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ナツノの日常のことを書いています。
しばらくの間コメントお休みさせてくださいね…by ナツノ

「東京バンドワゴン」 小峰幸也

2008-06-27 | 

今の時代、大家族で暮らす経験は、なかなかできません。
家だって、土地だって、仕事の関係だって…。望んでも、大家族で居ることは、簡単に叶う事ではありません。

「東京バンドワゴン」 は、その、大家族のお話です。
お話の 「核」 は、ひと言でいえば、「人が人を許す」 ということではないでしょうか。

家族は小さな社会の単位です。
その中で暮らすことで、ヒトとしての修行が出来るのだと思います。その家族が、大家族なら、なおさらでしょう…

「ヒトとしての修行」 なんて、大げさな言い方ですが、たとえば…思いやりや、許し、気を回す、心遣い、譲り合い、他人を意識して生きる……など、コマゴマしたことです。
人と人が接する時の 「決まりごと」 のことです。

読み進むと、初めのうちは、どうもしっくり来ません。なぜだろう…
本の帯には… 「早くドラマにしてください!」 と中井美穂さんの言葉があります。

そうか、「早くドラマにしてください!」 という言葉のとおりなのです。
お話が頭の中で、勝手にテレビドラマになって進行してしまい、本を読んでいる感覚ではないのです。

すでに…テレビドラマがあり、その原作本を読んでいるような気持ちです。

だからなのですネ。
我南人さんは、緒方拳さんがいいな、とか、内田裕也さんがいいな、とか…
それから、藍子さんは鈴木京香さんかな、そうだ、みすずちゃんは、蒼井優ちゃん…ナンテ。
頭の中で、舞台のお店も、ご近所のセットも出来上がり、本と同時にテレビドラマが進行していきます。

読み進むうちに、その違和感? にも慣れ…それはそれで、結構楽しくて。 面白いことだなぁと思います。

ヒトはひとりでは、生きてゆけない。
許しあって寄り添って生きてゆく…ことを再認識することが出来ました。

小路さんの 「空を見あげる古い歌を口ずさむ」 も暖かな本でした。
そしてこの 「東京バンドワゴン」 も、愛 (我南人さんの仰る LOVE) を感じる本でした。


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