なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

ビクター落語会(昼の部) 2007.8.26 その2

2010年07月31日 10時13分59秒 | なんとなくの落語
すみません。続きです。


④春風亭正朝 「井戸の茶碗」


私は、柳家権太楼師匠、柳家さん喬師匠で、この噺を聞いたことがあります。

生意気ですが、この噺、私はあまりしっくりきません。

正直者の清兵衛さんの紹介からこの噺は始まりますが、この噺は、清兵衛さん一人がメインの噺ではありません。

途中から高木作左衛門、千代田卜斎という侍が現れ、この三人でもって噺が展開していくのですが、以前、聞いた限りでは、どうも三人が同列に扱われているため、いま一つ焦点がぼやけてしまうように、私は感じておりました。

で、この日の正朝師匠の噺を聞いて、はじめてこの噺の面白さに気がつきました。

清兵衛さんは正直者ではありますが、あまりこの人を真面目に演じてしまっては面白くない。かといって、高木、千代田という侍まで崩してしまうと、なんとも噺の芯が失われてぼやけてしまうのです。

正朝師匠は、清兵衛さんをいささか粗忽、とも思える人柄に仕立てることで、見事に浮き立たせています。正直者三人では、落語になりませんもんね。


⑤柳家喜多八 「死神」


小三治師匠譲りのサゲではありませんでしたね。

かといって、円生師匠のサゲとも違います。「消える・・・、消える・・・」で、サゲ、ではなく、

「へっへっへっ・・・、消えた・・・」

死神に言わせています。

喜多八師匠が考えられたものなのか、どなたかの考えられたサゲなのか、不明にしてわかりませんでした。

途中、会場の近くで何かのアナウンスが数分流れていました。師匠は動じるふうでもなかったのですが、ちと聞いている方は、集中が途切れてしまいました。

主催者のビクターも、せっかく録画していたのに残念です。



今回は運良く最前列で見ることができました。

そこで気がついたのは、高座の両脇に、例のビクターの犬が、神社の狛犬のように、ちょこなんと対をなして置いてあったこと。

なんか主催者のゲンかつぎなのか、シャレなのか・・・。


で、も一つ。

最前列に座っていたとある男性、相当の落語好きと見受けられましたが、噺の途中で、持っていたポリ袋をクシャクシャ。

ペット・ボトルを、いささか耳障りな音とともに取り出してしきりに飲んでいます。で、今度は飴玉を取り出し、包装紙をクシャクシャ・・・。

誰も何も言わなかったけど、いささか野暮な振る舞いでした・・・。


(拙い感想で失礼しました)
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ビクター落語会(昼の部) 2007.8.26 その1

2010年07月31日 10時10分36秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。



8月26日のビクター落語会、昼の部に行ってきました。

以下は出演者、演目と私の拙い感想。


①柳家ごん坊 「開口一番」


「転失気」です。

ごん坊さんをこの寄席で見るのは2回目。前回は「寿限無」でした。

今回は安心して聞けました。いえ、これまでこの落語会に来る前座さん、どこかで間違えたりしていたもので・・・。

サゲを少し変えていましたね。教わった通りのサゲなのでしょうか。

珍念「和尚様、『転失気(おなら)』のことを『おさかずき』だと言い出したのはいつからなんですか?」

和尚「ううむ・・・、なら(奈良)、平安時代からだ・・・」



②柳家喜多八 「片棒」


虚弱体質を売りにしている師匠。例のごとくゆっくり、ゆっくりと高座に上がります。

それでいて、座布団に座り、扇子を置くと、一転してキラリとした目で、お客様にお辞儀をします。

今、気がつきましたが、この形、師匠の小三治師匠に通じるものがありますね。

虚弱体質(今回はマクラではそのことは触れませんでした)と言いながら、噺に入ると、キリリとした話しっぷり。二男・銀次郎の話すお弔いのくだりは素晴らしいものでした(笑いました)。



③林家正蔵 「お楽しみ」


「ねずみ」でした。

まくらの話によると、喜多八師匠と同期だそうです。そのせいもあるのか、今回の噺は、リラックスして演じられているように感じました。

(あまり頻繁に師匠の落語に接しているわけではないので、個人的な感想ですが・・・)

