日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

4月に読んだ本(その1)

2013-05-05 | 本と漫画の話

4月はまあまあ?
絵本が多いです。図書館でその場でもサクッと読めてしまうので、気になる表紙とか目に入ると気軽に手に取れるのがいいです(*^_^*)

気になっていた いまいあやのさん の絵本に出会えたのは、一番の収穫!!
絵がすごく好きです

2013年4月の読書メーター
読んだ本の数:31冊
読んだページ数:4017ページ
ナイス数:1060ナイス



近藤史恵リクエスト!  ペットのアンソロジー近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー 
★4 「ペット」をテーマにしたアンソロジー。犬、猫が多いけど、鳥や爬虫類も。ただの可愛いペットの話じゃなく、様々なアプローチがあって、特にミステリ系は元々好きなので面白かった。 

 【ババアと駄犬と私/森奈津子】早紀の近所に住む老婆は、迷惑な行動が多い近所の爪弾き者。シベリアンハスキーを飼っているが、散歩も躾もせず…。 *主人公の早紀も、正論を振りかざす意固地な人間で共感できないなぁ、と読み進む。ラストもいいような悪いような。
 【最も賢い鳥/大倉崇裕】事件の被害者らのペットを預かる警視庁総務部の須藤と薄。殺人事件の被害者宅で飼われていたヨウムから犯人の糸口が…。 *動物馬鹿の薄さんが面白い。シリーズ化されたら読みたい。
 【灰色のエルミー/大崎梢】元同級生の美鈴から猫を預かった栄一。数日後、美鈴が事故にあったと知らせが…。 *ミステリとしてはゆるいけど、預かった猫にメロメロな栄一が微笑ましい。オチも(*^m^*) 
 【里親面接/我孫子武丸】翔子と宮下は犬を貰い受けるため、裕福な夫婦になりすまして、里親に相応しいか面接に来た谷川夫妻を迎え入れた。 *どういう状況か分からずハラハラ。なるほどなぁ!
 【ネコの時間/柄刀一】「みゃーは、歳取っちゃったの?」真子が六歳の時に家に迷い込んだ猫、みゃー。話しているような鳴き方をする、賢い猫との生活。 *冒頭のセリフで覚悟はしてたけど、泣くよこれは!ちょっとラストは凝り過ぎな気もするけど、猫飼いにはもう…(T ^ T)
 【パッチワーク・ジャングル/汀こるもの】爬虫類好きの修司と結婚した鳴海。爬虫類の世話が第一で、残業の時も「加湿器に水を足しておいて」など連絡を怠らない。ところがある日、連絡なく朝まで帰ってこなかった。 *ちょっとコミカルなミステリ。奥さんは強い!(笑)。爬虫類はいいけど餌がヤバイなぁ(汗)。
 【バステト/井上夢人】自殺願望のある篤志。ある日骨董屋でバステト像に目を留める。その夜帰宅すると、黒猫が入り込んできて…。 *少し幻想的でホラーっぽい。
 【小犬のワルツ/太田忠司】子どもがバラバラに分解してしまったオルゴールの修理を頼まれた主人公。好奇心の強いその子は、彼の飼い犬にも興味を示す。 *ちょっと怖い想像をしてしまった。
 【『希望』/皆川博子】ヤモリを飼う女。連日上がり込みギターを弾いたりして過ごす男。謎の交流。 *シュールで幻想的。
 【シャルロットの憂鬱/近藤史恵】警察犬を引退したシェパードを飼い始めた夫婦。近所の異変を吠えて知らせるような賢い犬。ところがある日家に空き巣が入り…。 *微笑ましいミステリ。シャルロットが可愛い。 以上10編
読了日:4月2日 著者:近藤 史恵

さかな1ぴき なまのままさかな1ぴき なまのまま
★3.5 《おばあさんと暮らすネコ。ある日「ぼく友達探しにいく」と家を出て…》独りよがりなネコ、呑気なんだか図々しいんだか、イマイチつかみどころのないヘビ。友情が生まれたんだかどうなんだか(笑)。そしてネコが出て行く時も帰って来ても、全く動じないおばあさん。シュールだけど、何か現実ってこんな感じだったりもするんだよなぁ(^_^;)
読了日:4月2日 著者:佐野 洋子

