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Diary of Caviargirl

ホラー、ゾンビ、チェコ、虫、ヤドカリ、コマ撮り、ピンクな物事…キャビアガールの好奇心日記。

インモータルズ

2011-11-15 00:58:38 | movie
「300」好きとして楽しみにしていた、ターセム・シン監督の「インモータルズ」観ました!
面白かった~!
予告編はキレイな感じにまとめてあって、アレ?と思ったんだけど、やっぱり本編は血みどろな残酷絵巻でした。

舞台は古代ギリシャ。残虐非道な王・ハイペリオン(ミッキー・ローク)が、遥か昔封じ込められた邪悪な神々・タイタン人を復活させて地上を支配しようとする。
それを食い止めようと、農民出身の選ばれし男・テセウスと仲間が立ちあがる! さらに、そこに神々も絡んできて…という、ありがちっちゃあありがちなストーリー。
ストーリーだけなら「ゼルダ」シリーズでもありそうな感じだけど、でも、なんせ「ザ・セル」のターセムが監督。
一筋縄ではいかない恐ろしいほどの映像美の中、阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられていくのです。首とびまくり。思わず目をつぶったところも(○○○つぶしのとことか…。でも一番キツかったのは、牛!)。

冒頭の、タイタン人が封じ込められてるビジュアルからして興奮。
かっこいいよ、早く解き放たれてよ、ってワクワクしてました。

そして、古代ギリシャの言い伝えを語るナレーターのしゃべりが、「ストーリーテラー」(ジム・ヘンソン製作の、私の中での"神"TVシリーズ)に感じ似てるなー、と思ってたら、なんとっ! ほんとにジョン・ハート出てきた!(「ストーリーテラー」の語り部役)しかも、髪型とか佇まいとか、明らかにストーリーテラーを意識した感じ。
この時点で、さらにテンションが一気にアガッた!

クライマックスの神vs神のバトルは、作り手の恍惚しているさまが伝わってくるような、ナルシシズム溢れる映像が爆発!
肉片が飛び散るさまが、これでもかってくらいスローモーションで描かれていました。
あと、最後の最後の天空での戦いがハンパない! もっと見たい!
天空編で続編希望です。

俳優陣は、主人公はちょいキャラ薄めな感じでしたが、脇が豪華で、ミッキー・ロークは体の厚みがすごすぎて貫禄どこの騒ぎじゃなかったし、スティーブン・ドーフも半裸でがんばってたし、あと、「スラムドッグ・ミリオネア」のフリーダ・ピントは目がクリクリで可愛いし(「猿の惑星」にも出てたし、これからグイグイくるのかな)、と、なかなか見所多いキャスティング。

あと、ターセム作品の常連、石岡瑛子氏の衣裳も相変わらず素敵でした。
あの衝撃の"カニ爪兜"も石岡さんデザインだったらすごいなあ。


たしかにストーリーはちょっと弱めだけど、他の要素で十二分に楽しませてくれたので、大満足!!
しかも、ターセムの映画が3Dで観られるっていうのも嬉しかったな。
でも、好みじゃない人にとっては、全然面白くないかもしれないですね。
「バカじゃない?」って言われたら終わりな感じだし…。

しかし、タイトルは、なぜ「イモータルズ」じゃなく「インモータルズ」にしたんでしょうね。
どうしても縮れたイメージが…。



次の日は、園子温監督の「恋の罪」で、また全く別の地獄絵図を観ましたよ。
観ている間のメンタル圧迫され度数は、「恋の罪」のほうが断然高かったです。不穏感で息苦しかった~。
女って…あんな?(笑)
突き抜けた表現の仕方は相変わらず面白かったけど、あくまでも一種のファンタジーとして観たほうがよかったのかも?
意外に、リアルに響いてくる部分は少なかった。
でも、あのママさんは良かったな~。

人喰猪、公民館襲撃す!

