なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

11・22ビクター落語会夜席@三田 2008.11.22 その4

2010年08月08日 23時08分39秒 | なんとなくの落語
引っ張りっぱなしですみません。これで最後です。


⑤柳家さん喬 「一人酒盛」


まくらでは酒に関する話をひとしきり。

小さん師匠が太平洋戦争で戦地に赴くとき、おかみさんと小さん師匠がそれぞれ断ち物をしたという話を。

おかみさんは酒が好きなので、酒を断ち、小さん師匠はたばこが好きなので、たばこを断つ。

戦争が終わり、小さん師匠が無事戦地から戻ってくると、好きなものが逆転していたという話。

小里ん師匠とさん八師匠が酒が強くて、店から閉店を促されても居座ったという話。


それと、

「あたくしなぞはしみったれですから、ビールを飲むと、

『すみません、ウーロンハイもらおうかな。体にいいっていうから・・・』

安いからです(笑)

『焼き鳥ちょうだい』

モツ焼きです。

で、これを口から入れたり出したり入れたり出したり・・・(笑)。

途中、醤油をつけたりしてまたなめて・・・(笑)。

『トマトスライスください』

『あら、ここにあるマヨネーズ、ただなの?』

もう、思いっきりつけて(笑)・・・。

『焼酎ちょうだ~い』

(だんだん酔っています)

『熱燗、2ほ~~~~ん!!』

(ベロベロです)

で、これぐらい飲んでお勘定が1,200円で済む・・・、

というお店を知りませんか?(爆笑)」


さて、一人酒盛。

難しい噺ですね。お酒につきあう相棒が時折出てくるものの、ほとんど一人語りで構成されている噺です。

なまなかな噺家が演ると、噺が中だるみしていくでしょう。

そこは、さん喬師匠のこと、丁寧に、時折くすぐりを入れながら、ぐいぐいと聴衆をひきつけていきます。

見ていて、思わず一杯飲みたくなって、喉が鳴りました。


さて、ビクター落語会、しばらくお休みとなるようです。

来年、2月28日から「三田落語会」と名前を変え、リニューアルします。

ただ、これまでのようなクオリティはそのまま。早くも来年の落語会のチケットを会場で売り出していましたので、早速買い求めました。


長々と拙い落語会ルポ(?)にお付き合い下さり、ありがとうございまます。
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11・22ビクター落語会夜席@三田 2008.11.22 その3

2010年08月08日 23時07分43秒 | なんとなくの落語
またまた続きです。


④瀧川鯉昇 「粗忽の釘」


仲入り後、再び鯉昇師匠が高座に上がります。

「これほど働くのも久しぶりです(笑)。

噺家として、今このへんにいるわけですが、(と、目の高さに手のひらをかざします。キャリアのことを指しています)、このへんまでは(頭の上に手のひらをかざします)仕事をしていたい。

なので、きょうは熱演はしません(爆笑)。


最近は体に気を遣っております。高血圧とメニエール病という病気がありますが、高血圧はまあまあ、普通どおりに生活をしていれば大丈夫だということで・・・。なので、話が受けないからと言って、がっくりすることもありません(笑)。

メニエール病、というのが、自分のまわりでセミの鳴き声が聞こえている、という症状がありまして・・・、

夏の間は別に気にならないのですが(笑)、秋になってもずっと蝉が鳴いているという。医者に診てもらったら、加齢によるもので、まあ仕方がないということで・・・、

これが、セミの鳴き声だけではなくて、まわりで子供の声が聞こえてくると、病気が進行してきたということで(笑)、さらには、その子供の姿が見えて、子どもと会話をし出すようになると、いよいよ重症だということです(笑)」

で、自分の師匠(七代目春風亭小柳枝)が粗忽でいろいろな逸話があった、という話から「粗忽の釘」を。

噺は引っ越し先の長屋がわからず、さんざ迷って長屋へ着いたところから。

私が聞いてきた「粗忽の釘」は、隣に打ち込んだ釘が仏壇の阿弥陀様ののどぼとけから出てくる、というものでしたが、鯉昇師匠は阿弥陀様の股ぐらから出てくる、という形をとっておりました。