よるくまよるくま
★3.5 夜中、男の子のもとへ訪ねてきたクマの子「よるくま」。よるくまのお母さんを探しに、二人で夜の町へ…。 *よるくまの可愛いさ全開!! 男の子の優しいお兄ちゃんっぷりも可愛い。お母さんに会えた時のよるくまの顔、ぐちゃぐちゃで、酒井さんの絵に見えないくらい崩れてるけど、それだけ会いたかったってことなんだよなぁ(´ー `*)
読了日:4月2日 著者:酒井 駒子

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。2家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。2
★3.5 奥さんの性格が全然つかめないので戸惑いがあったんだけど、雰囲気に慣れたからか、1巻よりは普通に読めた。二人とも基本ローテンションで無表情なのは、もしかして漫画家さんの癖みたいなのも入ってるのかな?実際はどうなんだろう? 面倒臭そうな奥さんなのには変わりないか(^_^;) 最初は旦那さんがリアクションしないのが物足りなかったけど、多分ちえさんと付き合ううちに自然とスルーが身に付いたんだな。奥さんの友達も、さすがの「類は友を呼ぶ」。私なら一人ででも観光する!(笑)
読了日:4月2日 著者:K.Kajunsky

うわさごとうわさごと
★3.5 色々考えさせられる絵本。《私の悪口を言いふらしていると聞いた子とケンカをした私に、じいちゃんが子どもの頃の話を始める。兄のクラスに、広島からの転校生・ケンゴがやってきた。兄は「ゲンシ病がうつる」と言ってケンゴとケンカした。そんな兄に、父ちゃんは「ジンピンゲレツ!」と言い…》 偏見や差別とどう向き合うか。じいちゃんの両親は立派な人だったから、じいちゃん達もしっかり育ち、その思いはきっとこの女の子にも伝わっていくんだろうな。
読了日:4月2日 著者:梅田 俊作

滝のむこうの国 (今昔物語絵本)滝のむこうの国 (今昔物語絵本)
★3.5 今昔物語絵本3冊目。《友人の陰陽師の家を訪ねた権大納言。食事の用意をするという陰陽師を待つ間、庭を眺めていた権大納言は、出てはいけないと言われていた庭の外へついつい足を踏み入れ…》 権大納言と陰陽師が若い!! 多分若い頃の話なんだな。迷い込んだ先の怪しい僧の正体は結局分からないままなのが、ちょっと消化不良。あの煮えたぎった銅を飲む話は、夢枕獏の『陰陽師』でも出てきたような。元の今昔物語ではどんな話だったのか気になる。一度読んでみたい気はするんだけど…。
読了日:4月2日 著者:ほりかわ りまこ

もりのおくのおちゃかいへもりのおくのおちゃかいへ 
★4 可愛らしいお話。《雪の朝、森の向こうのおばあちゃんの家へ雪かきに出かけたお父さん。キッコちゃんは、お父さんが手みやげのケーキを忘れて行ったことに気付き、届けに行くことに。お父さんの足跡を追いかけていたはずが、知らない家にたどり着き、入ってみると、動物達のお茶会で!》 一斉に動物達がこちらを見るシーンは、ちょっと怖い(^_^;) でも優しい動物達。木炭か太くて柔らかい鉛筆で描かれた、ほとんどモノクロの絵の中で、時々使われている色が鮮やかに映り、特にケーキのページは「うわぁ!」とテンション上がった♪
読了日:4月2日 著者:みやこし あきこ

くつやのねこくつやのねこ 
★4 絵が好き! 表紙の猫とオシャレなブーツ、可愛らしいだけかと思いきや靴からは蛾がチラリ。こういうちょこっと毒のある所も気になる。《猫と暮らす貧しい靴屋。店を閉めるしかなくなって、途方に暮れる靴屋に、猫は「いい考えがある」と…》『長靴をはいた猫』をアレンジしたストーリー。なので、お話に目新しさはあまりないかも? 絵の魅力に尽きる。1ページごとに絵に惚れ惚れした(*´ω`*) 一ヶ所、「ひゃー!」ってビビるページがあったけど、大人にはこの毒がたまらない(笑)。
読了日:4月2日 著者:いまい あやの

