日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

2020年10月に読んだ本

2020-11-03 | 本と漫画の話

10月は少なかったです。
特に忙しかったわけでもなかったと思うけど・・・


10月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:931
ナイス数:185

怪談のテープ起こし怪談のテープ起こし
★3.5 ホラー短編6話と、それらを執筆中に担当編集者に起きたという怪異を合間に挿入して繋がりを持たせた作品集。著者が関係者から聞き集めた実話怪談という体なので、幕間の話も含めて虚実曖昧な感じ。どれもある瞬間ゾクッとするような場面があって面白い。
《『死人のテープ起こし』は自殺者が直前まで音声を録音していたテープを書き起こすという企画にまつわる話。▷著者に企画を持ち込んだライターは胡散臭いけど、3人分のサンプル原稿には生々しさを感じた。/『屍と寝るな』同窓のKの話。入院している寝たきりの母の同室に、老人が入院してくる。彼も寝たきりでほとんど意識がない。しかし、母の見舞いに来るKに向けて、老人が何かひたすら話をし始める。▷話の中に出てくる老人の語る話が短いけど面白い。著者が推理した内容がよくできてる。/『黄雨女』占い師から聞いた話。大学時代、彼氏が通学路で全身黄色の雨具に包まれた女を見たと言う。ある時目が合ってしまい、目をつけられたようで気味が悪く回り道をすると、先回りされるようになり…▷これは怖い。たまたま行き遭っただけで怪異に巻き込まれて破滅する理不尽さが怖い。/『すれちがうもの』玄関ドアを開けると、花を挿した瓶が置かれていた。その日通勤路の踏切で全身が黒い人物を見る。翌日は踏切をこちら側に渡っていて…▷少しずつ近づいてくるよくあるパターン。ドアの前まで来てからが一捻りあって、なぜそっちに?!というのがまた怖かった。》
編集の女性にも幕間で異変が起きている。終章、回避されたと思いきや、加筆部分で更なる怪異が著者にも起きたことが明かされる。二重三重の畳み掛けが面白かった。
読了日:10月07日 著者:三津田 信三
 
かえるごようじんかえるごようじん
★3.5 めちゃくちゃブラックなオチ。えっ?何だコレ?と思ったら『だから?』の作者かぁ!
《魔物の棲む森の外れに、おばあさんが住んでいました。味方は一匹の小さなカエルだけ。でもこのカエルときたら…》
途中の展開もなかなか衝撃的だし、リズミカルな繰り返しの呪文のようなセリフがあったりして、姪っ子(興味ない内容だと見向きもしない)も、珍しく最後まで集中して読み聞かせを聞いていた。けどラストは「???」って感じでキョトン。これで終わり?という何とも微妙な空気に(苦笑)。魔物の奇怪さとか子供を惹きつけるパワーはある。
読了日:10月10日 著者:ウィリアム ビー
 
さてさてきしゃははしります…さてさてきしゃははしります…
★3 『だから?』『かえるごようじん』と、かなりブラックな内容で、他の著書にも興味を惹かれて借りてみた。
《駅を汽車が出発。それぞれの車両にいろんなお客さんを乗せて走ります。どんなお客さんが乗っているのでしょう?》
おしゃべりマダム達の車両では、ケーキと紅茶でペチャクチャおしゃべり「ケ・キ・コ・チャ ケ・キ・コ・チャ」といった感じで、汽車のガタンゴトン、という音が置き換えられる。お客さんによって汽車の擬音が変わるという、シンプルなお話。 ただ先に読んだ2作が強烈すぎて、絵本らしい絵本で全然ブラックじゃなかったことに拍子抜け…。絵は個性的でカラフルで楽しい。
読了日:10月11日 著者:ウィリアム ビー
 
意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の百物語意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の百物語
★2.5 9×6のマスぴったりに収められた短い怪談が100本。たった54字で怖さを表現するのが、短歌や俳句みたいでなかなかいいなと思ったら、次のページに解説が…。怪談って余韻が大切だと思うので、わざわざ「ここがこうだから怖いんですよ」みたいな説明されると興醒めする。何か面白い話してる時に、意味わからない人がいて何が面白いか説明してたりしたら、白けてしまう、そういう感じ。そのうえ怪談のクオリティもそれほど…。解説するまでもないほど分かりやすいし、怖くないどころかギャグみたいな話も。残念。そういえば同じシリーズの日本史のも、イマイチだった。目の付け所は面白いのに、なんか「コレじゃない」感がある。内容的に子ども(ティーン世代くらい)向けなのかな。
読了日:10月12日 著者:氏田 雄介
 
てんぐのがっこうてんぐのがっこう
★4 《人間に助けられたカラス天狗が、鳥達を天狗にする学校を開いて、能力を磨いてみんなで恩返し。賢いインコのテンちゃんもスカウトされ、天狗の学校へ通うことに》
カラス天狗が人間に普通に救助されてるので、そういうのが当たり前の世界なんだな。こんなに恩を何倍返しにもしてくれるのは、人間が優しいからだよなぁ。現実の人間ときたら…。とよぎるけど、絵本自体は終始ほんわかしててあったかい。色んな鳥類の天狗が出てくるところも楽しい。かわいい絵本。 ペットのインコがスカウトされて学校へ通うあたりは、ハリー・ポッターのようで面白い。家族も優しく応援してくれる所は違うけど。
読了日:10月14日 著者:やぎ たみこ
 
オダカマサキ ダンボール アートワークスオダカマサキ ダンボール アートワークス
★4.5 まず表紙のドラゴンが可愛い!ゴツゴツしたイメージのあるダンボールなのに、細かいラインがとても美しい。目の辺りは特に印影がハッキリ出るように工夫されていて奥行きがあって引き込まれる。丸みとエッジのメリハリが効いた造形センスに感動。中身は1/3ほどが作品集になっていて、ドラゴン、幻獣、妖怪が中心だけど、実在の生き物や植物、リース、しめ飾りまで!後半は初級〜超上級まで5種類の作り方と型紙が掲載。メンダコとアノマロカリスがカワイイ…ちょっと作ってみたいかも。手乗りドラゴンもカワイイけど難易度高い…。
読了日:10月14日 著者:オダカマサキ
 
7日間でできる世界一美しいダンボールクラフト7日間でできる世界一美しいダンボールクラフト
★4 ダンボール造形の本2冊目。こちらは実際に作る方がメイン。著者の作品紹介は最初の数ページ。それだけでも凄さは分かる。建築物の完成度!さらに戦車はモーターで本当に走るし、三線は弾けてしまう。ここまでではないけど、一般の人向けに工夫された、初級から超上級まで4種類の作り方を解説。型紙だけで本の半分!可愛いブタの貯金箱は、尻尾を引くと中身が取り出せるようになってるし、切り口のギザギザも丁寧に隠す仕上がり。ピアノ型ペン立ては蓋や鍵盤が開けられる蝶番までダンボール!実際に使える強度の編みカゴ!三重塔はもう絶句。
読了日:10月14日 著者:うぷあざ棟梁
 
梨の子ペリーナ: イタリアのむかしばなし (世界のむかしばなし絵本シリーズ)梨の子ペリーナ: イタリアのむかしばなし (世界のむかしばなし絵本シリーズ)
★3.5 酒井駒子さんの絵目当てで。イタリアの昔話。ストーリーは、貧しい女の子が優しさと機転で与えられた試練をクリアしていき、幸せを掴む、というオーソドックスなお伽話。手助けしてくれるおばあさん(梨の妖精?)が好き。
読了日:10月19日 著者:イタロ・カルヴィーノ

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