なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

日々のよしなしごとをそこはかとなく書きつくります。

12・27三人集~市馬・談春・三三~落語会夜席  2008.12.27 その3

2010年08月09日 21時53分14秒 | なんとなくの落語
またまた続きです。


④、⑥柳家三三 「鼠小僧 蜆売り(上)(下)」


間に立川談春師匠をはさんでの長講です。

「蜆売り」というと、ワタクシの頭に浮かびますのは、立川志の輔師匠のCD「らくごのごらく3 みどりの窓口/しじみ売り」。

しかしながら、志の輔師匠の「しじみ売り」とはまったくの別ものでありました。


後でネットで調べると、志ん生師匠がこの噺を演っていますね。

ただ、終演後、たまたま他のお客さんが、

「(講談の宝井)琴柳先生あたりから教わったんじゃないのかな?」

なんて会話を交わしているのが聞こえてきて、なるほどそうかもな、と感じました。



青いもうせん、屏風もなく青い背景の中、青い羽織の三三師匠、

青づくめの高座で、まくらもそこそこに噺にずんずん入っていきます。

とはいえ、次郎吉を訪ねてきた縄抜けの男に、

「長い間、歌ぁ聞かせて悪かったな(笑)」

市馬師匠の歌や、談春師匠の「棒鱈」の侍の歌の後だったので、会場は大笑い。

口上では「覚えてない」と紹介された噺でしたが、どうしてどうして・・・。


今、乗りに乗っている噺家の一人でしょうね。

若いのに(34歳)、次郎吉の貫禄がきちんと出ています。

たちどころに噺に引き込まれてしまいました。


この日は、昼の部で「双蝶々」を演じ、夜の部は「蜆売り」。

どちらも聴きたかったけど、残念ながらチケットが取れませんでした。

師匠の小三治師匠同様、今、チケットが取りにくい噺家の一人ですが、今後も追いかけていきたいですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12・27三人集~市馬・談春・三三~落語会夜席 2008.12.27 その2

2010年08月09日 21時52分17秒 | なんとなくの落語
続きです。


③柳亭市馬 「掛け取り2008」


古典の「掛け取り」をもとに、市馬師匠が新作に仕立てております。

途中までは、まったく古典の「掛け取り」のまんま。

大みそかに借金取りに払う金がない夫婦、一計を案じ、借金取りの機嫌を取り、支払いを待ってもらうように仕向けます。

狂歌が好きな借金取りには狂歌で言い訳を、

相撲が好きな借金取りには力士の名前や甚句を使って言い訳を、

歌舞伎が好きな借金取りには歌舞伎で言い訳を、

喧嘩が好きな借金取りには喧嘩腰で言い訳を、

ここまでは古典のままです。


さて、市馬師匠、ここで「松岡のだんな」を引っ張り出します。

一度、高座を降り、再度出てくると、「松岡のだんな」こと、立川談志の物真似を始めます。

上手いんだ、これが・・・。


で、談志師匠のリクエストの体で、懐メロのオンパレード。

もう、このあたりはしっちゃかめっちゃか・・・。

落語なんだか、歌のリサイタルなんだかわからなくなりました。

(結局歌いたかっただけなのね・・・)


⑤立川談春 お楽しみ


※三三師匠の④が抜けておりますが、⑥と続いておりますので、最後にご紹介します。


黒紋付きで高座へ。

まくらでは、市馬師匠の高座に触れます。

「終わってから楽屋で市馬師匠に聞いたら、今年は市馬師匠はもう仕事がないそうで・・・、

あたしももう仕事がないので、これが話し納めになりますが、市馬師匠がね・・・、

『話し納めには十分だけど、歌い納めにはまだ足りない』って(笑)・・・。

『しかし、お客さまも好きだね~~~』だって・・・(笑)

『寝床』みたい・・・(笑)」


さて、噺は「棒鱈」でした。


噺は隣の部屋の江戸っ子二人が芸者を呼び、それを待ちながら二人で会話をしているところから・・・。

田舎侍の描き方が見事です。

普通、この侍は、だれが演っても面白いのですが、談春師匠の演じる田舎侍が、また輪をかけて面白い。

この侍の相手をする芸者の脇に、ミーちゃん、ハーちゃんという見習い芸者が座っているのですが、田舎侍が何かするたびに、

「ね、勉強になるでしょう~」(笑)