絵本マボロシの鳥絵本マボロシの鳥
★3.5 爆笑問題・太田光が書く小説には興味がありつつ、難解そうで手を出してなかったんだけど、大好きな藤城さんの絵(影絵)で読めるとは、なんと有難い。《小さな劇場「オリオン座」に、その日は多くの人が詰めかけていた。人々の目当ては「魔人チカブー」の出すマボロシの鳥。強欲な支配人は、許容量を超えた観客を入れ、場内はすし詰めに…》 随所に太田らしいひねくれた言い回し。時空を超越した存在のマボロシの鳥は、手塚治虫の火の鳥と被る。ラストもスッキリとはいかない。やっぱり一筋縄ではいかない感じが強いなぁ。ただ、癖が強いんだけど、ちょっと小説も読んでみたくなった。短編集なら手を出してみようかな…。 *藤城さんの影絵はひたすら美しく、感嘆の溜息がでる。内側から輝くようなマボロシの鳥の美しさは、藤城さんの影絵ならでは。実物の作品も見てみたいな。 
読了日:4月5日 著者:藤城 清治

大崎梢リクエスト!  本屋さんのアンソロジー大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー 
★4 「本屋」をテーマにしたアンソロジー。以前に本にまつわるアンソロジーを読んだ時もそうだったけど、本好きが本屋さんの話を読んで面白くないはずがない。編者の大崎さん自体が、書店を舞台にしたミステリを書く元書店員さんだしお墨付き。どれも本屋さんが舞台でありながら、見事にバラエティに富んだ描き分けをしている。「なるほどこうきたか」と作家さんのあの手この手にニヤニヤ。特にロバの登場にはビックリしました(笑)。

 【本と謎の日々/有栖川有栖】死者が来店?傷んだ本を有難がる客?ダブった本を返品してきた客の不可解な言葉の訳は?…書店で起こる小さな謎を、店長が鮮やかに解き明かしていく *大崎さんの成風堂シリーズに似た、直球の書店の謎解き短編。サクサクと沢山の謎が解決されるのは心地良かった。
 【国会図書館のボルト/坂木司】老店主が一人で営む潰れそうな本屋。オタク高校生の岡島がその店に足繁く通うのは、男子のパラダイスだから! 店を守るため、常連客らと共に万引犯に挑む! *設定が面白い。常連客も個性的で、痛快。
 【夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話/門井慶喜】松波さんの愛妻弁当からおかずが一品ずつ消えていき、ついに石が詰められる事態に!松波さんは仕事も上の空。弁当の謎を解いて会社のピンチを救え! *謎はユニークだけど、ちょっとヒントが弱い。それにしても傍迷惑な夫婦だ。
 【モブ君/乾ルカ】書店アルバイトの美奈は、立ち読み専門で日参するある男性客の存在に苛立っていた。一方美奈には、お気に入りの一冊があり、その古い単行本の所在確認が日課で…。 *地味だけどドラマチックな話。段々モブ君に肩入れしたくなる。
 【ロバのサイン会/吉野万理子】テレビの企画で有名になった、ロバのウサウマ君。書店でサイン会をする事になったのだが…。 *一番好き。実は人間の言葉を理解している賢いウサウマ君の独白で話は進む。このウサウマ君が可愛い! 最初は悪印象だった沢村が大活躍。
 【彼女のいたカフェ/誉田哲也】書店内のカフェで働く冬美には憧れの女性客がいた。難しそうな本に没頭する美人、時々居眠り。その人がいつしか姿を見せなくなり…。 *女の友情に爽快感。
 【ショップtoショップ/大崎梢】友人がスタバで耳にした謎の会話。「鞄に入れる練習」と「鞄に入れない練習」。ある推理に達した健人は、同じビル内にある書店へ…。*少し消化不良だけどスリリングな展開。
 【7冊で海を越えられる/似鳥鶏】客から「彼女から7冊の本が届いたのだが、理由が分からない」と相談される。ジャンルもバラバラの7冊に託されたメッセージとは。 *これも直球の書店の謎。語り口がシニカルで面白い。店長のキャラも個性的。
 【なつかしいひと/宮下奈都】母を亡くした僕と妹、父は、母の故郷に引っ越す。喪失感で好きな本も読めずに過ごしていたが、フラリと入った本屋である少女に出会い…。 *ミステリが多い中、切なくて優しい奇跡の話。
 【空の上、空の下/飛鳥井千砂】空港の書店で働く歩美。本が好きで夢を持って臨んだけれど、フライト中の「暇つぶし」としてしか需要のない本、従業員も漫然としてやる気がない。そんな中、ある出会いが…。 *空港内の書店というのは目の付け所が面白かった。 以上10編
読了日:4月8日 著者:大崎 梢