「ああ・・・、おたくはあれですか、元気になるお宗旨ということで股ぐらから・・・(笑)」

最初に触れたように熱演ではなかったけれど(笑)、師匠ならではの「粗忽の釘」でした。


(すみません、長くなったので、もう1回)
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11・22ビクター落語会夜席@三田 2008.11.22 その2

2010年08月08日 23時06分28秒 | なんとなくの落語
続きです。


③瀧川鯉昇 「ねずみ」


険しそうな表情で高座に上がり、座布団に座り、丁寧に扇子と手ぬぐいをそろえて前に置き、深々とお辞儀をします。

顔をあげ、前のほうに少し近づくように座り直します。

すると、表情が一転、しばし、声も発さず、不意ににっこり。

一連のしぐさに、お客さんから、ほっとしたように笑い声が起こります。

相変わらず、いい雰囲気を持つ噺家さんですね。


「あたくしが生まれた遠州浜松から北へ30キロくらい離れた山から、最近、猿が街へ出てくるようになりまして・・・。

人のしぐさを見て覚えるようになったんでしょうね。道路を渡るときに横断歩道で、ひょいと手を挙げるようになりまして、

そのうち畑を荒らし、かぼちゃをかじり、被害を及ぼすというような・・・、で、この猿がまた学習をするようになりまして、

畑で作業をする人間が、かぼちゃを収穫して家へ持ち帰るのを見て、猿もかぼちゃを畑から持ち帰るようになる、

今度は人間が背中にかごをしょって、かぼちゃを持ち帰るのを見ておりまして、

今は山でかごを編んでいるという・・・(笑)、

なんでもかんでも人間の真似をする、というので、人間のほうでも観察しようと家の鍵穴から猿の様子をのぞこうとすると、今度は猿も鍵穴からのぞいておりました(笑)。

(中略)

500円硬貨が出始めたころの話ですが、カメラのフィルムケースに500円を貯金すると、ちょうど24枚入ります。

当時、ちょっと旅行でも、と箱根まで行こうとしますと、電車で片道で2500円ぐらい、さらに当時、箱根で1泊が5000円ぐらいしまして、

さらにお土産でも買おうか、となると、ちょうど12000円ぐらいになったという・・・、まあ、そういう時代で・・・。

これを聞いたやつが、どう聞き違えたんでしょうか、100円玉をフィルムケースに貯金しまして、これがちょうど26枚入る。

それで、箱根へ出かけたんですが、これがいまだに帰ってこない(笑)。


さて、「ねずみ」。以前、歌丸師匠の「ねずみ」を聴いたことがありましたが、歌丸師匠に教わったのでしょうか。セリフや展開もほぼ同じです。

ただ、その中で違ったのが、左甚五郎が宿屋を出るまで名を名乗らず、宿の主も名を訊くこともなかった、ということ。

これはそういう形なのか、あるいは師匠が忘れた(そんなはずはないですかね?)のか、

歌丸師匠の「ねずみ」では、宿帳に名前を書いてもらおうと、左甚五郎に名前を尋ね、素性が知れる、というくだりがありました。



(すみません、また続きます)
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11・22ビクター落語会夜席@三田 2008.1122 その1

2010年08月08日 23時04分24秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。




11月22日、三田の仏教伝道センターで行われたビクター落語会の夜席に行ってきました。

以下は演者、ネタとワタクシの拙い感想。


※おことわり

ワタクシ、今回はメモをとりながら聴きましたが、とはいえ、一部を抜粋してお伝えするため、多少編集しております。
このため、一字一句正確なものではなく、「ニュアンス的に、こういうことを言っていたのだな」とお考えいただければ幸いです。



①柳家小ぞう 開口一番「道具屋」


初めのほうはテンポが良かったのに、途中からペースダウンしたように感じました。

どこが詰まった、とかセリフを間違えた、とかいうものではなく、「間」がなんとなくしっくりいかなかったように思います。

道具屋に来る客の演じ分けが、もう少し丁寧でもよかったかな・・・。

でも、初めのほうはよかった。さらにがんばれ!


