なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

ぎんどろ寄席・夏の落語会@岩手県花巻市 その2

2010年08月29日 21時59分54秒 | なんとなくの落語
続きです。


③ 柳家さん喬 「幾代餅」

いつも通り、うつむき加減で高座に上がります。

縦じまの着物、薄いブルーの羽織という、涼しげないでたち。


まくらではワインの話。

「ワインというのは不思議な飲み物ですよね。ウェイターというのか、そういう方がいるのですが、ワインを注文するまで、一言も言葉を発しないんですね」

で、レストランでワインを注文するまでの仕草をずっと黙ったままで・・・。

この仕草がおかしくて、会場大うけ。

で、ワインを飲んで、一言、

「う~ん・・・、このワインはブルゴーニュの森の豚小屋の枯れ草の匂いだ(笑)」


お酒のまくらから「幾代餅」でした。


先日、談春師匠の「紺屋高尾」を聴きましたが、「紺屋高尾」、「幾代餅」とも、ほぼ話は同じ構成ですね。

ただ、紺屋高尾の久蔵は3年働いてお金を貯めますが、幾代餅の搗米屋の清蔵は1年で貯めます。

ということは、搗米屋のほうが、給金はいいのかな?


トリではないので、たっぷり、というわけにはいかなかったのでしょうが、それでもきっちりと噺のツボを押さえ、満足の「さん喬ワールド」でした。


ちと残念だったことが一つ。

幾代太夫が「今度いつ来てくんなますか?」という問いに、清蔵が「1年後に・・・」と答えるくだりで、女性の方が一人だけ手を叩いて大笑いしていました・・・。

まあ、笑いのポイントは人それぞれでしょうが、本来、ここは大笑いするところではありません。このへんが、落語を聴き慣れない地元のお客さんが多いと感じた一因です(すみません、上から目線で・・・)。

(さん喬師匠は、それに動じる風もなく、噺を続けておりました)


④ 三遊亭小円歌 三味線漫談

「『三味線漫談』を演る人は日本で二人しかいません。ということは世界で二人だけです(笑)」。

で、そのもう一人が玉川スミ師匠なんですよね・・・。なんか以前も小円歌師匠からこの話を聴いたことがありますが、玉川スミ師匠、まだまだお元気ですので、しばらくは2人のままでしょうね。

途中、噺家の出囃子を何曲か聴かせてくれました。

「出囃子、というのは噺家のテーマソングですが、今では500人ほどの噺家がいるので、曲がなくなっちゃった・・・。で、新しい方は外国の曲とか、そういうのを持ってきて演っています」


で、志ん生師匠の「一丁入り」、文楽師匠の「野崎」を。

最後に「踊りを」と、「かっぽれ」を踊り、トリへと引き継ぎます。


⑤ 三遊亭圓丈 「遥かなるたぬきうどん」


最近は古典も演る圓丈師匠、さて、今日は何を?

「三遊亭圓丈と申しまして・・・」

いつものごあいさつから、圓生名跡争奪の話を自ら。

「圓丈からテンテンを取ると、『えんしょう』になるんです(笑いと拍手)」

「圓窓にテンテンをつけると、『えんぞう』になるんです(笑)」

で、「鳳楽になると、テンテンをつけると『ぼうらく』になる(笑)」


で、最近のニュースから、

「86歳が59歳を刺した、という事件がありましたが、86歳というと、われわれのほうでは、彦六師匠が86歳で高座に上がっていました。そのころの彦六師匠、というと、まあ、元気がなかったです(笑)」

「(いうなれば)その彦六師匠に刺されたんです(笑)」

「楽屋から新宿・末広亭の高座に上がるには30センチの段差があって、そこを上がらなければならないんですが、彦六師匠はそこが上がれない、というので、その間に15センチの階段を作った。それでも上がれないんです(笑)。で、前座が『師匠、出番です』というので、支えてあげて、背中をぽおんと押す、その勢いで高座へ上がった・・・(笑)」

「その彦六師匠に刺されたんです(笑)」


さて、何を演るかと思ったら、「遥かなるたぬきうどん」。いいなあ・・・、いつでも攻めの高座ですね。


「がし!がし!」

繰り返し叫び、解説を加えながら噺を進めます。

足立区のうどん屋「長寿庵」に、マッターホルンから出前が入る。それを届けるために、マッターホルンの氷壁を登っていく長寿庵。

「ここで、不思議に思った方もいるでしょう。なぜ、こいつは扇子を二つ持っているのか・・・(爆笑)」


マッターホルンの氷壁をピッケルで登っていく様子を、扇子をピッケルに見立てて演じますが、ワタクシ、噺に夢中で、2本使っていたのを気がつかなかった・・・(笑)。

実はもう2本ある、というので、懐からさらに2本(爆笑)。


初めて聴きましたが、なんとも不思議な噺でしたね。この客層で、よく演じてくれました(感心・・・)。



長々とおつきあいいただきすみません。


この会場で、次回、12月9日の落語会のチケットを売り出しておりました。岩手出身の桂枝太郎をはじめ、桃月庵白酒、古今亭菊之丞、柳家喬太郎、立川志らく、というすんごい顔ぶれ。しかも驚くなかれ、2000円!!迷わず購入いたしました。
コメント (3)
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ぎんどろ寄席・夏の落語会@岩手県花巻市 その1