その2へ続く

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4月に読んだ本(その2)

2013-05-05 | 本と漫画の話

4月に読んだ本 その2です。


とみこのはんこ ---手軽に彫っていろいろぺたぺた。消しゴムはんこで作る自分だけの雑貨たちとみこのはんこ ---手軽に彫っていろいろぺたぺた。消しゴムはんこで作る自分だけの雑貨たち
★4 消しゴムはんこ本。複雑な図柄は少なめで、オールカラーで手順も細かく懇切丁寧に作ってあるので、入門編にオススメ。私はすでに消しゴムはんこを作っているので、最初は「初心者向けかぁ」と思ったけど、絵柄が可愛いし、後半の作例のグラデーション使いなども綺麗で(特に食べ物系は美味しそう!)、眺めるだけでも結構楽しめた。
読了日:4月8日 著者:とみこはん

もやしもん(12) (イブニングKC)もやしもん(12) (イブニングKC)
★3.5 西野さんの巻、って感じ。面倒くさい子だなぁ。長谷川さんや武藤さん、美里が樹先生に怒られるなんて!長谷川さんなんてとばっちりなのに!「ガキだから」で済まして自分達から謝るなんて、やっぱり周りが大人だからだ。西野、ド直球の質問かます前に、お前も謝れよ! *「桶売り」とか「逆桶買い」とか全然知らなかった。そんな事あるんだ。お酒飲めないのに、お酒の知識が増えていくのって面白いな。
読了日:4月8日 著者:石川 雅之

いとしのムーコ(3) (イブニングKC)いとしのムーコ(3) (イブニングKC)
★3.5 ムーコは可愛いけど、ちょっとマンネリ化してきたかなー?  特にこまつさんと二人の話だと、どうしても絡みがワンパターンになっちゃう。うしこうさんが加わると、ちょっと面白い。 「待て」の時のムーコの悲愴感とか、こまつさんが鬼な感じとか(笑)、第三者のうしこうさんの反応やツッコミがいいアクセントになってるような。 *期待してた獣医さん再登場!でもまたチョイ役だったなー。 勘違いのお客さんも、こまつさんの反応に「えっ?そういう方向に行くの?」と焦ったけど、オチ付きだった(^_^;)
読了日:4月11日 著者:みずしな 孝之

銀の匙 Silver Spoon 4 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 4 (少年サンデーコミックス)
★4 豚丼が50キロの精肉に。食べることで八軒はどんな変化を見せるのかと思ったけど、そう簡単に消化できるようなことじゃないよね…。でも次の子豚ちゃん達への対処には驚いた。強いなぁ。 先生達も、教育熱心で弾ける時は弾けて、いい先生揃いだなぁ。 *他は謎の「エリア51」、八軒副部長就任、駒場と話しながら涙ぐむ御影、など。高校野球秋季大会に臨む駒場も。野球にかける鬼気迫る様子や端々に見せる態度からして、駒場と御影の件は、駒場の家のことかなぁ。八軒じゃないけど、気になって落ち着かないよ。
読了日:4月12日 著者:荒川 弘

