おきらく

まんまるが思いつきでいろんな事を書くブログです

日韓の手話の意外なお話

2010-04-24 | 手話
今日は手話の特別な勉強会がありました。
読取りの勉強をしたのですが、どれだけやっても手話の読取りは難しいんです。
その理由の一つにどうしても単語にこだわってしまい、ろう者が少しでも変わった表現をしているとそこで思考が止まってしまうんです。
変わった表現とは私達が講座などで習った通りではなく、ちょっと指が曲がっていたり、私達が普段表さない高さや位置で表現をする事などをさします。
その後、ホームビデオで撮影した韓国の手話講座やろうあ協会などのビデオを見せてもらいました。
日本と韓国の手話は結構共通する部分も多く、私も過去に一度だけ講座の見学をさせてもらいましたが、韓国語はわからなくても手話を見るとだいたいの内容がつかめるんです。
さすがに固有名詞とかハングルの指文字はわかりませんが…。
それで、先生が「大体でいいから内容わかる?」って聞いたら、みんなスムーズに答えるんです。
単語も所々日本とは異なった表現もあるのに、前後の流れで「この表現って日本で言うコレと同じでしょ?」ってちゃんと頭の中で置換えてるんです。
たぶん同じ表現を日本のろう者がやったら「今のこれって何て言う単語?」と詰まってしまうはず。
最初から「必ずしも同じ単語表現ではない」という先入観で見ているので、目も頭もおおらかに構えているのでしょうか?
何となく今までの読取りの弱点を克服する糸口が見つかった気がしました。
いい勉強になりました。

長い1日でした

2009-07-19 | 手話
今日は恐怖の手話通訳者認定二次試験。
朝からスーツ着て会場へ行きました。
不思議なもので、合格通知をもらった時に過去の緊張感などがよみがえって、胃が痛くなる毎日だったのに、時間が経つに連れて緊張している事に疲れて来ました。
それでもやはり緊張はしましたが、子供の頃の予防接種の順番待ちみたいな緊張感でした。
試験は途中でホワイトアウト(と自分は言う『頭が真っ白になる状態』)になったので、ごっそりと抜け落ちた部分があってダメだとは思いますが、最初の10~20秒間はいい感じで通訳できてた様に思えました。
初めてじゃないかな…私の手話に頷いている審査員を見たのは。。。
本当にそのくらい今までがひどかったおかげで、あまりショックはありませんでした。
自分の試験(審査)の時間はほんの5~6分程度だと思うのですが、それまでの緊張感や合格後に待っている重要性を考えると、ものすごく重たい時間です。
帰りに寄り道して履歴書を購入したのですが、スーツで履歴書買ってたらモロに『求職者』じゃないですか!
私は通訳試験なんですが…。
今日は長かった…今までなら明日は祝日でも出勤日だったのですが堂々と寝過ごせます。

私語をつつしむ理由

2009-07-16 | 手話
例えば手話を学ぶ人達の集まる場所であれば、そこに1人でも聴こえない人がいたら手話を使わなければなりません。
手話だけではなく英語とか他の言語でも、日本語がわからない人がいる時に日本語で私語をするのは良くない事です。
一般的にそれは『相手に疎外感を与える』からダメだと言います。
実際、聴こえない人は「皆さんが手(手話)を使わず口だけで何か言っていると仲間外れにされた気分です!」と怒りや哀しみを訴えます。
私はそれについては持論があって、「私はあなたの悪口は言っていません」という証明なんです。
この前、先生の講座でお話した中でそれを言わせて頂きました。
「例え、手話表現が滅茶苦茶でも『あなたの悪口ではない』という証明の為に、とにかく手をつけて下さい!」と。
講座の終わった後、複数の方から「目から鱗でした」と言って頂けました。
『相手を察する為』というより『自身の潔白の為』と言った方が気をつけると思うんです。
そうすると、手をつけるのが難しいが為に私語が減ったりします。
パースではパブでずっと英語を話し続けていたら初対面の日本人の子が「あの子(私の事)って現地の子?」とか日本語で他の人に聞いていました。
「違う!日本人だよ。聞こえてるよ」って言ってました。
手話では過去に喫茶店で「あの子はろう者なの?」とろう者が通訳者に尋ねていました。
「聴こえない人がいるから、手話を使ってるだけだよ」って答えてくれた様で、そのろう者から「偉い」って誉められました。
どちらの話も嬉しい様な、それだけレアな事だとわかってちょっと悲しい様な…複雑な心境でした。
何となく、野球の判定をめぐって監督が後ろ手で審判に抗議するみたいで面白くないですか?