と二人に話しかけるのが効いていました。


侍「おいどんは『あかびろびろのしょうゆづけ』たい!」

芸者「なんですか?『あかびろびろのしょうゆづけ』って?」

侍「『まぐろのさすむ』たい!」

芸者「ね、勉強になるでしょう~(笑)」


誰が演っても笑える噺ですが、その中でも出色の出来でした。



(またまた続きます)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12・27三人集~市馬・談春・三三~落語会夜席  2008.12.27 その1

2010年08月09日 21時51分08秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。


12月27日、有楽町のよみうりホールで行われた落語会、「三人集~市馬・談春・三三~」の夜席へ行ってまいりました。

以下は演者、ネタとワタクシの拙い感想。


①口上


幕が開いたら、三人が揃い踏みしております。

後ろには大きな老松の書き割り、

右から、談春師匠、市馬師匠、三三師匠、という並び。

三三師匠が口火を切り、談春師匠、市馬師匠と口上が続きます。


でも、口上、というよりは、談春師匠が頻繁に茶々を入れ、フリートーク状態。

まずは型通りの挨拶をする三三師匠に続き、談春師匠が、

「柳亭市馬師匠、改め、七代目柳家小さん師匠が一言申し上げます・・・(爆笑)」

あわてて市馬師匠、「孫(花緑のこと)のほうがいい!」と言い返します。

談春師匠「では、11代目柳家小三治が・・・(爆笑)」

こちらもあわてて三三師匠が、

「お願いだから『2ちゃんねる』なんかに書かないように(笑)」

「大丈夫、小三治師匠は『2ちゃんねる』なんか見ません(笑)」

という談春師匠に対し、

「いえ、最近、小三治師匠は見るんですよ。NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』に出てから『2ちゃんねる』を見出したんです」

という三三師匠。

どんどん話が脱線してまいります・・・。


談春師匠「秋に『三人集』の1回目を演りました。先のことも考えず、やれるだけやってみよう、ということで始めました。

満席になるかどうか、よみうりホールでやってみよう、ということで今回の落語会となりました。

ただ、昼はよかったんですが、三人とも夜の部はダメで・・・(笑)、

三三師匠は『覚えてない』(笑)

市馬師匠は『(新作なのに)作ってない』(笑)

あたしは忘れちゃった・・・(笑)」


さんざん談春師匠がかき回した後、市馬師匠が綺麗にまとめ、噺の幕あきとなりました。


(高座からお客さまに話しかけるとき、市馬師匠、『棚からではございますが・・・』と話したのに談春師匠が反応しました。

てっきり言い間違えたと思ったらしい・・・。

で、市馬師匠が、「いや、高座のことを『棚』と言うんです」と言うのに驚いています。

「初めて知った・・・(笑)。あの木へんの?『棚』っていう字?」

脇で三三師匠が「知ってますよ」という風にうなずいています。このへんが、寄席経験のない立川流のウィーク・ポイントでしょうか)



②立川談春 「除夜の鐘」


さて・・・、

申し訳ありません・・・。

ワタクシ、ここで寝てしまいました。

連日続いた飲み会の疲れと、談春師匠の演出で会場の明かりが落ちたのが災いし、すっかり熟睡・・・。

気がついた時には噺が終わっておりました(恥)。

談春師匠の著書「赤めだか」では、桂米朝師匠に教わった、という一節がありましたが、気づいたら後の祭りです。


(気まずいまま次回へ続きます)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12・13柳家小三治独演会@笹川記念会館  2008.12.13 その3