銀の匙 Silver Spoon 5 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 5 (少年サンデーコミックス)
★4 ゴミ拾いで子犬を拾った八軒。次々何かしら抱えるな八軒は(笑)。 馬術部ではジャンプに挑戦するも、一人だけ飛べない八軒。追い詰められて昔の自分に逆戻りしそうな様子にハラハラ。エゾノー祭の企画に頭を悩ませ、準備に奔走。 一方、秋季大会を勝ち進みつつ、何やら悩んでる駒場。問題はまだ明かされず。家庭の事情なら、八軒や仲間達にはどうすることもできないもんなぁ。それでも八軒なら、色々やってみようとするだろうし、何か活路を見つける可能性に期待。ただこの漫画は命の問題もシビアに描くから、甘い展開にはならないかな…。
読了日:4月12日 著者:荒川 弘

サクラ秘密基地サクラ秘密基地
★3.5 久々のノスタルジックで少し不思議な短編集。どれも「写真」が出てくる。少し苦かったり切なくなったり、温かくなったりな、朱川テイスト。初期の短編集のようながっつりホラーがないのはさみしいけど…。二本目で、あの宗教団体がまた顔を出してて驚いたんだけど、何か拘りがあるんだろうか。正直前作もあそこだけ生々しくて浮いてたし、少しうんざり。冒頭の表題作と、ラストの『スズメ鈴松』が良かった。
【以下あらすじと感想】
 『サクラ秘密基地』誰にも見つからない秘密基地を見つけ、少年時代を満喫する仲良し四人組。ある時一人の家庭に変化があり…。 *親に翻弄される子どもの運命が切なく苦しい。現代でも繰り返されている悲劇。
 『飛行物体ルルー』小学校時代の友達マリを呼び出した啓子は、当時の事を思い出していた。卒業式で「いつか二人で、ルルーを探しに行こうね」と囁いたマリの事を。 *ラストはある意味驚いた。何でまたあの団体?
 『コスモス書簡』手紙に綴られる、少年時代の思い出。母の記憶はなく、町の厄介者の父と二人。父の事でいじめられていると、助けてくれた優子さんの事…。 *手紙の受取人は誰なのか分からないまま進む手紙。そうだったのか、と切ないラスト。
 『黄昏アルバム』兄が手に入れたカメラは、時々おかしなものを写し出した。撮った覚えのない場面。 *カメラの正体に気付いた妹。女は残酷だなぁ(笑)。
 『月光シスターズ』端が斜めに切り取られた、幸せそうな家族写真。美しい母は、その数年後に精神を病み、家庭は壊れていった…。 *ある理由から、母に愛された妹、疎まれた姉。母の死の謎。展開としては一番複雑で面白い。
 『スズメ鈴松』引越し先で出会った父子。粗野で乱暴者の鈴松と、親に似ずしっかり者のヒロ坊。 *最後に温かい作品で締めて後味よく読了。 以上6編。  
読了日:4月14日 著者:朱川 湊人

どうぶつのこゝろ図鑑どうぶつのこゝろ図鑑
★4 表紙の猫に惹かれて。動物にまつわる25の掌編とイラスト。絵が多いし、カラーページもあって綺麗なので、画集とか絵本を見ているよう。文章は、幻想的なおとぎ話風だけど、シニカルだったりブラックだったりするものが多くて、ピリッと毒がある。時々ストレートに優しいのも。イラストも、写実的だけど完全な写実じゃなく、漫画的な感じもする。 ちょっととんがった感じだけど、絵も文章もひっくるめた独特の世界観があって、結構好き。他の作品も気になる。
読了日:4月14日 著者:D〔di:〕

まだある。おやつ編 (大空ポケット文庫)まだある。おやつ編 (大空ポケット文庫)
★4 「こんぶ茶」、こぶ茶って呼んでたなぁ。喫茶店では、メニューじゃなくて、食後のサービスで出てきてたなぁ。湯呑が持てないくらい熱っついこぶ茶を、ふうふう冷ましながら飲むのが好きだったっけ…と、こんな風に当時の懐かしい記憶を刺激する、でも「まだある」商品がズラリ。東京を視点にしているので知らない物もあるし、「ド定番商品じゃん」という懐かしさがあまり感じられない物もあるけど、「まだあるんだ〜!」というドンピシャな商品には、心踊った(笑)。母に見せたら私より盛り上がってたので、団塊〜その子ども世代にツボかな?
読了日:4月14日 著者:初見健一

