豊かに・・・Ⅱ

身延山久遠寺三門前 田中屋旅館
宿仲間のさっちゃんの所へ行って来ました。
歴史の刻み込まれたレトロなお宿にうっとり(*^_^*)
昔のぽってりした手作りのガラス窓からは柔らかな光がこぼれる。
http://www.minobu-tanakaya.com/

朝5時半 
菩提梯(ぼだいてい)
三門から本堂へと続く287段の石段を登る。
登り切れば涅槃に達するという意味の梯は、
南無妙法蓮華経の7字になぞらえ、7区画に分けられている
涅槃とは煩悩(ぼんのう)の火を消して、
知慧(ちえ)の完成した悟りの境地。
一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。
仏教で理想とする、仏の悟りを得た境地。

一段登るごとにさとりに近づくことが出来る。
そんな石段を登る。
やっと踊り場にたどり着く
「呼吸が落ちつくまでゆっくり待って」と仲間の一人にさとされる。
呼吸を落ち着かせる。
「ふり」でなく自分の呼吸と丁寧に向き合う。
先を行く仲間達の背中を見ながら
自分の呼吸が整うまでゆっくり待つ

いつもは少しだけ休むと走ってしまった。
休んだふりして走り出した。

別に人と同じになりたかったわけでなく
ましては競争心なぞほど遠い管理人。
なのに焦っていた。

なぜ?
迷惑掛けたくなかった。
足でまといは申し訳ないと思った。
ただそれだけだったのかもしれない。

一段登り
2段のぼり・・・
登りきるとまた踊り場で休む
よく休むと不思議なことに
また一からの力が沸いてくる。
それを7回繰り返す。

人にはそれぞれ人のペースがある。
無理なら無理することはない。
そこはあわないのだ。
呼吸を乱しては続かない。

ゆっくりした呼吸が戻ってきたら
自分が見えてくる。
自分が戻ってくる。

呼吸の乱れは心の乱れ
急いていると
『ふり』で進んでしまう。
乱れたまま進んでしまう。
でも案の定
あっと言う間にダウンする。

ゆっくりは誤魔化しが利かないだね。

自分をごまかしながら生きてはいけない。
ゆっくり
ゆっくり
自分のペース

自分を見失うほど急ぐなんて愚かな人のすることだと思う。

忙しくて自分が見えなくなってしまった?
それとも自分をごまかす為なのか?

まあどちらにしても
自分と向き合えるゆっくりが
何より豊かな生き方なんだと思う。

朝のお経を聞きながら
殴り打つような大太鼓の音が
腹の奥まで響き渡った。









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