意図的に、あまり人の演らない噺を高座にかけているのでしょうか。今回は「ねずみ」です。私は、最近では歌丸師匠が演られているのを見たぐらいですかね。

笑いの少ない話ですが、ところどころで細かい笑いを入れ、最後まで飽きさせずに聞かせて下さいました。

ただ、まだ完全に噺を自分のものにしていないように思います。まだ噺をなぞるような感じで、もう少し余裕が欲しいところですね。生意気ですが・・・。

(というところでお中入り。次回の日記へと続きます)
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行ってきました落語協会感謝祭! 2007.8.5

2010年07月31日 10時06分05秒 | なんとなくの落語
先日、日記に書きました「圓朝まつり」改め「落語協会感謝祭 ~圓朝記念~」に行ってきました。

いやあ・・・暑かった・・・。

昼過ぎに家を出て、千駄木駅へ向かいます。丸の内線に乗っていたので、千代田線乗り換えのために、国会議事堂前で下車しようとすると、車中を浴衣姿の男性が横切りました。

目の前の階段を少し先に上っております。「らくご協会」の浴衣を着て、こざっぱりした短髪。

自分の目線の位置に、持ち歩いていたカバンが見えます。キーホルダーくらいの大きさの千社札がカバンのジッパーについていました。

入船亭扇治師匠でした。

早くも会場となる谷中・全生庵に着く前に、気分は落語モードとなってまいります。


で、会場に着きますと、もう噺家さんのるつぼ。さながら「噺家さんのジュラシック・パーク」(例えが古い?)でありました。

有名無名を問わず(失礼)、噺家さんがそこかしこに群れなし、あらためて自分の知識不足を痛感します。誰が誰やらよくわかりません。

中には、浴衣姿でもない、おそろいのTシャツでもない、完全に私服の噺家さんまでいて(小柄でずんぐりしたお体。落語好きのオタクかな?と思っていたら、芸術協会の瀧川鯉朝師匠でした・・・)、誰もが噺家さんやその関係者に見えてまいります。

入り口で、公式ガイドブック(100円)を買い、

三遊亭丈二師匠のお店「柳田カクテル之進」でジントニックを買い(500円)、

(丈二師匠、日本バーテンダー協会所属だそうです)

五明楼玉の輔師匠のお店で、前もって買っていた師匠の本「噺家の手ぬぐい」を差し出し、サインをいただき、

(「人生いいことばかり」と書き添えてくださいました)

炎天下、ジントニックを飲み、暑さと空きっ腹で飲んだカクテルで意識がモーローとしながら、しばしの間、夢のような環境に身をゆだねておりました。

本部席では、さん喬師匠にサインをいただこうと行列ができる中、そのお隣にいらした小里ん師匠にサインをちょうだいし、

(「盛岡では毎年師匠の落語を見ていました」とお話したところ、喜んでおられました)

このあたりで、体力の限界が近づき、引き上げることといたしました。


もう、用意していたペットボトルの水を飲み干し、タオルは汗でぐしょぐしょ。

Tシャツも汗で色が変わっています。

わずか1時間あまりで引き上げましたが、噺家の皆さん、ありがとうございました。

おかげさまで楽しいひと時を過ごしました。


当日お見かけした噺家さん(思い出す限りで・・・)

柳家さん喬、柳家喬太郎、柳家権太楼、春風亭正朝、林家いっ平、三遊亭丈二、橘家文左衛門、柳家小里ん、柳亭市馬、金原亭馬生、林家しん平、柳家小ゑん、柳家ごん坊、五明楼玉の輔、瀧川鯉朝、入船亭扇治、古今亭志ん輔、桂文楽・・・(敬称略ですみません)

その他大勢の噺家さんをお見かけしたのですが、不明にしてお名前がわかりません。すみません。
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ビクター落語会 2007.7.28 その2

