「へぇ……」
「でな、関西に来たら関西弁話さなあかん思て、俄仕込みの関西弁で、クラスメイトと会話したんや」
「……で?」
「あっという間にハブやった……」
「ハブ……蛇か……」
「アホぅ、仲間外れのことや……そんでウチは苛められて登校拒否になってもうた……」
「………」
「その時や……あお……いや、士郎先生がウチに学校に来るように誘ってきたんは……」
「………」
「先生も親の仕事の都合で一時的に関西にいたんやけど、頑として、東京弁を使うとった……わた……僕は僕とでも言う感じにな……でも孤立するつもりはなくハブられてもハブられても自分を通しながら、人に優しく接しとった。そんでな、東京に転校する前にはすっかりクラスに打ち解けとった。東京弁のままでな。ウチの登校拒否もオマケで直しとったわ。そん時、ウチはこいつについて行こう思うたんや」
「………」
続く。