おきらく

まんまるが思いつきでいろんな事を書くブログです

人工呼吸器と靖国問題

2006-07-31 | 真面目な話
先々週亡くなった祖母が危篤状態の時、病院で言われた事を叔父から聞きました。
呼吸困難になり手動の装置で酸素を送っていた時の事だそうです。
「今、我々が手動で行っているのを自動で行うのが人工呼吸器です。これを一度つけたら誰も外す事はできません。いくらご家族から言われても我々も外せません。どうなさいますか?」
と言われ、叔父は人工呼吸器をつける事を断ったそうです。

この話を聞いた時に何かに似ていると思ったんです。
それは靖国問題で言われる『A級戦犯の分祀』の事なんです。
一度合祀してしまった死者の魂は誰にも分ける事なんてできないんですよね。
「患者が忍びない」「家族の強い要望で」と人工呼吸器を故意に外して殺人罪に問われてしまう医者の様に、外交の為とか政治的な問題とかで分祀してしまったらそれはそれで新たな問題が起るんだろうと思うんです。

大切なのは最初の決断。
この後起こりうる問題の責任を自らが負う気で良く考えなくてはならなくて、自分一人で決断できなかったら誰かに相談しなくてはならないのだと思います。
結局、私の叔父は一人で決断しました。後から誰も文句は言いませんでした。
3年以上の入院生活、決して回復しての退院を望む事ができない病状、器械で生かされる事を誰も由と思わなかったから。
はっきり言って靖国問題なんて興味ない(と言ったら申し訳ない)のですが、とにかく死者の魂がいつまでも安らげないような状態はいただけません。
誰かの勇気ある決断でこの問題を早く終わらせて欲しいと思っています。