2010年07月31日 10時01分48秒 | なんとなくの落語
さて、仲入り後のビクター落語会です。


④五明楼玉の輔 「お楽しみ」


「蛙茶番」でした。

初めて見る噺家さんでした。

「なんとなく話し方が小朝師匠に似ているなあ」と思って後で調べてみたら、ピンポン♪ 小朝師匠のお弟子さん。

芝居噺なので、まくらでは落語と歌舞伎とを比べておりました。

「歌舞伎を観に行くとなると、前の日から着物を選んだりといろんな楽しみがありますが、落語はというと・・・

パジャマかな?なんて人がいたりして(爆笑)」

「今日のお客様は楽屋でも評判ですよ。綺麗な人ばかりだって・・・

見てみたら、ミス・ユニバースの予選かな、なんて・・・

ま、予選ですからね。誰でも出るのは自由だということで(爆笑)」

「歌舞伎は観に行くといっても高い!そこへいくと落語は、新宿末広亭の深夜寄席なんか500円ですから・・・

それでも4人ぐらい出るわけですよ。1人当たり125円ですよ(爆笑)」

まあ、よく笑いました。噺もしっかりしていてこれからが楽しみ。



⑤古今亭志ん輔 「船徳」


今日2度目の出演。力仕事なぞしたこともないような、なよっとした若旦那を演じます。

わりとオーソドックスな「船徳」でした。この人の「船徳」も楽しいですね。


この日の落語会はいずれの演者もレベルが高く、大変楽しく見ることができました。

権太楼師匠、さん喬師匠といった大看板も出演しておりますが、これからの時代を担う、といった勢いのある噺家さんが数多く出演されるので、見るたびに楽しみが増えてきています。

来月は、林家正蔵師匠、さ来月は、さん喬師匠、市馬師匠が出演されます。

伸び盛りの噺家さんの成長を目の当たりにできる、ということで、毎月楽しみになってきました。
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ビクター落語会 2007.7.28 その1

2010年07月31日 09時59分30秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。



ビクター落語会に行ってきました。

7月28日の夜席です。

以下は当夜のプログラムと私のつたない感想です。



①春風亭一左 「開口一番」


「つる」でした。

肝心の部分でしくじっておりました。

『首長鳥が松の枝に「つー」と来て「る」と留まった』

と話し、つじつまが合わなくなって、ご隠居にもう一度聞きなおしにいくはずが・・・

『首長鳥が松の枝に「つー」と来て「ぽい」と留まった』

あれ?合ってる・・・。

なのに、「間違えた」と、再びご隠居のところへ行ってしまいます。

この落語会に来るのは3回目ですが、開口一番の前座さん、みんな間違えますねえ・・・。

今日のこの前座さんは極め付き。オチにつながるところでしくじっては噺が台無しです。間違えたところで、なんとなくお客さんの反応もとまどいがあったように感じました。


②柳家三三 「夏泥」


今日はこの人がお目当て。

折りしもこの日は隅田川の花火大会当日。まくらではそのことに触れます。
「隅田川の花火大会というので、浴衣姿の人を多く見かけました。女性はいいんですが、男の方が、なんか病院から出てきたようで・・・。

もう、呼んできて着付けを手伝おうかと思ったぐらい・・・」

で、師匠ご本人はというと、両国で仕事のかけもちがあり、着物のまま行ったところ、そばにいたおばさんに

「あれじゃ、勝ち越せないわよねえ・・・」

相撲取りと間違われたそうで・・・。

夏泥、素晴らしい出来でした。次第に立場の逆転していく泥棒と泥棒に入られた長屋の住人がくっきりと演じ分けられていて楽しく聞けました。


③古今亭志ん輔 「宿屋の富」


私の中では、実はあまり高く評価していなかった噺家さんでした。

以前、テレビで見た「紙屑屋」があまりに型破りで、「ああ、これがこの人の芸風なのか」と、勝手に思い込んでおりました。なんか、芸のまずいところを派手な立ち回りでカバーしているような感じがしましてね・・・。

座布団の下から笛を取り出したり、踊りを踊り出したり・・・、若旦那を追いかける旦那との追いかけっこが急にスローモーションになったりと・・・。

ところが、いざ聞いてみるとなかなかどうして(失礼)、上手いですね。さすが故・志ん朝師匠のお弟子さんです。

正直、あまり好きな噺家さんではありませんが(失礼)、思い違いをしていたのに気づくことができました。

(長くなってしまいました。この日記も仲入りです)
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7月30日(金)のつぶやき

