なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

岩波書店「真景累ケ淵」

2010年08月01日 11時52分46秒 | なんとなくの落語
岩波書店から「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」の改版が出たので、買い求め、読み終えました。

三遊亭圓朝・作の落語です。

現在上映中の映画「怪談」の原作、ということもあり、本のほうも人気があるのでしょうね。この文庫本、2007年3月に改版が出ましたが、2007年6月には増刷となっています(2007年8月購入時点)。

落語のほうでは、六代目・三遊亭圓生師匠の名演が有名ですが、これまで聴く機会がなかったので、まず原作をと思い、文庫本を手に取りました。

怪談かと思いきや、意外とおどろおどろしいものは感じられません。

圓朝が口演したと思われる噺を文章に直していますので、時折出てくる、そういったおどろおどろしい部分も、われわれ読み手の想像力に任せ、さらりと描かれています。

むしろ怖いのは、幽霊よりも登場人物の非常さや冷酷さであります。


映画の方は、というと、「怪談」とタイトルにもある通り、原作をアレンジして、おどろおどろしい所を前面に描き出しているようです。

(すいません、映画見てませんけど・・・。HP「怪談」を見ての感想です)


長い噺なので、落語では、通しで演じられたものは残っていないですね。

圓生師匠が、「聖天山」まで。桂歌丸師匠が、多少割愛しているものの「お熊の懺悔」まで演じられています。

もっとも、この「真景累ヶ淵」は、後半は怪談というよりは、敵討ちの話になっているので、怪談として通しで演じるにも、まとまりがなくなってくるのかも知れません。

原作が落語なので、ほんの時折ですが、クスリとさせられるような言い回しもあります。

あらためて、この作品の登場人物の相関図を作ってみましたが、みんな、どっかで繋がっています。

(相関図を作ってみたら、見落としていた人が意外なところでつながっていて、面白いです)

因縁というのは恐ろしいものでございます。
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