なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

柳家三三師匠@内幸町(夜席) 2008.1.6 その2

2010年08月01日 12時12分19秒 | なんとなくの落語
前回の続きです。


③宝井琴柳 講談「徂徠豆腐」


講談です。

荻生徂徠が、世に出る前、貧しい浪人暮らしをしていた時分のこと。日々の食べ物にも事欠く暮らしをしていたが、人情味あふれる豆腐屋のおかげで、日々生きながらえ、やがては・・・という人情噺。

講談というと、落語の「五目講釈」のように、もっと見台をバシバシ叩くのかと思いきや(すみません。講談については素人です・・・)、小拍子は、場面が変わったときのアクセント、といった感じで使われているように見受けられました。

初めて聴いた話ですが、講談といっても、上下があったり、そう落語と変わらないものですね。楽しく聴けました。

(ここで中入り)


④柳家三三 「御神酒徳利」


「もう少しでお待ちかねの閉演ですから、気を確かにもっていきましょう(笑)」

中入りで、ややばらついている雰囲気を、キュッと締めて、噺に入ります。

噺自体の出来は決して悪くはないのですが、正直、ワタクシにとりましては、ちょっと長かったかな、と。

もう少し、くすぐりが入ると楽しめましたが、盛り上がりがいま一つなかったように感じました。

決して終始ゲラゲラ笑わせて欲しい、というわけではないのですが、いくぶんは軽さがあってもよかったのかな、と・・・。勝手な意見ですが・・・。

自分の体調のせいもあるかもしれません。ちと辛口の意見ですが、三三師匠への評価はいささかも揺らぐものではありませんし、今後も機会があれば、見続けたい噺家さんの一人です。


次回の三三独演は、2月4日(月)、内幸町ホールで。二番煎じ、五人回し、狸賽を演られます。楽しみですね。
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柳家三三師匠@内幸町(夜席) 2008.1.6 その1

2010年08月01日 12時10分42秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。




1月5日、内幸町で行われた柳家三三師匠の独演会「新春特別公演・月例三三独演」に行ってまいりました。

昼席、夜席とありましたが、気がついた時には、すでに昼席は完売。行ったのは、夜席のほうです。

(昼席は、「大工調べ」を通しで、そして「かつぎや」でした。見たかった・・・)

以下は出演者、ネタと私の拙い感想。


①柳家ろべえ「初天神」


柳家小三治師匠の二番目の弟子・柳家喜多八師匠のお弟子さん。二つ目です。

自己紹介で間違えておりました。

「あたしと三三兄さんとは甥とおじっこの関係で・・・。

あ・・・・・・、

おじと甥っ子の関係で・・・」

しばし苦笑いして下を向いております。

助け舟、と思ったのか舞台袖から三三師匠が出てきて、「間違えるな!」と喝を入れます。

で、初天神です。お父っつぁんが、蜜の入ったつぼに、さんざん舐めただんごを突っ込んだところまででした。

ちと間が悪いかな。別に話をとちるとか、かむとか、そういうわけではないのですが、せっかく笑いが取れるところでも、妙に間延びしているように感じました。

初天神、というと、どうしても小三治師匠の演じる初天神が強烈なので、私なぞは、無意識にあの初天神と比べてしまっております。

もう少し、練っていけばいいものになるかもしれません。金坊の泣き声や叫び声が、妙に大きくて、耳障りな感じもしました。


②柳家三三 「湯屋番」


お目当ての三三師匠。はじめは湯屋番でした。

めぐり合わせなのか、湯屋番というお話、ワタクシ、かなり長い間聴いておりません。

道楽が過ぎて、出入りの職人の家に転がり込んだ若旦那。出だしは、昨年聴いた師匠の「五目講釈」とそっくりでした。

だいぶ昔に聴いた小朝師匠の湯屋番と似ているくすぐりがありましたね。

(お湯屋に奉公に行き、番台に座った若旦那。男湯にいるやせた人を見ながら独り言を言っています)

「おや?そのまた隣にいる人は、やけに太っているね」

「あんなに太っていたって無駄なだけなんだよ。

頭の先と足の先をつかんでねじったら油が出てきて、それでバスや電車をいごかせないもんかね」

「そうするとお上だってだまっちゃいませんよ。『脂肪何グラム以上有するものはお上に届け出るべし』」

「脂肪届け・・・」


小朝師匠に教わったのでしょうかね?あまり聴いたことがないので、そのへんはわかりませんでした。


噺のほうは、さすが三三師匠、湯屋番に上がった若旦那が妄想を膨らませ、次第に自分勝手に盛り上がっていくところは大笑いでした。

(長くなりましたので、次に続きます)
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小三治師匠@前進座劇場 2007.12.8

