ちあの散歩道

輝いてアラカンヌ☆ありがとうの言葉を添えて暮らしのドアをそっと開けると今日も豊かな感動と新しい気づきが待っています。

「大地の芸術祭:妻有アートトリエンナーレ2009」への旅①

2009年09月02日 | 
 

3年に1回行われるアートトリエンナーレ。
大地の芸術祭:妻有アートトリエンナーレ2009」の観賞ツアーに8月30日~9月1日までの2泊3日で出かけてきました。
私は2006年に続いて2回目の旅でしたが、今回は、「武蔵野美術大学校友会が主催されたスタディツアー」に乗ることができ、充実したよい旅をすることができました。
(私は校友会員でもなく、ムサビの関係者でもありませんが、インターネットでこのツアーを見つけて申し込みをしました)

東京都内よりも広い敷地の中に点在するアート作品の鑑賞には、このツアーバスは願ってもないもので、このツアーにはムサビ校友会事務局でこのツアーを計画して下さった方や、「大地の芸術祭」の総合プロデューサー北川フラムさんの元で仕事をし、最初から芸術祭の運営に関わって来られたスタッフの方がナビゲーターをして下さるという贅沢なものでした。
海外のアーチストとの出会いや関わりなども含め、作品の秘める背景などもお聞きすることができて、密度の濃い旅となりました。感謝。

26名の参加者は2泊3日を共に過ごし、宿は指定の旅館や廃校を再生した宿泊施設などから事前に選ぶことができ、私は迷わず「三省ハウス」(サンショウハウス)に泊まることを選びました。

 

「三省ハウス」は松之山にあった三省小学校が廃校となったことから複合宿泊施設として生まれ変わり、食事は地域のお母さんたちが作って下さったものをいただくというもので、宿泊は教室の中に二段ベッドを入れ、かなりの人が泊まれるものです。
ここでは、私は2段ベッドの上段を割り当てられ、上り下りに「エッコラショ」と掛け声をかけるほどでしたが、2泊している間にコツがつかめ、楽に移動ができるようになりました。

これはすべての作品を観て歩く中でも非常に驚いたことの一つですが、古い民家を再生したものなどに展示された作品を鑑賞するときにも、その施設に設けられたトイレだけは洋式の水洗トイレが設置され、洗面所も含め水まわりの心地よさと安定は利用者としてとても有り難く、深く感謝しました。
私の泊まった三省ハウスも例外ではありません。

手作りご飯もとても美味しかったです。お米やお野菜の美味しさに食がどんどん進みます。

 
 


上の写真は「松代農舞台」です。
ツアー初日は、いくつかの作品を巡ったあと、ここで行われる「UA(ウーア)・人形浄瑠璃・能」の舞台を鑑賞し、その素晴らしさに酔いしれました。
出演者もさることながら、この舞台の持つ個性や特色を生かした半野外コンサート。
舞台の背景は里山の中の棚田とその棚田に置かれたイリヤ&エミリア・ガバコフの農耕する人々の青や黄色の色鮮やかな作品群です。

(上演中の写真撮影は禁じられているため、その写真はありませんので、「UA(ウーア)・人形浄瑠璃・能」でご覧ください)

夜の帳が降り、辺りが闇に包まれると漆黒の背景となり、かすかな明かりで照らしだされる棚田から吹き抜ける心地よい風までが演出効果を高め、幽玄の世界に包まれます。
舞台に当てられたライトに小さな虫たちが集まり、その乱舞とのコラボレーションのようにも見える自然の気をとり込んだ舞台演出はここでしか観ることのできない一期一会を強く感じ、演じられる演者の方々や舞台美術、作品のすばらしさとも相まって、今もその余韻が響き渡ります。
人形浄瑠璃の人形の衣装のあでやかさと人形遣いの方による人形のまるで生きているような表情の豊かさ、そして能の大江信行氏の舞いのダイナミックさ、義太夫節浄瑠璃の人間国宝竹本駒之助さん(女性)の声による義太夫節と三味線の音色が作品にリズムを添え、美しくて格調の高い壮大な舞台でした。
(演目は芥川龍之介原作「きりしとほろ上人伝」)

私にとってはこの農舞台での舞台鑑賞は2度目で、3年に一度の贅沢な気分を旅先で味わうことができ、ほんとうにうれしく思いました。