「何か抜けるものはないのか」

「お雛様の首が抜けます」

でサゲでした。


②柳家さん喬 お楽しみ


まくらでは結婚式の話を・・・。

「最近では結婚式で、2回お色直しをするようになりましたね。

あれは本当は一度だけするものなんですが・・・。

お嫁さんが、その家に嫁ぐときに

『わたくしはあなた様の家に入る前は、このように真っ白なままで参ります。後はあなた様のお家の色に染めて下さい』

ということで、白無垢の花嫁衣装を着ます。

そのあとで、お色直しがあり、

『このようにあなた様のお家の色に染まりました』

というわけでして・・・。

つまり、2回お色直しがある、ということは、一度その家の色に染まってから、さらに別な家の色に染まる、ということで・・・(笑)。

(中略)


私の師匠の小さんのおかみさん(夫人)が、一度階段から転げ落ちて大けがをしたことがあったんですが、それを聞いた志ん生師匠が、

志ん生『盛ちゃん、盛ちゃん(小さんの本名)、かみさん、どうだい?』

小さん『ええ、おかげさまで大丈夫です』

志ん生『ふうん・・・、うまくいかねえもんだな(笑)』

(中略)

結婚式の案内が来たら、私は会場がどこなのかを、真っ先に見ますね。

あのホテルなら料理がいくらかかりそうだな、引き出物がいくらだな、じゃ、お祝いはこのくらいかな、なんて・・・(笑)。

ですから、ホテルオークラで結婚式がある時は、『欠席』と書いて・・・(爆笑)。


噺は「松竹梅」でした。


まくらで結婚の話をしたのはこのためですね。

松竹梅、初めて聴きました。最近はあまり演る人がないのでしょうか。

2004年から2007年までの間に1195の噺を聴いたという、堀井憲一郎さんの「寄席・落語会でよく聴いた落語ダネ100」リストにも出てこない噺です。
(週刊文春「ホリイのずんずん調査」より)

さらに長井好弘氏・著の「新宿末広亭のネタ帳」(アスペクト)の中に出てくる「柳家さん喬のネタ」の章でも「松竹梅」はあまり頻繁に演じられていません。

(こちらは、2001~2007年の間に新宿末広亭でさん喬師匠が演じられたネタ、779席のデータを調べたものですが、そこでは12回しか演じられておりませんでした。1.5%ぐらいの確率ですね)

そういう意味では貴重な噺でした。

松・竹・梅の演じ分けも見事ですね。


(例のごとく長くなったので、次回へ)
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8月7日(土)のつぶやき

2010年08月08日 00時51分12秒 | なんとなくのつぶやき
11:12 from web
本日、岩手県盛岡市・姫神ホールで立川談春師匠の独演会、楽しみ!しかし、前日のきのうまで、この独演会CMがテレビで流れていたのが気になった。入りはどうなのだ?どうか、いい高座になりますように・・・。
21:20 from web
本日3時より、岩手県盛岡市、姫神ホールにて立川談春師匠独演会。いやあ、個人的には、近年にない素晴らしい落語会でした。①春太「元犬」②談春、長いまくらの後「粗忽の使者」、中入り後③談春「紺屋高尾」。「紺屋」の最後はウルウルきちゃいました。談春師匠の工夫なのかな、いい「紺屋」でした。
23:22 from web
落語会で周囲にいる人のふるまいが気になるときがある。きょうは両隣りが若い方だったが、とてもマナーのいい方で恵まれた。それも落語会が素晴らしく思えた一因かもしれない。個人的な経験だと、ご年配の方のほうがそうでないことが多い。噺の途中で飲み食いの音をたてたり、落ち着きがなかったり。
23:27 from web
大学生のころ、というから、もう25年近く前だが(恥)、それ以来の落語ファンだ。でも、当時見た落語がどれも印象に残っているか、というと、そうではない。やはり、落語はある程度歳をとらないとわからないことも多いと思う。志ん朝や初代三平、先代の馬生を見たが、細部はほとんど覚えていない。
by cokie002 on Twitter
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