つぶやき・ツッコミ・つれづれ語り

言わないけど内心でツッコミ入れている、日常語り。

漢字三千年のススメ。

2017年08月28日 | 日常のこと
高崎シティギャラリーで開催されている
企画展「漢字三千年-漢字の歴史と美-」を見てきました。

東京や京都、数カ所で展示して
一番最後に群馬県で行われた企画物です。

なぜ群馬が会場に選ばれたのか?

いぶかしみながら会場へ。

私が入場してすぐ
解説ツアーに遭遇しました。

説明してもらった方が面白いかもしれないと思って
ちゃっかり混ざってきました。

細かい数字は間違っているかもしれませんが
書き出してみます。

漢字が日本に入ってきたのは約2500年前。

(展示してある拓本を見る)

読める漢字がある、これはすごい事。

古い文字は他にもたくさんあるけれど読み方が伝わっていない。

エジプトのヒエログラフ、読めないでしょう。
くさび形文字などもあるけれど失われてしまった物。

日本に文字が入ってきたのは2500年前だけど
日本人は500年間文字を使わなかった。
これはなぜか。

文字を使わなかった500年の間に存在が知られているのは卑弥呼。

三国時代に書かれた魏志の中に
東夷倭人伝の記録があって
卑弥呼という女王が治めていてという記録が残っている。

日本の歴史は文字を持たなかったため
外国の記録に頼っている。

おかげで邪馬台国は九州か奈良かいまだに言われている。

漢の王から金印を授けたられたという記録が残っていて
実際に博多から漢和那国王の金印が出てきたので
これは本当の事だろうと思われる。

金印が確認できる最古の伝わった漢字。

日本人が漢字を使うようになったのは仏教が伝来したから。

昔の漢字は絵のようだった。

「道」という漢字は
生首を持って歩いて祓い清めて進めるようになったのを描いた物。

昔はお化けを信じていた。
生首という怖い物でお化けを除けようとした。
生首を持って歩くというのがお祓いだった。

牛の耳の形をした金属(漢字が彫ってある)の前に移動する。

約束事を取り交わすときに立会人がいた。
立会人が牛の耳に署名した。
これが牛耳るの語源になっている。

竹の形をした金属が展示してある前へ。
これにも漢字が彫られているが
さらに彫った文字に金が埋め込まれている。

これは通行手形のゴージャス版。

税金を免除するという事が書かれている。
これによって2000年前に税金の制度があった事が分かる。

昔は通行手形が竹でできたので
金属の物も竹を模していて、竹の節がある。

使節団の「節」は通行手形の竹の節から来ている。

兵馬俑の前に移動する。

これは現地に行って借りてきた物。
何度か日本に来た事があるけれどこれは世界初公開。

発掘された中で目立つところに漢字が書かれている。

今まで漢字が掘られている物は80体ほど見つかっているが
胸元に掘られている物はこれだけ。
作者のサインと思われる。

首が取れるようになっていて
モデルがいると考えられている。

作られたときには本物そっくりに色が塗られていた。
目などもかかれていた。

復元した物を見ると、今夜、夢に見ますよ?

これは竹の弓を持っていた。
竹は2000年の間に朽ちてしまった。

この人物を下から見上げるようにすると
「イイネ!」ってしているように見えます。

別の拓本の前へ。

中国史上唯一の女性皇帝がいた。
この人は自分で漢字を作ってしまった。
大変、やっかい。

ペンライトを当てて
これとこれとこれと、と指していく。

今は使われていないが
一つだけ、日本に伝わって、日本で使われている物がある。

「圀」
国に威光が八方に広がるように。
この漢字だけが使われている。

日本にも同じ事例がある。
伊達政宗公が作った門がまえに水。

これも浜の名前一つしかない。

群馬県の上野三碑は2000年前の物。

古い石碑は80個くらい残っているが
同じ場所に3つあるというのは他にない。

2000年前に漢字を書けるし読める人がいたという事が分かる。

昔は竹や板に文字を書いていた。
板をつなげて巻物みたいにしていた。

図書館に行くと
巻いた物がたくさんあった。

本を一巻と読むのはこの名残。

紙が登場した。
おかげで漢字の自由度が高くなった。

漢字を美しく書こうという動きが広まった。

司という人だったと思うのですが
漢字があまりに美しいので
皇帝が命じてその人の書蹟を石にそっくり彫らせた。

「之」という漢字が26個出てくるがすべて大きさが違う。
美しさを意識して書いているからである。

質疑応答は自由な感じでした。

漢字の展示というとどうしても拓本ばかりになってしまうので
なるべくそうならないように気をつけたとか。

展示品には漢字が書かれた青銅器
漢字柄の茶碗
筆や硯なども展示してありました。

説明員のおじさんの話が面白くて
すごく興味深く展示を見る事ができました。

群馬県に上野三碑(漢字がいっぱい彫ってある古い石碑)があるから
今回の展示の運びになったようです。

東京や京都で開催するくらいの大きな展示が
群馬で開催されるという事はそうそうないことです。

興味のある方はぜひ!と思います。