続きです。
③ 柳家さん喬 「幾代餅」
いつも通り、うつむき加減で高座に上がります。
縦じまの着物、薄いブルーの羽織という、涼しげないでたち。
まくらではワインの話。
「ワインというのは不思議な飲み物ですよね。ウェイターというのか、そういう方がいるのですが、ワインを注文するまで、一言も言葉を発しないんですね」
で、レストランでワインを注文するまでの仕草をずっと黙ったままで・・・。
この仕草がおかしくて、会場大うけ。
で、ワインを飲んで、一言、
「う~ん・・・、このワインはブルゴーニュの森の豚小屋の枯れ草の匂いだ(笑)」
お酒のまくらから「幾代餅」でした。
先日、談春師匠の「紺屋高尾」を聴きましたが、「紺屋高尾」、「幾代餅」とも、ほぼ話は同じ構成ですね。
ただ、紺屋高尾の久蔵は3年働いてお金を貯めますが、幾代餅の搗米屋の清蔵は1年で貯めます。
ということは、搗米屋のほうが、給金はいいのかな?
トリではないので、たっぷり、というわけにはいかなかったのでしょうが、それでもきっちりと噺のツボを押さえ、満足の「さん喬ワールド」でした。
ちと残念だったことが一つ。
幾代太夫が「今度いつ来てくんなますか?」という問いに、清蔵が「1年後に・・・」と答えるくだりで、女性の方が一人だけ手を叩いて大笑いしていました・・・。
まあ、笑いのポイントは人それぞれでしょうが、本来、ここは大笑いするところではありません。このへんが、落語を聴き慣れない地元のお客さんが多いと感じた一因です(すみません、上から目線で・・・)。
(さん喬師匠は、それに動じる風もなく、噺を続けておりました)
④ 三遊亭小円歌 三味線漫談
「『三味線漫談』を演る人は日本で二人しかいません。ということは世界で二人だけです(笑)」。
で、そのもう一人が玉川スミ師匠なんですよね・・・。なんか以前も小円歌師匠からこの話を聴いたことがありますが、玉川スミ師匠、まだまだお元気ですので、しばらくは2人のままでしょうね。
途中、噺家の出囃子を何曲か聴かせてくれました。
「出囃子、というのは噺家のテーマソングですが、今では500人ほどの噺家がいるので、曲がなくなっちゃった・・・。で、新しい方は外国の曲とか、そういうのを持ってきて演っています」
で、志ん生師匠の「一丁入り」、文楽師匠の「野崎」を。
最後に「踊りを」と、「かっぽれ」を踊り、トリへと引き継ぎます。
⑤ 三遊亭圓丈 「遥かなるたぬきうどん」
最近は古典も演る圓丈師匠、さて、今日は何を?
「三遊亭圓丈と申しまして・・・」
いつものごあいさつから、圓生名跡争奪の話を自ら。
「圓丈からテンテンを取ると、『えんしょう』になるんです(笑いと拍手)」
「圓窓にテンテンをつけると、『えんぞう』になるんです(笑)」
で、「鳳楽になると、テンテンをつけると『ぼうらく』になる(笑)」
で、最近のニュースから、
「86歳が59歳を刺した、という事件がありましたが、86歳というと、われわれのほうでは、彦六師匠が86歳で高座に上がっていました。そのころの彦六師匠、というと、まあ、元気がなかったです(笑)」
「(いうなれば)その彦六師匠に刺されたんです(笑)」
「楽屋から新宿・末広亭の高座に上がるには30センチの段差があって、そこを上がらなければならないんですが、彦六師匠はそこが上がれない、というので、その間に15センチの階段を作った。それでも上がれないんです(笑)。で、前座が『師匠、出番です』というので、支えてあげて、背中をぽおんと押す、その勢いで高座へ上がった・・・(笑)」
「その彦六師匠に刺されたんです(笑)」
さて、何を演るかと思ったら、「遥かなるたぬきうどん」。いいなあ・・・、いつでも攻めの高座ですね。
「がし!がし!」
繰り返し叫び、解説を加えながら噺を進めます。
足立区のうどん屋「長寿庵」に、マッターホルンから出前が入る。それを届けるために、マッターホルンの氷壁を登っていく長寿庵。
「ここで、不思議に思った方もいるでしょう。なぜ、こいつは扇子を二つ持っているのか・・・(爆笑)」
マッターホルンの氷壁をピッケルで登っていく様子を、扇子をピッケルに見立てて演じますが、ワタクシ、噺に夢中で、2本使っていたのを気がつかなかった・・・(笑)。
実はもう2本ある、というので、懐からさらに2本(爆笑)。
初めて聴きましたが、なんとも不思議な噺でしたね。この客層で、よく演じてくれました(感心・・・)。
長々とおつきあいいただきすみません。
この会場で、次回、12月9日の落語会のチケットを売り出しておりました。岩手出身の桂枝太郎をはじめ、桃月庵白酒、古今亭菊之丞、柳家喬太郎、立川志らく、というすんごい顔ぶれ。しかも驚くなかれ、2000円!!迷わず購入いたしました。
③ 柳家さん喬 「幾代餅」
いつも通り、うつむき加減で高座に上がります。
縦じまの着物、薄いブルーの羽織という、涼しげないでたち。
まくらではワインの話。
「ワインというのは不思議な飲み物ですよね。ウェイターというのか、そういう方がいるのですが、ワインを注文するまで、一言も言葉を発しないんですね」
で、レストランでワインを注文するまでの仕草をずっと黙ったままで・・・。
この仕草がおかしくて、会場大うけ。
で、ワインを飲んで、一言、
「う~ん・・・、このワインはブルゴーニュの森の豚小屋の枯れ草の匂いだ(笑)」
お酒のまくらから「幾代餅」でした。
先日、談春師匠の「紺屋高尾」を聴きましたが、「紺屋高尾」、「幾代餅」とも、ほぼ話は同じ構成ですね。
ただ、紺屋高尾の久蔵は3年働いてお金を貯めますが、幾代餅の搗米屋の清蔵は1年で貯めます。
ということは、搗米屋のほうが、給金はいいのかな?