昔の話を伝える必要がある!

2009-07-15 | 手話
昨日、手話の先生に言われて講座で自分の体験談などを話して来ました。
その時に、先生が皆さんに「昔、両親が聞こえない場合、子供(赤ちゃん)が夜泣きするのをどうやって察知したか知ってますか?」という事をお話されました。
今は、赤ちゃんの鳴き声に反応して振動で知らせる装具(腕時計みたいな物)があるのですが、それが開発される前の事です。
私がよく聞いていたのは『夫婦で数時間置きに交代で起きて子供を見ている』という方法でした。
その他に、『紐で子供の腕と自分の腕を繋いで子供が動けば紐で自分の腕が引っ張られて目が覚める』という方法とか『親に協力してもらった』などの方法があります。
驚いたのは最近はそういったお話は講座の中であまりしないというか、カリキュラムに入っていないそうなんです。
不便な時代のお話を埋もれさせては将来もっと暮らしやすくなる為の運動が出来ないと思うんです。
以前、ある方が手話関係の講演会でお話されました。
「今の若い人は昔の聴覚障害者や関係者が運動して現在の権利や利便性を勝ち取った事を知らない」と。
あるボランティアでも手話サークルで若い聴覚障害者がそういった権利を勝ち取る運動に興味を持たない事を危惧する会話をした事があります。
「私達(聴こえる立場)がどれだけ動いたって、かんじんの聴こえない人達が動いてくれないと運動の意味がないんだけど…」と。
こう言う話は手話の世界だけではなく、例えば私がよく言う『選挙権』についても同じ事が言えると思います。
その昔『自由民権運動』を板垣退助が行ったり、女性の参政権を求めて運動したり、先人達の苦労と努力を忘れて今ある権利を当たり前だと思って、でも投票率は半分程度という状況。
やっぱり、昔のそういった話はどんどん周知させなくちゃダメだと思います。

緊張する…

2009-07-10 | 手話
先日手話通訳認定試験合格の事を記事にしました。
先生にお礼を言っていなかったので、改めて「2年間全く勉強しなかったのに再開とともに合格できたのは先生から基礎をしっかりと教え込まれたからです」とお礼のメールをしました。
そしたら、先生から自身が受け持っている講座で「30分程話してくれませんか?」とのお誘いがありました。
試験結果を見ただけで胃が痛いのにそんな…と思いつつ、先生の教え方はパースで英語を学んだ時と手法が似ていて、それを他の皆さんにもどうしても知って欲しいので引き受ける事にしました。
30分って長いし、どうしようかとレジュメを作成中。
ただし、普通に話すのではなく手話をつけるから普段の30分の内容よりは短くて済むのではないかと思います。
職探しも大変だけど、こっちの方が精神的には大変かも。。。
今から変な緊張感が走っています

いやぁ~っ!