PRAY FOR JAPAN ‐3.11世界中が祈りはじめた日‐PRAY FOR JAPAN ‐3.11世界中が祈りはじめた日‐
★4 東日本大震災で、国内・海外から寄せられたメッセージをまとめたサイト「prayforJapan .jp」を書籍化したもの。図書館の震災2年目に際した特集棚にて。昨日(もう一昨日か)自分の住む地域にしては少し大きな地震があり、震源地や時間帯から、阪神淡路大震災を思い出したばかりだけど、あの時も2年前も、当時は震災の事で頭が一杯で、祈るような日々だったのに、今は日常生活に埋没している。風化させない、と肝に銘じなければ。 *「人は奪い合えば足りないが分け合うと余る」という言葉が一番印象に残った。
読了日:4月15日 著者:

はんなちゃんがめをさましたらはんなちゃんがめをさましたら
★4 ある夜、はんなちゃんが目を覚ましたら…。 なんてことない夜中の出来事だけど、小さな子には特別な出来事。ずっと付き合ってくれる猫のチロが、いい具合にアクセントになってる。酒井駒子さんの絵を堪能。 トイレの絵が可愛いんだけど、カラーコピーしてトイレに飾っちゃおうかな(*^m^*)
読了日:4月16日 著者:酒井 駒子

その3へ続く

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4月に読んだ本(その3)

2013-05-05 | 本と漫画の話

4月に読んだ本 その3です。


ほんとうにあった12の怖い話ほんとうにあった12の怖い話 
★4 ブラックジョーク的なものや他愛ない話もあって玉石混交だったけど、ひねりの効いた話もあって、同作者の『12の怖い昔話』より内容がバラエティに富んでて面白かった。話の頭と末尾に作者のコメントが付くのは、蛇足だと思うけど、児童書だからこれはこれでリアリティを感じるのかな。

 【以下あらすじと感想】
『墓堀り』酔って自分の掘った墓穴に落ちてしまった男の話。 *思わず笑ってしまう。
『トロル』山でトロルに呼ばれ行方不明になった三人姉妹の長女。一年後…。 *徐々に変わっていく所が不気味。
『消えたワーニャ』ワーニャとミーシャは仲良しの従兄弟だったが、ミーシャが19歳で死んでしまう。その後結婚することになったワーニャは、ミーシャの墓に報告に…。 *酷いなぁ、ミーシャ。
『幽霊の出る宿』噂の部屋に「平気だ」と泊まる事になった客。 *平凡。
『適任者』「地獄の役職に空席ができた」と魔王に声を掛けられた首相。 *ブラックジョーク。 『角笛』従姉妹の住む田舎を訪ね、森を散策するジェイスンと友人達。暴虐な少年ミルフィールドに皆が苛立っていると…。 *恐ろしいが因果応報でちょっと胸がすく。
『魔王との晩餐』食べるのが大好きな牧師。ある日魔王から晩餐に招待される。 *ノコノコと行くのも長いスプーンという発想もおバカ(苦笑)。
『ミセス・シュガー』魔女のミセス・シュガーは、死後も出歩いていると噂されていた。ハロウィンの夜、皆を脅かそうと隠れていたペグは…。 *他愛ない話。
『雄牛』ある村で悪魔が雄牛に化けて暴れ、人々を怖がらせていた。そこで教会を建て、神父を呼んだが…。 *一筋縄ではいかない所がちょっと面白い。
『イヌの餌』悪い魔法使いが、自分の子どもを叱った男に復讐しようと恐ろしい生き物を作り出し…。 *魔法使いは自業自得だけどなぁ。
『校長の奥さん』新任のジョンは、気さくで親切に接してくれる校長を、皆が恐れている事に疑問を抱く。ある日校長から夕食に招かれ…。 *何が何だか、狐につままれたような…。
『不思議な水差し』パブをしているジョン。休日に「具合の悪い母さんに飲ませてあげたいのでビールを分けて欲しい」と子どもが水差しを持って訪ねて来て…。 *怖いのかと思えば、最後はいい話に。
読了日:4月19日 著者:スーザン プライス