トリではないので、たっぷり、というわけにはいかなかったのでしょうが、それでもきっちりと噺のツボを押さえ、満足の「さん喬ワールド」でした。
ちと残念だったことが一つ。
幾代太夫が「今度いつ来てくんなますか?」という問いに、清蔵が「1年後に・・・」と答えるくだりで、女性の方が一人だけ手を叩いて大笑いしていました・・・。
まあ、笑いのポイントは人それぞれでしょうが、本来、ここは大笑いするところではありません。このへんが、落語を聴き慣れない地元のお客さんが多いと感じた一因です(すみません、上から目線で・・・)。
(さん喬師匠は、それに動じる風もなく、噺を続けておりました)
④ 三遊亭小円歌 三味線漫談
「『三味線漫談』を演る人は日本で二人しかいません。ということは世界で二人だけです(笑)」。
で、そのもう一人が玉川スミ師匠なんですよね・・・。なんか以前も小円歌師匠からこの話を聴いたことがありますが、玉川スミ師匠、まだまだお元気ですので、しばらくは2人のままでしょうね。
途中、噺家の出囃子を何曲か聴かせてくれました。
「出囃子、というのは噺家のテーマソングですが、今では500人ほどの噺家がいるので、曲がなくなっちゃった・・・。で、新しい方は外国の曲とか、そういうのを持ってきて演っています」
で、志ん生師匠の「一丁入り」、文楽師匠の「野崎」を。
最後に「踊りを」と、「かっぽれ」を踊り、トリへと引き継ぎます。
⑤ 三遊亭圓丈 「遥かなるたぬきうどん」
最近は古典も演る圓丈師匠、さて、今日は何を?
「三遊亭圓丈と申しまして・・・」
いつものごあいさつから、圓生名跡争奪の話を自ら。
「圓丈からテンテンを取ると、『えんしょう』になるんです(笑いと拍手)」
「圓窓にテンテンをつけると、『えんぞう』になるんです(笑)」
で、「鳳楽になると、テンテンをつけると『ぼうらく』になる(笑)」
で、最近のニュースから、
「86歳が59歳を刺した、という事件がありましたが、86歳というと、われわれのほうでは、彦六師匠が86歳で高座に上がっていました。そのころの彦六師匠、というと、まあ、元気がなかったです(笑)」
「(いうなれば)その彦六師匠に刺されたんです(笑)」
「楽屋から新宿・末広亭の高座に上がるには30センチの段差があって、そこを上がらなければならないんですが、彦六師匠はそこが上がれない、というので、その間に15センチの階段を作った。それでも上がれないんです(笑)。で、前座が『師匠、出番です』というので、支えてあげて、背中をぽおんと押す、その勢いで高座へ上がった・・・(笑)」
「その彦六師匠に刺されたんです(笑)」
さて、何を演るかと思ったら、「遥かなるたぬきうどん」。いいなあ・・・、いつでも攻めの高座ですね。
「がし!がし!」
繰り返し叫び、解説を加えながら噺を進めます。
足立区のうどん屋「長寿庵」に、マッターホルンから出前が入る。それを届けるために、マッターホルンの氷壁を登っていく長寿庵。
「ここで、不思議に思った方もいるでしょう。なぜ、こいつは扇子を二つ持っているのか・・・(爆笑)」
マッターホルンの氷壁をピッケルで登っていく様子を、扇子をピッケルに見立てて演じますが、ワタクシ、噺に夢中で、2本使っていたのを気がつかなかった・・・(笑)。
実はもう2本ある、というので、懐からさらに2本(爆笑)。
初めて聴きましたが、なんとも不思議な噺でしたね。この客層で、よく演じてくれました(感心・・・)。
長々とおつきあいいただきすみません。
この会場で、次回、12月9日の落語会のチケットを売り出しておりました。岩手出身の桂枝太郎をはじめ、桃月庵白酒、古今亭菊之丞、柳家喬太郎、立川志らく、というすんごい顔ぶれ。しかも驚くなかれ、2000円!!迷わず購入いたしました。
岩手、落語、寄席などのキーワードで検索して出てきたこの日記を拝見させていただきました。
やはり、岩手では落語寄席が少ないと思いますが、近いうちに県内で開かれる寄席をご存知でしたら教えて下さい。
宜しくお願いします。
春風亭昇太師匠、春風亭一之輔さん、桃月庵白酒師匠、ぴろき、という顔ぶれです。
やはり生の落語会が一番なので、ぜひ行ってみてください。
コメントをいただいた時は名古屋に出張中でして、翌11日に震災がありました。
田園寄席、たぶん今回は中止だと思いますが、チェックしてみます。
個人的には、歌丸師匠の4/27仙台電力ホールの独演会のチケットを買っていましたが、7月に延期されたようです。