2010年08月09日 21時49分41秒 | なんとなくの落語
またまた続きです。


④柳家そのじ 「三味線」


高座では「太田その」と名乗っておりました。

お囃子さんです。

はじめにメドレーで、お囃子の有名なところを。

そのあと、「長崎ぶらぶら節」

美声ですね。

「せつほんかいな」

越後の民謡「十日町小唄」

「木遣りくずし」

そして最後に「奴さん」と、その替え歌の「赤穂浪士」を。

初めて聴きましたが、なんかこういう落語会で、お囃子さんの歌、というのもいいですね。


⑤柳家小三治


初天神では黒紋付きでしたが、トリでは淡いブルーの羽織を着ておりました。

まくらでは、先ほどの柳家そのじさんについて。

「噺家になって、もう50年になります。

数日したら、もう69歳になりますから、ちょうど50年ですが、

(12月17日がお誕生日ですね)

その頃のお囃子さんは、40代はいませんでした。

50代もあぶない、

失礼ですから、女性に歳なんか、訊いたことがないですけれど・・・。

その頃69歳の噺家がいたら・・・、

人間もああなっちゃ、おしまいかな、と思いましたよ(笑)。


高座では太田その、と言っていましたが、「そのじ」という、寄席の名前をあげました。

お囃子にしておきたくなかった。

ただ、本人がとても恥ずかしがり屋で、人の前に出られない、という・・・。

もともと、落語が好きで、日本舞踊の名取で、東京芸大を出まして、

これからも何かの際に引っ張り出します。時々ご覧になって、『ああ、良くなったな』と感じていただければ、本人も励みになります」


で、「しみったれ」の小噺から「味噌蔵」を。


番頭さんの「どがちゃが、どがちゃが」、権助の「少年老い易く・・・」で大笑いです。

ただ、個人的には出来は今一つかな、と感じました。

「味噌蔵」はCDで聴いたことがありますが、そちらのほうがまとまっていたように思います。

この日は前半、ちょっとまとまりがなかったように感じてしまいました。

(すみません、生意気な意見で・・・)


この会場は、緞帳がないせいで、噺が終わって、小三治師匠が上を指差したあと、指でバッテンを作りながらお辞儀をしておりました。


なんで、会場が笹川記念会館だったのでしょうね?

途中、椅子が固いせいで、お尻が痛くなってきて、噺に集中できなかったのも、小三治師匠の評が辛くなった一因かもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12・13柳家小三治独演会@笹川記念会館 2008.12.13 その2

2010年08月09日 21時47分58秒 | なんとなくの落語
さて、続きです。


③柳家小三治


高座に上がる前に足を止め、天井を見回しております。

座ってからの第一声、

「不思議な所へようこそ(笑)」

確かに落語会の会場として、笹川記念会館はあまり馴染みがありません。

「本日の議題は・・・、

来年のモーターボート協会はどうあるべきか(笑)」

ここで、脇にある湯呑の漢方薬を一口すすります。

と、途端に吹き出す師匠。

「いえ、そちらからどう見えるのかわかりませんが、こちらから見るとですね・・・、

お客様の席がすごく区切られていて・・・、

こういう駅弁があったような・・・(笑)」

「入口もですね・・・、入口らしくないんですよ。

怪しいですね・・・。

どうします?(笑)」


さて、ここから「『小児は白き糸の如し』と申します・・・」と、噺に入ります。

「初天神」でした。


何度か聴いたことがあるのに、師匠は決して同じようには演じませんね。

この日も発見がありました。

この日の初天神は、

「かかあが悪いんだ。俺が羽織を出せと言ったらすぐに出さねえから・・・」

金坊に何かねだられるたびに、このセリフを反復するお父つぁん、

そのセリフが効果的で笑ってしまいます。


蜜のだんごを持って、

「あ・あ・あ・あ・・・。水みてえな蜜だな・・・。『情けねえ蜜』だ・・・」

「情けねえ蜜」という言い回しがおかしかった・・・。


「こんなことならお父つぁんを連れてくるんじゃなかった」で、サゲでした。



(続きます)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12・13柳家小三治独演会@笹川記念会館 2008.12.13 その1

