紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

アイク・ケベックの送るブラック・フィーリングが香るボッサ・アルバム…ボサ・ノヴァ・ソウル・サンバ

2007-09-07 23:35:37 | ジャズ・アルト・サックス
昨日はものすごい台風で、ブログを書く所じゃなかったです。
それと、私の「バトン」いかがだったでしょうか?
あまり「大喜利」にはなっていなかった気がしますし、次の方への「バトン」のお題目「アンドレ・プレヴィン」が一寸、狭義すぎて失敗に終わったかも?って事が残念です。
しかし、これに懲りずに、またこの様な機会があったら、再チャレンジするかもしれません。
その時も宜しくお願いします。

さて、今日も飛び切りご機嫌な「ジャズ・ボッサ」アルバムを紹介しちゃいます。
ブルーノートが生んだ、渋いが愛すべきテナー・マン、「アイク・ケベック」が残した好アルバムです。

アルバムタイトル…ボサ・ノヴァ・ソウル・サンバ

パーソネル…リーダー;アイク・ケベック(ts)
      ケニー・バレル(g)
      ウェンデル・マーシャル(b)
      ウィリー・ボボ(ds)
      ガーヴィン・マッソー(chekere)

曲目…1.ロイエ、2.ロロ・トゥ・デスペディーダ、3.家路、4.ミー・ン・ユー、5.愛の夢、6.シュ・シュ、7.ブルー・サンバ、8.ファヴァーラ、9.リンダ・フロール

1962年11月5日

原盤…BLUE NOTE 発売…東芝EMI

CD番号…TOCJ-4114

演奏について…超お薦め曲は、このアルバムでナンバー1人気のオープニング曲「ロイエ」で決まり。
「バレル」が作曲した哀愁タップリの昭和歌謡的なメロディは、ボッサ・リズムに乗って、軽快にそして艶やかに「ケベック」が吹き通す。
強く吹き過ぎず、余裕を持たせた哀愁テナーに「ケベック」の男を見る。
支えるバックのリズムは、ソフトな雰囲気でとても良い味だしてる。
当然、作曲者「バレル」もロマンティックなトーンで、憂いのフレーズを弾いて、聴き所が満載です。
唯一難を言えば、まじに良い曲なのに、演奏時間が短すぎ…この(3分チョット)倍ぐらいは聴いていたいなぁ。

3曲目…一昨日書いた「クラシック」の好きな…の、お題に選んだ、「ドヴォルザーク」の交響曲第9番の第2楽章が、この曲「家路」ですが、これを選んだセンスが良いよねぇ。
クラシック曲をジャズ風に演じたって感じじゃなくて、まじめにジャズ(サンバ)になっていて、郷愁を誘う「ケベック」の啜る様なテナーに酔わされそうです。

4曲目「ミー・ン・ユー」は「ケベック」作曲の佳曲。
この曲も「ケベック」の哀愁が満ち溢れた、渾身のフレーズ盛り沢山の名演です。
「バレル」が完全にブラックいや、ブルーズに徹した黒い演奏も魅力たっぷり。
「マーシャル」「ボボ」「マッソー」出しゃばらない、控えめにバック&リズムに徹した演奏も◎です。

7曲目「ブルー・サンバ」…この曲こそ「ケベック」がこのアルバムのコンセプトで、正に言わんとしていた答えだろう。
1962年と言う、ボサ・ノヴァ隆盛期に、単なるコマーシャリズムではなく、いかにもブルーノートらしい、「ブルース」とのコラボが出来ないかと、考えた末に出た答え(曲)がこれなんだ。
「ケベック」の艶やかさと哀愁の混在した大人のテナーに、ブルース・フィーリング・ナンバー1の「バレル」のギターが良く絡み合う。
ここでもバック・リズム陣は、脇役に徹しまくる。

8曲目「ファヴァーラ」…マイナー佳曲大好きなおいらには、もう最初のフレーズが流れただけで、夢見心地になる良い曲だ。
「ケベック」…泣かせやがって、酔わせやがって、この野郎~。。
次いで「バレル」が…こいつも泣かせるフレーズを弾きまくりやがる…。
こつら二人、すすり泣きが上手な、…いや、泣かせ上手の大名優だ!!
いつまでも曲よ続いておくれと願ったけど、この曲も4分で終わっちゃった。
非常に残念!!もっと聴きたい~!!

9曲目「リンダ・フロール」は、エンディングをあえて、明るく楽しく好印象を残して終わらせる意図があるのか?とてもライトな曲調。
そして、この紹介した曲以外でも、とても聴き易く、しかしブルースのフィーリングもスパイスとして、効かされているので、最初から最後まで飽きずに楽しめます。
このアルバムを聴いて、台風一過の後の、このじめじめした天気を忘れましょう。