ひとり暮らしな日々。ひとり暮らしな日々。
★3.5 ひとり暮らし「5年目」「9年目」に続く3作目。出版社が違うので、シリーズではないらしく、前2冊のようなバイトや仕事関係などのエピソードは省略。初めての上京でアパート探しをするところから始まって、ひとり暮らしそのものの話(住居や家具インテリア、食生活など)が中心。基本的に質素な生活ぶりで、ちょこっとズボラだったりする所が、身近に感じられる。経験者は「あるある〜」って共感できるし、これからひとり暮らし、という人は、参考になるかも?
読了日:4月22日 著者:たかぎ なおこ

愛しのローカルごはん旅 もう一杯!愛しのローカルごはん旅 もう一杯! 
★4 旅先のローカルグルメ食べ歩き! 神奈川、長野、茨城・福島、宮崎・鹿児島、高知、滋賀、番外編・台湾。美味しそうなものがガンガン出るわ出るわ。その土地でしか味わえないものだから、あれもこれもとひたすら食べてる感じ(笑)。すごく分かるけど、私は多分ここまで食べられないなぁ(^_^;) この食べっぷり、羨ましい! 移動も電車やバス中心で忙しいけど、バイタリティあるし!(やっぱりマラソンで体力ついてるのかな?) 一番「おおっ!」と反応したのは、スポロンだったりしたけど(笑)、どこも魅力的で行きたくなります。
読了日:4月22日 著者:たかぎ なおこ

キャップサイズのふわふわスイーツデコキャップサイズのふわふわスイーツデコ
★3.5 ペットボトルのキャップを土台にしたスイーツデコの作り方。材料はリボンやフェルトなど身近な物ばかりで、スイーツデコによく使われる粘土やシリコン樹脂などは不要。両面テープを貼ったキャップにリボンを巻き付けたり、ビーズなどを接着剤で貼り付けたりと、作り方は至ってシンプルで、配色などのセンスでそれらしく見せてるのがびっくり。今は100均でチョコやフルーツなどの細かい素材も色々揃うし、子どもでも作れそう。 内容とは全然関係ないけど、制作中の写真の手がボロボロに荒れてるのがすごく気になった(^_^;) 
読了日:4月23日 著者:こいずみ きょうこ

テルマエ・ロマエV (ビームコミックス)テルマエ・ロマエV (ビームコミックス)
★3.5 ドタバタながらも、伊藤温泉を取り巻く問題の背景が見えてきた。次巻あたりで完結かな。5巻にして初登場のさつきのお祖父さん、頑固親父風の風貌で「外人なんて認めんぞ!」なんて揉めるんだろうと思いきや、なんと柔軟で人間のできたお方か(笑)。そんな周囲の人達の優しさもあって、かなり日本に馴染んできてるルシウスだけど、やっぱり最終的にはローマに帰るんだろうか。1巻の頃の流れからは脱線していくように思えたこの漫画も、もうこうなったら最後まで見届けるぞ。
読了日:4月23日 著者:ヤマザキマリ

山口晃 大画面作品集山口晃 大画面作品集 
★4 以前出た作品集の、付属のルーペでちまちま見る面白さも良かったけど、今回は細かい所もストレスなく観察できて(一部は更に拡大された写真も収録)山口作品を堪能した。 特に成田空港のは、屋根裏にまで人が(忍者とか!)いたりして、「ウォーリーを探せ」状態でじっくり見てしまった(笑)。 あとこういう吹き抜け屋台みたいな諧謔性のある作品も好きだけど、四天王図とか真面目風の作品もかっこいい。とことん細部まで書き込める技術は、それだけで迫力がある。何を表現するかで、作品の幅もイメージもガラッと変化するのが凄味。
 評論での、よく比較される会田誠との作品性の対比について「会田の“毒”に対し、山口の“誠”といった構図が念頭に置かれていると察するが、実は本当に毒々しく激烈に自嘲的なのは、むしろ山口の方」という評価には、ハッとさせられた。会田誠の作品は毒々しくて刺激的、一方山口晃のは、飄々とした諧謔味も手伝って、サラリと枯れた味わい。そんな風に思っていたけど、一皮剥いて見ると、印象は逆転する。会田誠が、良くも悪くも即物的で分かりやすいのは感じていたけど、山口晃は批評精神を巧みに隠していると。言われてみれば妙に納得。
読了日:4月27日 著者:山口晃