2009-07-08 | 手話
ドラマで見かけるシーンで、家族や恋人が死んでしまって霊安室で遺体と対面して思わず「いやぁ~っ!」と泣き叫ぶってありますよね。
あのリアクションを一般的な物でやったことありますか?
私は今日、思わずやってしまいました。
名古屋市から先月行われた手話通訳者認定一次試験の通知が来ていました。
封書だったので、封をあけて取り出した紙の薄さに不合格の通知だと思って確認すると、中央付近に手書きの数字。
知る人ぞ知る、二次試験の受験番号!
そうです、合格通知だったんです。
それがわかった瞬間にさっきのリアクション。
悲鳴とともに思わず封書投げちゃいました。
何故こんなリアクションになったかと言うと、一次試験は私の中でいい感じで不合格だと思っていました。
完敗ともいえるさっぱりわからない問題あり、途中までちゃんと読めていたのに最後の結論部分が真逆に読んでしまったり。
来年の試験に向けての自分の課題がみつかって良かったと思っていました。
それに、ほら今は求職中だしスーツを着る回数は少ない方がいいから来年頑張ろうと思っていました。
で、まさかの合格通知。
二次試験って独特の雰囲気があるんですよ。
受験者全員の緊張感が怪しげな空気を生み出し、自分の順番が来るまでに体がおかしくなるし、急に笑い出したりとかするんです。
あの緊張感がまた巡って来るかと思うだけで今でも胃が痛みます。
これから約10日間この嫌な思いを引きずるかと考えただけで、憂鬱になります。
しかし、どうしてアレで受かったのか…本当に不思議です。

試験終わり

2009-06-21 | 手話
今日は名古屋市の手話通訳認定試験(一次)がありました。
久しぶりに受けるので自分の力がどのくらい落ちたのか知りたいところでしたが、思った程落ちていない様でほっとしました。
でも、合格には遠く勉強がまだまだ必要だと感じました。
今回は史上最強(?)とも言えるすごい問題が出ました。
ろう者の方の表現がわからないのは毎度の事なのですが、解答をもらって読んでもどこにその表現があったのかわからないくらい難しかったんです。
それは私だけでなくほとんどの受験者の方も同じだったと思います。
なぜなら、普通表現が始まるとメモを取る鉛筆の音が響き渡るのにその時だけピタっと止まり、シーンとしてしまったから。
その後仲間と反省会を兼ねてランチ行ったのですが、みんなちゃんとどこでどういう表現があったのかその問題以外は覚えてるんですよ。
「あの問題の解答の○○って部分あった?」「うん、こういう表現で口もついてたよ。」みたいに。
私はすごい勘が冴えていた様で、始まる前に福祉関連の筆記試験の話をしていたのですが、私が唯一覚えて来た事が出題されてるし、その時に「この問題出ると思う?」なんて会話していたものがことごとく出題されていました。
来年頑張ろう!って素直に思えました。

危険回避…ほっ!

2009-06-09 | 手話
今日は手話の学習会でしたが、朝から胃が痛む思いでした。
というのも10日ほど前に先生からすごい激怒のメールが来てたんです。
以前から問題のある人について、他から相談を受けた内容があまりにもひどい話で、呆れたとの事でした。
だから、私ともう1人の友達は学習会終了後にその話を聞く事になるだろうし、当然帰りも遅くなるだろうと覚悟していました。
手話では脳のいつも使わない部分を使っているのか、決まって翌日は疲れがどっと出るんです。
だから、帰りも遅いしどっと疲れて水曜日は仕事どころじゃないし、金曜まで出勤は辛いな…って思ってたんです。
そしたら、今日は学習会に先生の友人が見学にいらしてて、帰りはその人達と帰る事になり、お話は後日に延期になりました。
最近、仕事も引き継ぎだの自分の職探しだので慌ただしいので、ほっとしました。
それにしても、その問題の人…本当に悪い事をしています。
時が解決する様な問題ではないのですが、私達が聞いてどうこう出来る事でもないので、早くご自身を省みて適切な対応をして欲しいです。

特別支援学校ってわかりますか?

