日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

『二枚舌は極楽へ行く』 蒼井上鷹

2007-04-15 | 本と漫画の話
本屋で可愛らしいイラストの表紙が目に留まり、オススメポップが付いているのを見て興味が湧いて、図書館で(買わんのかいっ!)借りてみました。
普段は雑誌や新聞、ブログなどの書評で選ぶことが多いので、私としては珍しい本との出会いでした。

 蒼井上鷹(あおいうえたか)『二枚舌は極楽へ行く

「オレの愛する妻を殺した犯人がここにいる。犯人には密かに毒を盛った。自白すれば解毒剤をやる」「え、え、まさかオレを疑ってないよね…え、苦しい、ウソ、まじ!?」袋小路に入った主人公と、思わず一緒になって手に汗にぎる「野菜ジュースにソースを二滴」ほか

わりと薄めの新書なんですが、短編掌編合わせてなんと12編!が入っています。
掌編なんて、わずか3ページちょっと。長いものでも50ページくらいの読みやすい短編集です。
短いと侮るなかれ。起承転・転・転・転・結みたいな、何度もひっくり返る展開や、本格的なミステリー風もあり、結構楽しめます。
掌編は、シニカルなミステリ小噺、といった味わい。

表紙のイラストも、よく見ると表題に関係した“あるもの”が描かれていたり、各編ごとの扉もちょっとユニークだし、文末に付けられた「参考文献」も、内容と関係があるんだかないんだか、人を食ったようで面白いです。
また、それぞれの作品間に、人や場所などビミョーな繋がりが仕掛けられていたり。(伊坂幸太郎みたい!)

サラッと読めるわりに、なかなか楽しい本でした。
さっそく第1作目の短編集、『九杯目には早すぎる』も予約しました。
コメント (4)
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