紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

カフェ・モンマルトルでの壮絶ライヴ…J・マクリーン&D・ゴードン~ザ・ミーティング

2007-09-28 23:40:41 | ジャズ・アルト・サックス
ジャズ界のビッグ・ネーム・サックス奏者、「ジャッキー・マクリーン」と「デクスター・ゴードン」が、コペンハーゲンのモンマルトルで競演した、伝説的なライヴ・アルバムがこれです。

年代に多少差がありこそすれ、二人とも「チャーリー・パーカー」直系のブロー派サックス吹きにカテゴリーとして、入るだろう。

アルバムタイトル…ザ・ミーティング

パーソネル…リーダー;ジャッキー・マクリーン(as)
      デクスター・ゴードン(ts)
      ケニー・ドリュー(p)
      ニールス・ペデルセン(b)
      アレックス・リール(ds)

曲目…1.イントロダクション、2.オール・クリーン、3.リュー・ドゥ・ラ・アルプ、4.コーリン、5.サン・セット、6.オン・ザ・トレイル

1973年7月20日、21日 コペンハーゲン、モンマルトルにてライヴ録音

原盤…Steeple Chase 発売…ビデオ・アーツ・ミュージック
CD番号…VACE-3016

演奏について…冒頭の2曲目「オール・クリーン」から、必聴に値する名演。
「ゴードン」の豪快なテナー、「マクリーン」の切れ味鋭いアルト、バッピシュな「ドリュー」のピアノ、深々とした重厚な低音でソロをぶちかます「ペデルセン」
と、ソロを取る何れのプレイヤーも、聴かせ所を的確に演奏して、期待通りの出来栄えです。

3曲目「リュー・~」…「サハブ・シハブ」が作曲したバップ・ナンバーだが、序奏から「マクリーン節」全開で、「マクリーン」が熱いアルトを吹き切る。
「ケニー・ドリュー・トリオ」たる、バックの3人も、ハード・ドライヴィングで、強烈に「マクリーン」をアシストする。
特にドラムス「リール」の、回転系?ドラムでの推進力は、この演奏のエンジン役を担っている。
後半にアドリブを吹く「ゴードン」は、味わい深い、そして豪快なテナーで「マクリーン」のソロを受ける。
5人が渾然一体となった、ハード・バップ満開の演奏です。

5曲目「サン・セット」は、「ドリュー」のオリジナル曲で、やはり、「ドリュー」らしい、メロディアスなフレーズのバラッド佳曲。
冒頭の「ゴードン」と「マクリーン」のユニゾン&掛け合いから、耳を奪われる。
中途からは、二人のソロが始まって、「マクリーン」は、彼独特の塩辛いトーンで、アドリブをぶいぶい吹き捲る。
センチメンタリズム満載の「ドリュー」の伴奏ソロも、勿論センス抜群で、「マクリーン」を援護する。
後半に出てくる「ゴードン」のアドリブは、余裕と貫禄の、正に大人吹きで、「マクリーン」の演奏を、ガッチリ胸で受け止める。
「リール」のブラッシュ・ワークも、とても真面目な演奏で、好感が持てます。
アルバム中で、最も気に入った1曲です。

6曲目「オン・ザ・トレイル」…クラシック作曲家「グローフェ」の、組曲「グランド・キャニオン」から、通称「山道を行く」と言われている、組曲中での1曲がこれです。
「ドリュー」「ペデルセン」のリズム・セクションに引っ張られて、「マクリーン」「ゴードン」とも、魅力たっぷりのソロを吹いて、アルバムのラストを飾るに相応しい名演奏で盛り上がる。
しかし、この二人のソロ…言葉で言うなら、「渋カッコいい」で決まりかな?

今日、もう一枚紹介したいアルバムが有るんです。尾花毅~バヒア・ダンス

2007-09-28 00:39:23 | ラテン・インストゥルメンタル
今日は、もう一枚是非紹介したいアルバムが有るんです。

「尾花毅」と言う、アマチュア(セミ・プロ)が、インディーズで出版した「バヒア・ダンス」と言う、ラテン系(ボサ・ノヴァ)アルバムなんです。
全曲「尾花毅」のオリジナル曲なんですが、とにかく、佳曲、佳演が揃っていて素晴らしい仕上がりです。

アルバムタイトル…バヒア・ダンス

パーソネル…尾花毅(g、e-g、perc、b)
      尾花賢(key)
      小澤敏哉(pandeiro)

曲目…1.バヒア・ダンス、2.ブルドッグ、3.マリサ、4.ソンハー、5.アマゾンの浸水林、6.サンバ・ファンク、7.エスカンダルーサ、8.メイシーズ・ハウス

原盤…MYMレコード  CD番号…MYM0002

演奏について…ぴか一のお薦め、2曲目「ブルドッグ」は、物すごく哀愁感が漂う、涙ちょちょ切れ物のマイナー調佳曲。
おいらの琴線触れ捲りなんだけど、素晴らしいボサ・ノヴァ・メロディが、貴方の心も揮わせる。
アルバムの中で一番好きな曲だな。多分。。。

5曲目「アマゾンの~」…これも良いねぇ。
本当に悲しくて、切なくて、孤独で絶望に苛まれた私が、一人アマゾン川にカヌーを漕いで、静かな水面を見つめていた時、ひっそりと、しかし、水中に(大地)に根を降ろした浸水林の強さと直向さに、生きる勇気を与えてもらう…。
最後は消え入るようなボサ・ノヴァリズムで音は消えて行きますが、私は希望で一杯になる。優しくて、芯の強い素晴らしい名曲です。
アルバム中のベスト・トラックでしょうね。

6曲目「サンバ・ファンク」は、「尾花」の多重録音が生かされた演奏で、元祖「デパペペ」みたいな演奏は◎でしょう。とてもセンスが良いんです。

アルバム・タイトルの1曲目「バヒア・ダンス」は、サンバ・リズムに乗って、「尾花」が軽快にアコースティック・ギターをかき鳴らす。
何か、春先のサイクリングを連想させる、軽やかな、そしてスピーディな雰囲気のメロディが気持ち良いですね。
中間では、泣きのギター・フレーズも有って、セミ・プロらしからぬ?、中々のテクニックで、壷を押さえた演奏がgoodです。

3曲目「マリーサ」は、心寛ぐ、癒し系メロディのボサ・ノヴァ。

7曲目「エスカンダローサ」は、かなり重厚な曲調にプラスして、ゲスト・プレイヤーの「小澤」のパンデーロが、幻想的な異次元の世界を演出する。

4曲目「ソンハー」は、元気が出るメジャー調子のメロディで、聴いているだけで、明るく陽気な気持ちになります。

8曲目「メアリーズ~」は、正統的なボサ・ノヴァ・サウンド&メロディが、エンディングを飾るのに相応しい。
ラテン好きな方々が、聴き終わった後、安心して眠りに就く事を想定している様な曲ですね。

しかし、こんな才能を埋もらせておくのは、余りにももったいないなぁ。
「尾花毅」…いつかはメジャーな世界に出てきて欲しい、アーティストです。