2010年08月01日 12時06分23秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。



本日、12月8日に、吉祥寺の前進座劇場で催された

「前進座劇場プロデュース 寄席を楽しむ・その30」

に行ってまいりました。

昼席、夜席とありましたが、私が申し込んだ時には、昼席はほば完売、ということで夜席へ。

以下は、演者と演目と私の拙い感想。


①柳家ごん坊 「動物園」


柳家権太楼師匠のお弟子さん、前座さんです。

何度か見たことがありますが、見るたびに上手くなっていますね。今日の高座では、短いですが、小噺のまくらもあり、堂々としたものでした。


②桂才紫 「悋気の独楽」


色気のある噺家さんですね。初めて見ました。

お店の旦那が浮気をする、という噺ですが、お妾さんが艶があっていいですね。


③古今亭志ん輔 「二番煎じ」


中トリで登場。いやあ、上手いです!

寒い日に、こごえながら火鉢にあたる様子。

鍋の具のあつあつの猪肉を口にほおばり、息を吸い吸い、さましながら食べる様子。

見回りの役人に、酔いながら説明する様子。

どれもが、いかにも寒そうに、熱そうに、酔っているように見えて、素晴らしいものでした。


④柳家三三 「五目講釈」


私の知っている「五目講釈」は、講釈師が、船の上で行うものでしたが、三三師匠の演じる「五目・・・」は、居候の若旦那が、近所の講釈好きを集めて行うものでした。

いい雰囲気を持つ噺家さんですね。講釈の内容も、今の時事ネタも取り入れられていて、大笑いでした(福田首相、小沢党首、赤福、オシムに岡ちゃん・・・)。


⑤柳家小三治 「出来心」


楽しみの「ま・く・ら」は・・・、

師走を迎えたが、どうも年末という気がしない。

夏が過ぎて、いきなり冬を迎えたような気がする。そのせいで、体調がガタガタだ。私も6月から風邪をひいたきり。

でも、今どき、体がどこも悪くない、という人はいないのではないか。もし、「俺はどこも悪くない」、という人がいたのなら・・・、

「病院に行ったほうがいいです(笑)」

で、親友の入船亭扇橋師匠の話。

扇橋師匠が、桂三木助師匠のお弟子さん時代に、前座修行をしていた時期にもかかわらず、なぜか結婚し、しかも師匠がそれを許していた、という不思議。

俳句の句会で、長野と中国に行った時の扇橋師匠の逸話。

扇橋師匠のとぼけたお人柄がわかって大笑いでした。

さて、噺のほうは「出来心」。

ワタクシ、残念ながら、この前の「東京かわら版落語会」で聞いたばかりの噺でした。

でも、そう思っても、笑わずにいられないのが、師匠の芸ですね。

(「さいごべえ」さんのくだりは端折っておられました)


今日は、どの演者もレベルが高くて、楽しめました。

三三師匠、志ん輔師匠の好演も嬉しかったですね。


※お客さんの中に、スタジオ・ジブリの鈴木敏夫さんをお見かけしました。落語、お好きなんですね。
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東京かわら版400号記念落語会 2007.10.21 その4

2010年08月01日 11時59分42秒 | なんとなくの落語
続きです。


⑤柳家小三治「出来心」


さて、トリは小三治師匠。

プログラムでは「落語」とだけあり、演目は決まっておりません。果たして何を演るのか、「ま・く・ら」はどれだけ聴けるのか、楽しみでありました。


有楽町・よみうりホールのビルの下が、ビックカメラの売り場になっている、ということから、大手電器店の話となりました。

池袋のビックカメラでソニーのビデオカメラを買いに行った師匠、店頭の値段の149,800円にバツがしてあり「まだまだ値引きします」と書いてあるのを見つけます。

店員に「いくらになるの?」と尋ねると、電卓で「129,800円」と示します。で、隣にあるヤマダ電機へも行ってみますが、こちらは値段すら出ていません。

「このへんが、私も人間が甘いというか・・・。ビックカメラでビデオカメラを買いました」

で、後日、池袋のヨドバシカメラで同じ機種を見つけ、試しに値段をきいたら、電卓を取り出した店員が、「まけて」とも言っていないのに119,800円・・・。

ここで、師匠、額に手をやり、がっくりした表情・・・。


今度はその日(20日)のこと。よみうりホールまで車で来たので、駐車場に車をとめます。ビックカメラで、ある程度の金額の買い物をすれば、駐車料金がタダになるというので、ビデオカメラに取り付けるマイクを買います。これが9,990円。

ところが、駐車料金がタダになりません。

いくらならタダになるのか、というと、20,000円以上とか。

「冗談じゃないよ~~!!」

で、ビデオカメラの盤(DVDですかね?)を買って、20,000円以上にして、めでたく駐車料金をタダにしました。

売り場ですぐレシートに判をついてくれて、それを駐車場に出せばいいのかと思っていたら、別な受付センターに行ってくれと言われ・・・。

「だからビックカメラはだめです・・・」(爆笑)


で、「出来心」でした。

この噺は、師匠のCDで何度も聴いておりますし、生でも何度か聴いたことがあり、馴れ親しんだ噺ではありました。

でも、何度聴いても面白いですね。親分から言われたとおりに空き巣狙いをやってみるものの、親分の隣の家から始めたり、留守だと思った家で羊羹を食べ、二階から家人が現れ、羊羹をのどにつまらせてしまったりと、間抜けな泥棒のキャラクターが見事に浮き出ています。

約40分、久々に生で聴いた小三治師匠の落語でありました。


8月に訪れた圓朝祭りで、たまたま手に取った東京かわら版の号外から、思いがけず素晴らしい落語会を聴くことができました。

東京かわら版にあらためて感謝!
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東京かわら版400号記念落語会 2007.10.21 その3

2010年08月01日 11時58分30秒 | なんとなくの落語
続きです。

中入り後、

④三遊亭白鳥師匠登場、「三大噺」


「ふつう三大噺というと、少なくとも2時間は時間をいただいて練り上げてから演るもんなんですが・・・」と、言い訳をしていました。

しかも「佐藤編集長から、『芝浜』のような後世に残る三大噺をお願いします、と言われました」とも・・・。

「だったら、私なんかに頼まないで、(柳家)喬太郎師匠に頼めばいいのに・・・」

確かに・・・。

それでいて、よどみなく噺が進むところはさすがでした。


魚河岸でアルバイトで働くタカシ君、社長に「『築地』一だ!」と、働き振りを認められ、正社員にならないか、と持ちかけられます。

実はタカシ君、古典落語一本槍の売れない噺家。落語だけでは食えないので、こうしてアルバイトをしていたのでした。

タカシ君はみどりちゃんという女性と一緒に住んでいたのですが、その彼女、「売れない劇団員だったけど、グラビアアイドルになって有名になって、女優になる!」とタカシ君に打ち明けます。

(ここで、早くも拍手がありますが「まだ早いです」と、白鳥師匠)

前向きなみどりちゃんに比べ、いつも後ろ向きなタカシ君、そんなタカシ君を励まそうと、みどりちゃんが叱ります。

「タカシ君はいつもそう。前に行って欲しいのに後ろがいい、後ろがいいって、そういうのをお医者さんに訊いたら、後ろがいい・・・リアがいい・・・、リアに依存する、リア依存、リア依存症だって・・・」

白鳥師匠「これで勘弁してください~~~(爆笑)」


「タカシ君は夢はあるの?」と問いかけるみどりちゃんに「柳家小三治」の名前を継ぎたいというタカシ君。でも、弱気なタカシ君に「あんたなんか柳家『赤字』がいいとこよ!」となじります。

(「赤字」はそこで使うか・・・)


で、二人は別れ、タカシ君は立派な噺家になって、東京かわら版400号記念落語会で「芝浜」を演じるまでになります。

で、グラビアアイドルになったものの夢破れて、再び売れない劇団員に戻ったみどりちゃんは、東京かわら版を読み、陰ながらタカシ君の落語をずっと聴いてきていたのでした。

サゲを忘れました・・・(恥)。



すいません。またもや続きます
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東京かわら版400号記念落語会 2007.10.21 その2

2010年08月01日 11時57分09秒 | なんとなくの落語
続きです。

さて、お題が決まり、お二人が袖へ引っ込み、いよいよスタート。

以下は、演者、お題と私の拙い感想



①三遊亭きつつき「黄金の大黒」


「この中で、唯一自己紹介が必要です」「名前と顔だけでも覚えて帰っていただきたい」と、ごあいさつ。

二人がどっかんどっかん受けて引っ込んだ後の出番だけに、「後のことも考えていただきたいですよ」と、困惑気味のマクラでした。

二つ目だけあって、噺もしっかりしています。残念ながら噺は途中まで。もう少し聞いていたかったのですが・・・。


②神田ひまわり「講談・東京かわら版物語」


昭和49年、同時期に創刊された「ぴあ」「クロスロード」といった情報誌に落語、講談の情報があまりにも少ない、というので、井上和明氏が始めたのが「東京かわら版」のきっかけです。

以来、徐々に認知され、平成19年5月に400号を迎えるまでの物語を講談にして語ります。


③柳家三三「不孝者」


生で見たのは2度目。上手いですね・・・、いい噺家です。

不明にして、最初は何の噺かわかりませんでした。終わってからロビーに張り出されている演目を見て、「不孝者」という噺だと知りました。

まだ若いので、演じるお店の旦那や馴染みだった芸者をテクニックで演じている感じを受けます。

(いえいえ、決してケチをつけているのではありません。かえってそこに三三師匠の上手さを見ることができるのです)