2008-06-23 | 手話
今朝の中日新聞にも記事があったのですが、特別支援学校って知っていますか?
私は半年くらい前にある県に聾学校が何校あるのか調べようとネットで検索して初めてその言葉を知りました。
特別支援学校とは俗に言う盲学校・聾学校・養護学校の事です。
いかにもお役所が考えそうな制度の改正でそれらの区分がなくなり、一本化されるという主旨なのですが、実際には愛知県の場合、聾学校は今でも聾学校で何も変化はありません。
この言葉、後期高齢者と同じですごい失礼というか上から目線の名称だと思います。
『特別に支援する』なのか『特別な支援を要する』なのかわかりませんが、何故『特別』と宣言し『支援』と恩着せがましく言うのでしょうか。
新聞記事によると各都道府県では『特別』を付けずに『支援学校』とする所もあるそうですし、愛知のように従来通りの名称で通しているところもあります。
盲学校や聾学校はその名前に誇りを持っているし、手話を学ぶ人間にとって例えば「大阪ろう学校」と聞くと「おーーーっ!」と思ったりもするんです。
たぶん、数年後には『特別支援学校』という名称は消滅すると思います。

本当に配慮しているのか?

2008-05-15 | 手話
今日は障害者に関して気になる話題が2つあるんです。

1)裁判員制度の障害者についての対応
 今日の朝刊で視覚障害者には点字での手続き書類の送付、聴覚障害者には手話通訳者や要約筆記の手配などをするそうです。
 でも、現実問題で無理があると思いませんか?
 証言台に立つ被告の表情や態度も刑を決める要素となりますし、証拠は書類もしくは現物だと思うんです。
 視覚障害者には証拠を確認する術がありません。
 聴覚障害者も手話通訳者や要約筆記では不十分です。
 裁判に関する専門用語は表現が難しく、そのままでは聴覚障害者の語彙には無い言葉がたくさん出てきます。
 でも、「その言葉わかりません」と言える聴覚障害者は少なく、たいていは頷いてしまい傍目からは理解したと捉えられてしまいます。
 手話関係者はそれを踏まえて「わかった?」って確認しても頷くことが多いんです。
 聴覚障害者が被告や証人として法定に立つ場合、わからないと意思表示があった場合は通訳者がその旨を伝えて、裁判官などと他の表現方法に変えられないか相談します。
 これが裁判員の立場でも行えるかどうか。。。

2)改正道路交通法で聴力問わない?
 6月からの改正道路交通法で全く聴こえない人も運転できるようになります。
 ただし蝶のマークのステッカーとワイドミラーの装着が義務付けられます。
 一見するとすごく大きな前進かと思うのですが、現状を知っている私には大きな後退に思えてなりません。
 現在、聴覚障害者で運転免許を取得している人は従来の制度の中で取得した人たちです。
 従来は『10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聴こえること(補聴器可)』という条件がありました。
 実際には後ろを向いた状態でクラクションを鳴らされるのですが、クラクションを認識できるけれど、障害の状態によっては回数が曖昧らしいんです。
 1回目の反響音と2回目の最初が重なって1つの音のように聞こえる事があるのですが、それが理由で免許の更新を取り消されそうになった人を知っています。
 結局、異議申し立てをし『警報機の音が聞こえる』とはあるが『回数がわかる』とは明記されていないと更新を認められたのです。
 今回の法改正でその部分については従来の異議申し立てなく更新ができるので喜ばしいのですが、逆に今までは必要のなかったステッカーにより『区別』と言う名の『差別』受けることになりました。
 また音を光で表すパトライトのような物の義務付けではなく、幅の広い鏡だけってのも、従来の制度で普通に運転していた人には迷惑な話です。
 ついでに免許を取るにあたり自動車学校側に配慮を求めてはいないようですので、実技はともかく学科は従来の講習を手話通訳か要約筆記を利用して受けるしかありません。
 そう思うと聴覚障害者にとっては余計な義務だけが増えて異議申し立てだけが減る、それ以外の変化はないと思います。

 そういえば、裁判員も『国民の義務』で改正道交法も『装着の義務』だし義務だけが一人歩きしてますね。