チャッピィの家チャッピィの家 
★4 ストーリーは平凡なんだけど、やっぱり絵がいい。自分の家(犬小屋)を手に(!)、もっとさみしくない場所を探して旅するチャッピィ。可愛い〜(*´∀`*) 小鳥もずっと付き合ってくれてるのがまた微笑ましい。1ページずつ全部額に入れて飾りたいくらい好き。 『くつやのねこ』も童話を下敷きにしていて、ストーリーにはあまり魅力を感じなかったけど、絵で十分満足しちゃう(笑)。他の作品も探そうっと。 『くつやのねこ』は猫好きに、これは犬好きに特にオススメ。もちろん動物何でも好きなら両方!!(*´艸`*)
読了日:4月27日 著者:今井 彩乃

ぼくは ぼくでいいぼくは ぼくでいい 
★4 モノクロで撮った、兄弟の中で一番小さく生まれたソマリの子猫の写真に、モノローグ風の文章を付けた本。兄弟との競争には負けてばかり、お母さんも諦めてるみたい、でも見守ってくれる優しいおばさんがいて、 ゆっくりと成長する子猫に「がんばれ」と感情移入。ただ、子猫の言葉はかなり達観してて饒舌で、台詞みたいに浮いて写真を邪魔してるような場面も。モノローグ形式じゃない方が素直に読めたかも。モノクロ写真は本当に素敵なので、ただ「可愛い〜!」で終わらせない雰囲気を醸し出していて、言葉も文学的になっちゃったのかな。
読了日:4月27日 著者:落合 恵子

なんだかへんなのねなんだかへんなのね
★3.5 とぼけたようなタイトルと、表紙の猫に興味をひかれて読んでみた。《タヌキのおじさんが町へ散歩に。ところが、やけに威張ったイカさんや、やけに親切な看板が現れて…》 歩く音が「へのぽん へのぽん」だったり、言葉のリズムや言い回しは楽しい。言葉遊びというか、ナンセンス? イカみたいな生き物に次々出会うのかと思ったら、後は看板の話だし、ちょっとちぐはぐかなぁ。雰囲気とかは好きなんだけど、もう少し大きく弾けるなり、すっきりまとめるなり、どちらかに振り切った方が良かったのかな。猫はおいしい役回り(笑)。
読了日:4月30日 著者:内田麟太郎

イソップ物語―13のおはなしイソップ物語―13のおはなし 
★4 いまいあやのさんが、13のイソップ物語に絵を付けた絵本。横長にして縦に開く(カレンダーのような感じ)変わった作りも「らしい」感じ。いまいさんの描く動物は、可愛いんだけどクールで、少し皮肉で辛辣なイソップ童話の内容とよく合う。画集として見ても楽しめる。 *カラス2話を1ページ(1枚の絵)に纏めたのが上手い。カラスが気の毒になっちゃう(^_^;)
読了日:4月30日 著者:いまい あやの

ねこと国芳ねこと国芳 
★4 江戸時代の人気浮世絵師、歌川国芳は猫好きで有名だった。彼の描いた猫の絵だけ集めた一冊。美人画に添えられた猫、役者などに擬人化した猫、戯画のモチーフとして堂々と主役を張る猫など、猫尽くし。 真面目な作品の添え物より、戯画や擬人化猫など、遊び心のあるテーマの方が、猫の描写が生き生きしているようで好きだな。国芳さん(笑)も描いてて楽しかったんじゃないかな、多分(*^m^*) 特に好きなのは「猫の当て字」シリーズ。仕草が可愛い(笑)。作品毎に解説付きなのも嬉しい。あと、栞にも猫が付いてるのが高ポイント!
読了日:4月30日 著者:金子信久

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