2010年08月29日 21時31分47秒 | なんとなくの落語
8月29日に、岩手県花巻市文化会館で行われた「ぎんどろ寄席・夏の落語会」に行ってきました。

以下は演者、ネタとワタクシの拙い解説・・・。


おことわり

ワタクシ、噺の間はメモをとっておりません。

このため、ここで書かれていることは一字一句正確なものではなく、「まあ、こんなニュアンスのことを言っていたのだな」といった感じで解釈していただければ幸いです。


① 開口一番 柳亭市也 「牛ほめ」


柳亭市馬師匠のお弟子さん、でも、きょうは市馬師匠のご出演がないので、柳家のどなたかが声をかけて連れてきたのでしょうか。

市馬師匠が教えたのかな?前座噺としては、よく聴く噺ですが、牛を褒める段になって、

「牛は総体ヒノキ造りでございます!(笑)」

聴いたことのないくすぐりだったので笑いました。


② 柳家花緑 「蜘蛛駕籠」

なんかお客様のレベル、というか、反応をさぐりながらの高座だったように思います。

個人的に感じたのは、この落語会、地元の方々が大半なのではないか、ということ。

ワタクシのように、落語が好きで、近隣の市や町からきている方もいるのでしょうが、そう多くはなさそうです。

そのため、この日のお客様は、落語に関しては、それほど聴き慣れていないのでは、と思っていました。


そんな中、まくらでは、祖父・小さん(五代目)が携帯電話を持った、という話を。


五代目・小さんの誕生日に何か贈ろうと、弟子たちが集まり、当時、出始めた、という携帯電話を贈ることにしました。

でも、小さんに電話するのは恐れ多い、という人ばかり・・・、なかなか電話がかかってきません。

ということで、試しに、と、鈴々舎馬風師匠が代表して、小さん師匠に電話します。


小さん師匠は寄席の仕事を終え、弟子を集めて、中華料理屋で打ち上げの最中でした。

携帯電話が鳴り、弟子が電話を取り、小さんに渡します。

「もしもし・・・、おお!馬風か!うん・・・、うん・・・、うん・・・」

電話を切り、小さん師匠が、

「馬風から電話だった。しかし、あいつ、よくここにいるのがわかったな・・・(笑)」


で、蜘蛛駕籠。

長いまくらの後の、小気味のいい「蜘蛛駕籠」でした。


(続きます)


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8月28日(土)のつぶやき

2010年08月29日 00時43分09秒 | なんとなくのつぶやき
10:05 from web
エビちゃんは結婚して「エビちゃん」でなくなるそうだ。「荻原なのでこれからは『オギちゃん』で!」http://bit.ly/dnA7Z9  ということは、エビちゃんは夫婦別姓支持派ではない。千葉景子法相や福島瑞穂さんや野田聖子さんはわかりましたか?
10:29 from web
土曜日、当番なので出勤日。「きのうも飲みすぎた」とのたまう上司は10時現在、腕を組み、目をつぶり、とても静かに瞑想なう。
10:30 from web
あ、起きた。
14:02 from web
刑罰の一つとして、携帯電話を取り上げる、てのはどうだろう?万引きや自転車泥棒とか、若い年代が起こしがちな犯罪に対して適用し、携帯電話会社にも情報が通知され、その期間、新しく携帯を持つことはできない。けっこう効果的なような気が・・・。歩きながら携帯いじる人を見ていて、ふと考えた。
14:10 from web
卓球で、ボールを打つ時、下から上へボールをこすりあげるように打ち、前進回転をかける「ドライブ」という打法がある。これを改良し、より無駄のないフォームにすれば、疲労も少なく、無駄な二酸化炭素を排出することもない。で、われわれ卓球愛好家はこのドライブを「エコ・ドライブ」と名付けた。
14:11 from web
さらに、この「エコ・ドライブ」で得点をあげると、われわれ卓球愛好家は、これを「エコ・ポイント」と呼んでいる(嘘です)。
14:17 from web
いいですね。傍から見て悪いことしたのがすぐわかる(笑)。「あ!あの子、万引きしたんだ」なんて・・・。 @sawayahonten 代わりに公衆電話持たせたりなんかして。 RT @cokie002 刑罰の一つとして、携帯電話を取り上げる、てのはどうだろう?
by cokie002 on Twitter
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