「リチャード・デイヴィス」の重厚なベース演奏もハイになってくる。
「クリス」の歌も益々冴え渡り、ここに又、名唱が生まれました。

4曲目「サムシング・カミング」…「ロニー・ボール」、「マンデル・ロウ」とも急速調の演奏で序奏し、その後の「デイヴィス」のぶっといベース一発で、更に疾走系のナッバーに仕上げて行く。
その後、曲調が一転して「クリス・コナー」がじっくり情感たっぷりに、ハスキー・ヴォイスで歌い込む。
そして、もう一度曲調が疾走をして、フィニッシュへと導いて行く。
とにかく、劇的で、「クリス」の唱とバック・メンバーの素晴らしい技巧が堪能出切る逸品です。
このアルバム中でも屈指の出来栄えです。

5曲目「セントルイスからはるばると」…古きロックンロール調で、楽しいナンバーで、「クリス」はこう言うポップス曲を歌わせても、抜群に上手い…って当たり前か?
白人ジャズ歌手として、最高峰に位置する人(シンガー)だもん、ポップス曲なんてお手の物ですよねぇ?

6曲目「オ-ルド・デヴィル・ムーン」…「リチャード・デイヴィス」の地鳴りベースと「ショーネシー」のセンシティブなリズムから序奏が始まり、「クリス」が余裕と一寸遊び心を出した歌で、ややラフに仕上げています。
勿論、ラフって言うのはワザとで、「クリス・コナー」流の計算が有っての事でしょう。
ライヴ客を飽きさせないように、各歌に(歌い方)の変化を付けているんですね。

7曲目「あなたに夢中」…この曲では「クリス・コナー」は大人歌いをして、じっくり聴かせる。
バックでは特に「マンデル・ロウ」のギターが冴えてる。
大人の歌唱に対する大人の伴奏です。
勿論、「ロニー・ボール」の煌くピアノも良いし、ラテン・リズムで遊ぶ「ショーネシー」も上手いです。

8曲目「ブラック・コーヒー」…ジャズ歌手が登らなければならないエヴェレスト曲の一つがこれでょう。
「クリス・コナー」は敢えて正面から登山はしないで、アンニュイでけだるい、あばずれ女で攻撃する。
勿論、これも彼女の計算に則ってのことで、この曲は投げやり風の歌唱がピッタリ来ると判断しての所業でしょう。
彼女のアンニュイさにピッタリ寄りそう様に伴奏を仕上げる「ロニー・ボール」のピアノ演奏と、「リチャード・デイヴィス」の硬派なベース演奏に痺れます。

9曲目「グッドバイ」…この曲もじんわり…じっくり「クリス」が歌い込む。
ここでも「デイヴィス」のぶんぶんのブ厚いベース演奏が、ガッツリと彼女を包み込んで、曲の格調を上げている。
「リチャード・デイヴィス」…まじで寡黙で大きな仕事を平然と演ってのける漢です。
男の中の男(漢)ですねぇ!!

10曲目「オンリー・ザ・ロンリー」…「グッドバイ」に続いて「デイヴィス」が男気満開で、ベースで燃えます。
とにかく渋くてカッコイイし、この後の「クリス」の名唱を予感させる導入です。
逆に「ロニー・ボール」は、華麗に女性的に伴奏を仕上げて行って…「クリス」の歌唱を美しくサポートします。
「クリス」は一言一言を大事に丁寧に歌い上げて、この二人の芸術性に応えます。
ラストの「マンデル・ロウ」の一発ソロも素敵で、「クリス」とバック・カルテットの5人がとても高い打点で融合が計られた名唱、名演で、このアルバム、ベスト1でしょう。

11曲目「10セントひと踊り」…この曲も「クリス」がじっくり歌い上げて、ここでは「マンデル・ロウ」と「デイヴィス」の伴奏が行けてます。
そしてラストになると「クリス・コナー」が、ここぞとばかり絶唱で〆て、このグレートなライヴ・アルバムを締めくくるんです。

冒頭に言った通り、「クリス・コナー」(歌手)と言う名歌手と、ソロでも充分行ける、名人バック・ミュージシャン4人ががっぷり4つに組んだ、音楽の総合芸術が、高いステージで結合した名盤です。

難点は唯一点…録音が悪い事…これだけです。
もう少し録音が良ければ、コンプリートな1枚だったのが…一寸残念です。
でも、多くの人に聴いて欲しいですね。


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