2010年08月09日 21時46分18秒 | なんとなくの落語
昔、ミクシィにせっせと落語鑑賞記を書いていたことがありました。

ミクシィの日記だと、ジャンルごとにまとめられないこともあり、こちらに転記してみます。


古いものもあるので、ここに書かれていることは、現在の印象とは違っているかもしれませんが、まあ、そこはお許しを願って・・・。



12月13日、三田の笹川記念会館(!)で行われた「第15回らくだ亭・柳家小三治独演会」に行ってきました。

以下はネタ、演者とワタクシの拙い感想。


今回は、開演前にいただいたプログラムには当日のネタが一切書かれておりませんでした。

つまりオール「お楽しみ」。

とりわけ小三治師匠は独演会だけあって、この日は2席、ワタクシ、勝手に「睨み返し」「二番煎じ」の2席を思い浮かべました。

さて、結果は・・・。


①柳家ろべえ 「元犬」


二つ目です。柳家喜多八師匠の弟子で、小三治師匠からすると、孫弟子ですね。

「携帯電話の電源をお切りください」

後から出演される小三治師匠を気遣ってのことでしょうか。一言ではすまさず、高座からしきりにお願いをしていました。

「こうして見ると、前のほうのお客様は携帯の電源を切って下さるんですが、後ろのほうのお客様があまり携帯を取り出してくれませんね」

「(扇子を半分開いて)これが携帯だとしますと、このへんに電源がありますから、ここを長押ししますと切れます・・・」

しきりにお願いしたせいで、この日は、噺の間、一度も携帯が鳴ることはありませんでした。


さて、噺は元犬でした。

元気のいい元犬ですね。

人間になった裸のシロに羽織を着せようとする口入屋さんが、

「なに?羽織を着たことがない?」

「前座さんみたいな人だな・・・」

笑った・・・。

それと、犬の鳴き声が見事でした。


②柳家三之助 「棒鱈」


「落語は200年からの伝統がありますが、その伝統の一つに『お目当ては最初から出てこない』というのがありまして・・・」

どうもこの日のお客さんは(もちろんワタクシもその一人ですが・・・)、笑いが固いように感じました。

そうした雰囲気をほぐそうということなのでしょうが、三之助さんのまくらも、お上品な感じがして、なかなか笑いにつながりません。

さて、ちと固い雰囲気のまま、噺は棒鱈。

演じ分けの難しい噺ですが、素晴らしい出来でした。

得意な噺なのでしょうか。熱演でしたね。

噺が終わり、ワタクシの周囲のお客さんからも「うまくなったね」という言葉も聞かれました。同感ですね。


(さて、相も変わらず長くなったので次回へ続きます)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月8日(日)のつぶやき

2010年08月09日 00時50分37秒 | なんとなくのつぶやき
17:22 from web
そんな、ペーペーなんてご謙遜を・・・。それと、お隣の方、残念でしたね。@saketekaikyo85 昨日の談春やはり凄かったです。自分のようなぺーぺーでも伝わりました。ちなみに私の隣りの方は、三方ヶ原の合戦後の家康ばりに足を反対の膝にのせてゲへゲへ笑う方でした・・・。
17:26 from web
最後の3点は「泣きっ面にハチ」・・・。@sensuido 校名だけがハチでなくイチだったのだなあRT @shidho: ハチが校章で、8点取って8度目の甲子園決めた学校が、8日の初戦でまず8点取られて、8回にも追加点取られて負けちゃうとは、なんともハチ絡みな戦いだったのだなあ。
18:16 from web
主催者ではありませんが、遠いところからようこそでした。談春師匠、あんなにすごいとは思いませんでした(感涙)。きょうは秋田ですか、すごいなあ・・・。いい高座になりますように。@sho_elephant 昨日の談春さん、良かったですね。
21:13 from web
きのうの岩手での立川談春独演会。仲入り後の出囃子が違っていたような気がして調べてみた。談春師匠の出囃子は通常「鞍馬」だが、仲入り後は「中の舞」。「中の舞」は、トリの時に使われる出囃子ということだった。納得。やれやれ、今になって、ようやく気がついた。つくづく凡庸な落語ファンだ。
21:25 from web
「後悔などしていない。奪った人命より多くの人命を救ったことを確信している。あの兵器を所有していながら使わずに(日本本土上陸で)100万の人間を死なせていたら、道徳的な過ちになっていただろう」ポール・ティベッツのことば(抜粋)。「エノラ・ゲイ」の機長として、広島に原爆を投下した。
by cokie002 on Twitter
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする