Diary of Caviargirl

ホラー、ゾンビ、チェコ、虫、ヤドカリ、コマ撮り、ピンクな物事…キャビアガールの好奇心日記。

美しい画に心が震える『アメリカ、家族のいる風景』

2006-02-19 20:38:14 | movie
昨日は、映画を2本はしご。

1本目は、母と銀座シネスイッチにて、ヴィム・ヴェンダース監督『アメリカ、家族のいる風景』。
サム・シェパードが脚本&主演の、ロードムービー風家族ドラマ。

とにかく画作りが美しすぎる。色も構図も。
アメリカの原風景が、ひたすら孤独に、そして美しく映し出された画面に心臓をわし摑まれて涙。
エドワード・ホッパーの絵が動きだしたような(上写真の)シーンには震えました。

空虚に光るカジノのネオン、主人公の母親が着ている花柄のガウン、スモールタウンの夜明けの空気、安ホテルの部屋の赤いブラジャー、寂れたバーに集う人々、田舎町ビュートの店の看板、壁、信号・・・
そのひとつひとつにトキめいてしまいました。

キャスティングもなかなかよくて、シェパードの顔は、性格ひねくれてそうで正直感情移入はできないんだけど、この役には合っていたと思う。ジェシカ・ラング(プライベートでもシェパードのパートナー)が田舎町のウェイトレスっていうところにもグッとくるし、息子役ガブリエル・マンははじめて見たけど、あの古い形のマイクがよく似合う顔。

ただ、覚悟はしていたけど、ストーリーのテンポにいまいちなじめないんだなあ。スローなのはいいんだけど、思わせぶりの積み重ねはイライラを招きます。とくに、サラ・ポーリー演じる娘がイライラさせるの何の。骨壷抱えてひたすら思わせぶりに主人公をみつめる、という繰り返しはちょっとつらかった。言動が何だか不思議ちゃん風だし。サラ・ポーリーは好きなんだけど。


アメリカのスモールタウンの空気をもっと味わいたくて、買ってそのままになっていた、駒沢敏器『語るに足る、ささやかな人生』を読み始めました。