ねむの木の花

朝の散歩

昨夜の雨で可愛いねむの木の花が

なさけなさそう・・

ねぐせ頭のようになっていた。

くすって笑うと

やめてくれよ。なんてますます情けなさそうに下をむく。

セラヴィの近くのにも

このねむの木で出来た小さなトンネルがある。

ねむの木の花が一斉に咲くそんな時期

そのトンネルの前に立つ。

そして毎回思った。

「このトンネルを抜けると別の世界にいってしまうかも」

小さな期待は

ねむの木のトンネルをくぐり終わるまでのあっという間の時間。

目の前に広がる荒川。

間違え探しをするように見慣れた景色を見回し

直ぐに「やっぱりね」と言って

期待なんて一つもしてなかったふりをする。

それでもいつもこのわくわくが変わらないことが嬉しい。

もう何十年になるのだろう

ねむの木が咲くこの時期

何故かに呼ばれるようにねむの木のトンネルの前に立っている。

去年もそうだったと思う。

ねむの木の前でわくわくして

ねむの木をどきどきしながらくぐり

広がる荒川の間違い探しをして

「やっぱりね」と言って

期待なんて一つもしてなかったふりをする。

毎年変わらない。

ずっと変らない。

それが嬉しい。

ねむ木の花の咲くころ

懲りない管理人は

来年もまた

誰かに呼ばれて

ねむの木のトンネルの前に立つのだろう。

一年に一度

七夕のころの

ねむの木の花の精との約束かもしれない。

 

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