What A Wonderful World

毎日の暮らしの中で、心惹かれたことを語ります。

生きていく貴女に。

2006年05月29日 10時37分12秒 | 
 1994年ベネッセ出版の「ゴースト・レイクの謎」は、それまでSF作家としてヒューゴー賞やネビュラ賞を受賞するなどして活躍していた、K・ウィルムヘルムのミステリー作家への転身二作目です。
 帯には「家庭の問題に悩みつつキャリアの道を歩む女性判事セアラ。帰省した彼女に何が起きる!?」とあります。

 私は上記のSF作家としての活躍を一切知らず、ミステリーとして読み始めたのですが、読み進めるにつれ主人公の言葉に深く共感する部分が何度もありました。自分・妻・母・娘としての思いが、セアラの心の中で複雑に重なり合って、犯人探しと共に読む者を惹きつけるのです。
 
 セアラが未婚で妊娠した娘に対して言う言葉
「このさきあなたは数えきれない方向に引っ張られることになるー義務、友だち、家族、子供、主義、主張、愛・・・なんだってあるわ。そしてこれからのあなたを待っているのはそれらが衝突し、せめぎあう、それとのたたかいなのよ」

「人はくりかえし自分を作りかえていかないかぎり、そのままの自分でいるわけにはいかないんだわ。そのことを、つまりくりかえし自分を作りかえなくてはならないということを、まえもってあらかじめ教えてくれる人はだれもいないのよ」

 「平成マシンガンズ」の主人公に言いたい、
貴女が自分にこんな感情があったのかと驚くような情熱に、出会えるように祈っています。それが恋でも何でも良いから、新しい貴女を作る情熱に、どうか出会えますように。
 

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