2010年07月31日 01時05分21秒 | なんとなくのつぶやき
11:45 from web
昔、歌手の新沼謙治さんにお会いする機会がありました。「ワタシも大船渡出身なんです!」と伝えると、新沼さん「大船渡のどちらですか?」と訊かれます。で、「○○(地名)です!」と話すと、「都会ですね」と新沼さん。新沼さんのご実家に比べると、いくらか街のほうに近いとはいえ、都会では・・。
12:34 from web
自分で見返すつもりもあって、これまでミクシィの日記に書いていた、折々に見た落語観戦記をgooブログのほうにまとめることにしました。http://bit.ly/bJYbeF  目下、作業中。 カテゴリー「なんとなくの落語」でまとめて見られます。
14:09 from web
ふとフランク・ジョーブ博士のことが気になって、ウィキペディアで調べたら、85歳だった。さすがに現役ではないでしょうね。なんか野球選手が手術する、というと、判で押したように、ならばジョーブ博士、というイメージだったので・・・。
20:57 from web
落語界というのがうれしい・・・。 @cokie002は影響力のある日本人ランキング908位でした。落語界に大きな影響力を持ち、16位の明石家さんまに一目置かれています。 http://shindanmaker.com/35994
21:02 from web
願わくば落語界のタニマチになり、柳家一門の稽古総見に顔を出し(んなものぁない!)、柳家三三師匠や柳家喬太郎師匠に祝儀を渡し、現・落語協会会長の柳家小三治師匠に「次の真打は誰にしようかね・・・」と話を向ける・・・。サウイフモノニワタシハナリタイ!
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ビクター落語会 2007.7.8

2010年07月30日 12時42分08秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。



港区・芝で定期的に催される落語会に行ってきました。


「ビクター落語会 ~蓄音機の犬~」


昼と夜の部があり、それぞれ違う演者が出演します。

本日は昼の部を観に行きました。


以下はプログラムと私のつたない感想を・・・。



①柳家ごん坊 開口一番「寿限無」


権太楼師匠のお弟子さんでしょう。子どもからおじいちゃんまで、もはや誰でも知っている「寿限無」をあえて演じておられました。

元気でよろしい。途中で間違えて、それを笑ってお客さんに素直に伝えるところもなんかよろしい。


②春風亭栄助 「花色木綿」


初めて見る噺家さんでした。まくらは手慣れていておもしろかったのですが、噺に移ってからやや中だるみしたように感じました。

端折る部分が多かったせいでしょうか。どうも展開が早すぎて、せっかくの笑える噺がちと散漫になりました。


③橘家文左衛門 「青菜」


番組表では柳家権太楼師匠の出番でしたが、文左衛門師匠が登場。

「権太楼師匠がまだいらしておりません・・・」

こういうハプニングがあるところも落語は楽しいですね。

まくらでは、とある料理屋さんに連れて行かれて、白魚の踊り食いを初体験したというお話を。

口に何とか入れて飲み込もうとしたら、むせてしまって1匹が鼻の中へ入って大騒ぎ・・・。

で、間髪をいれず「青菜」へと突入。その唐突さが面白いこと。

「青菜」も植木屋の軽さ具合がとても上手く演じられていて最後まで楽しめました。


④柳家権太楼 「お楽しみ」


「皿屋敷」でした。

遅れたことには一切触れず。相変わらずの権太楼ワールドです。

まくらで酒の小話をしておきながら、皿屋敷を。

「まくらで酒の話をしたから酒の噺でも演るんだろうな、なんて思っているんでしょうが演りません!(爆笑)」

で、さらりと「皿屋敷」を。

この日の夜の部は、権太楼師匠が「子別れ」を通しで演られるのでありました。


⑤古今亭菊之丞 「愛宕山」


本日の私のお目当てはこの方。

だいぶ前ですが、師匠の「干物箱」を朝日名人会で見たことがあります。以来、気になる噺家さんでありました。

タイプ的には小朝師匠を思わせます。芸に艶があります。

演じるのが難しい噺なのですが、師匠の得意ネタだけあって、登場人物がきちんと演じられています。


ただ、総じてお客さんの反応がいま一つでした。私は結構笑ったんですけどね・・・。


中入りで次回のチケットを売っていたので買い求めました。来月は柳家三三師匠、翌々月は林家正蔵師匠が出演します。こちらも楽しみですね。
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ビクター落語会 2007.4.28

2010年07月30日 12時36分15秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。



夜席のほうに行ってきました。

会場は、三田駅近くの仏教伝道センター。落語とはほとんど無縁の縦長の会議室に椅子を並べてある、といった風情のこじんまりとした会場で催されました。


以下、プログラムと感想を。


①柳家小ぞう「つる」(開口一番)


柳家さん喬師匠の9番弟子だそうです。元気のよい「つる」でした。

前座さんです。これからガンバレ!

途中、ご隠居さんの言葉と八つぁん(だったかな?)の言葉を間違えてしまったのはご愛嬌。でも、そこが一番ウケた、というのはちと寂しい。


②柳家さん喬「お楽しみ」


百川でした。

「百川」といえば、小三治師匠の名演が思い出される私ですが、さん喬師匠の「百川」もさすがです。

河岸の若い衆に呼ばれて返事をする百兵衛さんの「う~~、しぇっ!」。

勘違いして、つらそうに、くわいを丸呑みする百兵衛さん。

小三治師匠の演じる百兵衛さんより、高い声で、ひょうきんに演じておられました。


③橘家圓太郎「厩火事」


以前、「試し酒」を聞いたことがあります。いい噺家さんです。

持ち時間が決まっていたのでしょうか?ずいぶん長いマクラでした。

「厩火事」への導入部としてのマクラなんですが、「女の人はわからない」という話を長々と。ちと冗漫だったかな、と。

「厩火事」は素晴らしい出来でした。ただ、おさきさんの話をきく仲人さんが、もう少し軽く演じられてもよかったかな・・・(隣に座っている女の子、居眠りしてましたよ!)。


④柳家さん喬「お若伊之助」


私は、志ん朝師匠のCDで聞いたことがあるだけ。ですが、やはり、さん喬師匠は上手いですね。

志ん朝師匠の「お若伊之助」はいくぶん軽く演じておられたように感じましたが、さん喬師匠は、もっと重く、人情噺のように仕上げておられました。


演じる人によって、同じ噺でも、違う噺のように聞こえてくるから面白いですね。

2時間半で2,800円。楽しませていただきました。



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柳家小三治師匠@盛岡 2007.2.18

2010年07月30日 12時25分39秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。





本日、盛岡のおそば屋さん・東家が主催する「そば屋寄席新春特別会」に行ってきました。

東京近郊の独演会や落語会の回数には及びませんが、盛岡に住んでいて、有り難いのは、毎年この時期のこの落語会に、欠かさず小三治師匠が来てくださる、ということです。

チケットも比較的容易に入手でき、ちょっと早めに並ぶだけで、わずか3メートルの距離で小三治師匠の落語に接することが出来ます。

地方の小三治師匠ファンにはたまらない機会です。


今年は色物の出演者はおられず、オール落語。

出演者は以下の通りです。


①柳亭こみち 「やかん」


初めて見る演者です。二つ目、女性、美人です。
声もよく通り、上手いです。何度も高座にかけている噺なのでしょう。やかんの由来を語るご隠居が、やおら講釈師となり、講釈を始めるところも、見事でした。


②柳家はん治 「生簀の中の鯛」


新作ですね。料理屋の生簀に入れられた新入りの鯛と、開店以来、生簀から掬われず生き延びているという古参の鯛との話です。
話がおもしろいし、演じるはん治も、鯛の気持ちになって(?)見事に演じていました。今日一番笑った噺です。


③柳家〆治 「尻餅」


うーん。どうもテンポが悪くて話に入り込めませんでした。上手いんだけど、何か噺に乗り切れていない感じがしました。


④柳家小里ん 「黄金の大黒」


残念ながら最後のサゲまで行かず、途中で締めて高座を降りられました。
小里ん師匠、派手さはないけれど、いつもレベルの高い噺を聞かせてくれます。
もっとたっぷり聞きたかったのですが、お後の方にちと遠慮したんでしょうか。短くまとめてしまいました。


⑤柳家さん八 「辰巳の辻占」


がっかり。途中、花粉症なのでしょうか、鼻が出るのをさかんに気にしておられました。そのせいで、どうも噺が冗漫で、無駄な部分が多いように感じました。
鼻が出るいいわけを噺の中の人物に語らせるのですが、それもまた余計でしたね。


⑥柳家小三治 「芝浜」


短い「ま・く・ら」でした。

暖冬で、日本の土地土地が300キロ南に下ったような天候になっていること。
日本には「いろはにほへと」という美しい言葉があること。
教育の問題。

あまり脈絡のない話をしばし(ここで、観客の反応を見て、演る噺を決めようとしていたのかもしれません)。

昨年、盛岡で、柳家さん喬師匠の「芝浜」を聞いたので、比較しながら聞きました。

さん喬師匠よりと比べ、無駄を一切そぎ落とした「芝浜」という感じを受けました。

表現が難しいですね。さん喬師匠の「芝浜」が決して「無駄が多い」というわけではありません。

あくまでも夫婦に語らせることで、噺を構築していく、さん喬師匠。

かたや、小三治師匠は、ところどころ、演じながら噺を進めるのではなく、注釈を入れ、端折るところは端折り、噺の大事な部分を浮き彫りにさせていきます。

ただ、私自身は、さん喬師匠の「芝浜」と比べ、あまり噺に集中できませんでした(理由は後で触れます。ただ、噺の出来自体は素晴らしいもので、やはり小三治師匠は、小三治師匠でした)。


例年は、長い「ま・く・ら」とさらりとした噺(昨年は「一眼国」でした)、という感じで演じておられましたが、今年は久々の人情噺。

頻繁にお見受けするわけではありませんので、よくは存じませんが、久々に生で見る師匠は、体調がお悪いように見えました。

緞帳のない会場なので、以前はサゲの後、一言二言話しながら、お客さんの立ち上がるのを待って、高座を降りられたのですが、今年はサゲの後、すぐに楽屋へ戻っていかれました。

昨年9月に発売となった春風亭小朝師匠の本「いま、胎動する落語」でも、小朝師匠が、

「ベテランの師匠では、柳家小三治師匠もね、入船亭扇橋師匠もね、お体の調子、そんなにいいわけじゃないんですよね」

と話している個所があります。

噺の途中、師匠のお顔を見ながら、その言葉をふと思い出して、ちと心配になりました。

今回の「芝浜」は、体調が悪いので、「ま・く・ら」を短くしたい、という気持ちと、「それだとお客さんが納得しない」という気持ちから、演じられたものではないか、と考えるのは私の勝手な思い込みでしょうか?
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昇太・花緑二人会 2007.1.21

2010年07月30日 12時15分05秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。

で、とりあえずは2007年1月21日に岩手県一関市で行われた「昇太・花緑二人会」のワタクシの感想を・・・。




本日、一関文化センター・中ホールで行われた「春風亭昇太・柳家花緑二人会」に行って来ました。

盛岡でもなかなか得がたい機会なので、早々とチケットを入手しておりました。こじんまりとした会場で、お客さんの反応も良く、楽しい会でした。

以下、プログラムと個人的な感想を・・・。


台所鬼〆(だいどころ・おにしめ) 「初天神」


柳家花緑のお弟子さん、二つ目です。プログラムの略歴を見たら、師匠の花緑より一つ年上(!!)。

まくらでは、やや落ち着きがなかったけれど、話に入ったらなかなかのものでした。これからもガンバレ!


柳家花緑 「時そば」


一関での落語会は初めてなのでしょうか?長いまくらで、お客さんの反応を確かめながらの「時そば」でした。

でも、実はこういう誰もが知っている噺のほうがやりにくいはず。誰でもわかる噺だから、上手い下手がわかりやすいのです。でも、さすが花緑。上手いです。うどんのような太さのそばを、いかにもまずそうに食べるしぐさには笑いました。


鏡味正二郎 「太神楽」


曲芸です。初めて見る芸人さん。でも、芸は確かです。見ていて手に汗を握るような芸でした。


春風亭昇太 「権助魚」


いやあ、面白い!!「上手いのか、そうでないのか」と聞かれれば、「そうでない」と答えてしまう噺家さん(ファンの方、すみません)。

でも、「面白いのか、そうでないのか」と聞かれれば「とても面白い!」と即答してしまう。私から言わせてもらえば、そんな噺家さんです。

以前、NHK教育テレビの「日本の話芸」という番組で、「ちりとてちん」を演っていましたが、今日のまくらでも同じ話をしておりましたので、「あれ?ちりとてちん?」と思っていたら、「権助魚」。良かった・・・。



花緑、昇太ともまくらで触れていたのが「納豆」の話。タイムリーな話題で、会場は大笑いでした。

「納豆みたいに昔から食っているもんでやせるはずがない!(昇太)」

確かに・・・。



笑った後はそのまま盛岡へとんぼ返り。帰り道で、おそばの東家に立ち寄り、「ソースカツ丼」を食べました(好きなんです。ここのソースカツ丼)。

ふとお店の壁を見ると、今度は2月に盛岡で催される柳家小三治師匠の落語会のポスターを見つけました。

お勘定を済ませるのと一緒にチケットを買い求めたのは言うまでもありません。


毎月一回ぐらいでいいから、盛岡でもこうやって生の落語を見られる機会があればいいのにな・・・。
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7月29日(木)のつぶやき

2010年07月30日 01時16分04秒 | なんとなくのつぶやき
13:53 from web
唐突に思い出しました。以前、喬太郎師匠の「ちりとてちん」を聴いた時です。「ああ・・・、金さん、この前に唐辛子を入れるのを忘れていた(笑)」「いや、お客様には申し訳ないんだが・・・、きのう独演会があって疲れているんだ・・・(爆笑)」。リカバーの上手いこと!@sho_elephant
22:00 from web
テレビ岩手、午後9:56から9:58の間、放送事故?
23:24 from web
「秘密のケンミンSHOW」に大船渡の話題が出てきた。そうか、「おちつき」っていうんだ。あんこ餅とうどんが出てくるのは知っていたが、正式名称を知らなかった大船渡出身者です・・・(恥)。でも、「さくら音頭」は知らんぞ!大漁旗を持たされた記憶はあるが・・・。で、てんびらっこって・・・。
by cokie002 on Twitter
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7月28日(水)のつぶやき

2010年07月29日 01時02分31秒 | なんとなくのつぶやき
15:40 from web
きょうのお昼は盛岡市・萬花京で「冷やし坦々麺」。辛いのが得意ではないワタクシでも難なく食べられる辛さ、そして美味いこと!!こくのあるゴマだれ、きっちり冷やされた麺、ネギとチャーシューを刻み、豆板醤であえたトッピング、どれも独立した味わいがあり、食べ飽きません。ンマカッタ!!
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7月27日(火)のつぶやき

2010年07月28日 01時00分23秒 | なんとなくのつぶやき
17:09 from web
NHKの番組「COOL JAPAN」は麺の特集だった。アルジェリア人の蕎麦職人(キャリア17年!)が登場、「そばは胃にもたれない、食後に眠くならない」とのこと。へえ、と思って本日のお昼は盛岡市・直利庵で大もりを食べた。美味し!で、食後だが、たしかに眠くならない!
20:21 from web
きょうは昼に蕎麦を食べたせいか、睡魔におそわれずによかったわい、と帰宅し、夕食を食べ、ソファに座ったら、あっという間に眠りに落ちた。こらあ、昼の眠気が夕方に持ち越されただけのことだったのか・・・。
21:54 from web
盛岡市・東山堂本店にて川口雅幸・著「虹色ほたる 上・下」(アルファポリス文庫)購入。やれやれ、やっと買うふんぎりがついた。著者はワタクシと同郷の方だというのに・・・(ただし、面識なし)。それと、東山堂のYさん、三ツ割から本店へと異動されておりました。
by cokie002 on Twitter
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7月26日(月)のつぶやき

2010年07月27日 01時00分09秒 | なんとなくのつぶやき
09:55 from web
アル・ジャロウ入院、重篤な状態だという。もう70歳なんだなあ・・・。一日も早い回復を。 http://bit.ly/drILbX
14:17 from web
土用丑の日。盛岡市のそば屋、五合庵でお昼、もりそばとミニうな丼のセットで780円、というのをいただきました。「ずっとずっと保温してました」的なご飯がとても残念・・・。これでは、夜は夜で鰻を食べないと納得いきませぬ。
17:57 from web
しばらくご無沙汰していた飲み屋さん、お詫びついでに久々にお邪魔しようと思ったら、まったく違うお店に変わっていた・・・。ううう・・・、すみません・・・。いつまでもあると思うな馴染みのお店。
by cokie002 on Twitter
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7月25日(日)のつぶやき

2010年07月26日 00時44分52秒 | なんとなくのつぶやき
10:19 from web
いいですね、聴きたかったなあ・・・。でも、喬太郎師匠だからこそ、お客さんをひきつけることができたのでは・・・。その会場ならではのくすぐりを入れたりして、ライブ感を大事にしますもんね。 @sho_elephant 喬太郎独演会終演。 まさか双蝶々が聴けるとは…
by cokie002 on Twitter
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