これが、もう少し歳を経ることで、演じるお店の旦那や芸者にも風格が出てきて、より芸の幅が広がるのではないかと思いました。

古今亭菊乃丞師匠にも感じることですが、この歳でこういう噺をきっちりと自分のものにしている、というのは嬉しいですね。

芸に浮ついたところがなく、その目標はさらなる高みを目指しているように感じられました。

あらためて三三師匠の素晴らしさを知りました。これからも追いかけていきたい噺家さんの一人となりました。

(12月8日、吉祥寺の前進座落語会のチケットが取れました。また会えます)


で、長くなったので、お中入りです。
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東京かわら版400号記念落語会 2007.10.21 その1

2010年08月01日 11時54分58秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。



落語、講談の情報誌「東京かわら版」の創刊400号を記念して催された落語会です。

なんとかチケットが取れて、きのう行ってまいりました。

会場は、有楽町のよみうりホール、私が座ったのは2階席の左の後ろの方でした。


幕が上がると、なぜか私服の三遊亭白鳥師匠と着物姿の柳家三三師匠が、高座で座布団をはさんで、頭をさげた状態でのオープニング。はて?

で、二人が立ち上がりますと、ホワイトボードが中央に出てきます。

どうやら、中入り後に出てくる三遊亭白鳥師匠が、三大噺のお題をこの場で決めようという趣向のようです。

白鳥師匠が私服なのは、会場がイイノホールだと勘違いしていたようで、そこからあわてて駆けつけたから。

半そでのシャツ、バミューダパンツ、しかも素足の白鳥師匠、三三師匠から「潮干狩りですか?」とからかわれていましたが、高座の脇から靴を取り出し、「これは今、『エスカレーターにはさまれる』と話題の靴だ!」と切り返します。

(「クロックス」らしき靴を履く白鳥師匠に、「サンダル履きじゃないですか」と三三師匠がからかいます)

イイノホールでは「詩のボクシング」の第7回全国大会が行われていたそうで、白鳥師匠、なんの疑いもなくイイノホールの楽屋に入り、お茶まで飲んだとか・・・。



で、観客に10個お題をいただき、拍手でもって、3つに絞り、それを噺に取り込んでの三大噺を作るということになりました。

お題は、以下の10個

オートバイ

築地(東京かわら版の事務所があるから)

赤字

郵便振替(購読料の支払いが郵便振替で行えるから)

玉子かけご飯(この後トリで出てくる小三治師匠のネタ)

締め切り

鬼瓦

美人編集長(東京かわら版の現在の編集長は女性です)

学習院大学(東京かわら版の代表・井上氏の出身大学?)

リア・ディゾン


で、「築地」「赤字」「リア・ディゾン」が残りました。

(長くなりましたので、次回へ続きます)
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岩波書店「真景累ケ淵」

2010年08月01日 11時52分46秒 | なんとなくの落語
岩波書店から「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」の改版が出たので、買い求め、読み終えました。

三遊亭圓朝・作の落語です。

現在上映中の映画「怪談」の原作、ということもあり、本のほうも人気があるのでしょうね。この文庫本、2007年3月に改版が出ましたが、2007年6月には増刷となっています(2007年8月購入時点)。

落語のほうでは、六代目・三遊亭圓生師匠の名演が有名ですが、これまで聴く機会がなかったので、まず原作をと思い、文庫本を手に取りました。

怪談かと思いきや、意外とおどろおどろしいものは感じられません。

圓朝が口演したと思われる噺を文章に直していますので、時折出てくる、そういったおどろおどろしい部分も、われわれ読み手の想像力に任せ、さらりと描かれています。

むしろ怖いのは、幽霊よりも登場人物の非常さや冷酷さであります。


映画の方は、というと、「怪談」とタイトルにもある通り、原作をアレンジして、おどろおどろしい所を前面に描き出しているようです。

(すいません、映画見てませんけど・・・。HP「怪談」を見ての感想です)


長い噺なので、落語では、通しで演じられたものは残っていないですね。

圓生師匠が、「聖天山」まで。桂歌丸師匠が、多少割愛しているものの「お熊の懺悔」まで演じられています。

もっとも、この「真景累ヶ淵」は、後半は怪談というよりは、敵討ちの話になっているので、怪談として通しで演じるにも、まとまりがなくなってくるのかも知れません。

原作が落語なので、ほんの時折ですが、クスリとさせられるような言い回しもあります。

あらためて、この作品の登場人物の相関図を作ってみましたが、みんな、どっかで繋がっています。

(相関図を作ってみたら、見落としていた人が意外なところでつながっていて、面白いです)

因縁というのは恐ろしいものでございます。
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