2011-10-24 20:20:16 | movie
シアターNのモーニングショーで観てきました。
韓国の動物パニックものです。

シリアスな感じの怪物映画かと思いきや、腰が砕けそうになるギャグを各所で繰り出してくる、肩の力を抜いてみられる作品でした。
私、そんなに映画で笑わないほうなのですが、これは、何か所か思わず吹いた。
猪の造形もそんなに怖くなくて、むしろちょっと可愛かったし。目は凶悪だったけど。

平和だった韓国の田舎の村に巨大猪が現れ、人を襲い出す→主人公たちがチームを組んで退治に乗り出す…とストーリーはいたってシンプル。
出てくるのも、都会から田舎にとばされた巡査(身重の妻と認知症の母親がいる)、お金大好き村長、使えない警察署長、昔喧嘩別れしたハンター師弟、男まさりな女性学者、狂女…とけっこうベタな感じな人たちなんですが、ディテールがあまりにユニークで、飽きさせません。
驚くようなポイントで笑いをとってくるので、油断できない。

襲撃される“公民館”にしても、いわゆる私たちの知る“公民館”をイメージして行くと、“え…これって、公民館?”と軽くビックリします。

お気に入りのキャラはカリスマハンターのペク・マンベで、演じている役者さんが、大好きなソン・ガンホにちょっと似た雰囲気。
最初はイヤな奴かと思いきや、学者ちゃんといい雰囲気になったり、なかなか可愛らしい一面がのぞいて、キュン☆
調べてみたら、ユン・ジェムンという役者さんで、『母なる証明』とか『グエムル』にも出ていたみたい。


真面目な映画を求めている人にはちょっと…かもしれないけど、ゆるいギャグが好きな人にはオススメ。
チラシによると、監督のシン・ジョンウォンは、「韓国のティム・バートン」と呼ばれているらしい。
ほんとかしら??


猿の惑星:創世記(ジェネシス)

2011-10-17 20:20:18 | movie
『猿の惑星:創世記』初日に観てきました。

面白かった!!

私、猿の惑星シリーズは、はるか昔に1を観たのと、ティム・バートン版を観ているだけ。
でも、そんな状態でも、まったくシリーズ観たことのないという人でも、問題なく楽しめると思います。

もうね、どの猿もいい顔してるんですよ。
で、撮り方も上手いから、どんどん猿に感情移入していく。
人間世界で暴れ回る猿を、あそこまで魅力的に撮れるってすごいです。
並木道の樹木の葉を散らしながら移動とか、ほんとうに美しい。

チンパンジーだけでなく、オランウータンやゴリラ等、猿混成チームを結成していくのがまた良いんですよね。
オランウータンも超いい味だしてた。
それに比べ、人間イケメンのジェームズ・フランコは、物語が進むにつれ、どんどんかげが薄くなっていく…。
とにかく猿にメロメロになる作品です。

シーザー(主人公のチンパンジー)を演じたアンディ・サーキス(『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムでも有名)はほんとにすごいなあ。
チンパンジーの動きってだけでも難しいのに、知能が発達したチンパンジーの複雑な表情まで見せるなんて、どうやって役作りしたんだろか。
テレビでちょっとだけ、彼が演じているモーションキャプチャーの様子を見たけれど、もっとじっくり観てみたいな。

ジョン・リスゴーとのあれこれや、人間世界での暮らしの描写ももちろん面白いんだけど、何より面白かったのが、シーザーの、いかに猿軍団のリーダーの座を勝ちとるか、という戦略。
「おお、そこから崩していくのかー!」みたいな、ビジネス指南書顔負けのお見事さ。
私、絶対あんなことできないし、思いつきもしない…。


最後、もちろん人類はめっちゃくちゃなことになるんですが、なぜかスッキリ。
猿たちが元気に暮らすことを祈ってしまいました。


ファイナル・デッドブリッジ

2011-10-02 23:10:11 | movie
ブログになかなか書けてませんが、映画いろいろ見てます(軽い感想は、ツイッターでつぶやいてます)。

今日は、ファイナル・デスティネーションシリーズの最新作『ファイナル・デッドブリッジ』観てきました。
18禁の3D。3D大好き!
最近は、3Dメガネ、あの後ろでストラップで締めるやつじゃなく、持ち帰り式の普通メガネ型がほとんどになりましたね。
「今日は映画観よう」って気分のときは、一応マイ3Dメガネをメガネケースに入れて持ち歩いてます。
あの後ろストラップのやつは、髪にも鼻にも跡つくし、そもそも顔の形に合わないし(鼻とメガネの間にハンカチ挟んで観てた…)で、ちょっと不便だったので、普通メガネ型は嬉しい。
でも、やっぱり値段高いですよね、3D。


ファイナル・デスティネーションシリーズは、『ファイナル・デスティネーション』『デッドコースター』『ファイナル・デッドコースター』『ファイナル・デッドサーキット3D』とすべて観ています。

悲惨な事故を予知して生き残った生存者たちが、死の運命から逃れられず次々と悲惨な死を遂げていく…というのが、シリーズすべてに共通するストーリー。
話の構造は毎回ほとんどお決まりなのですが、生存者たちが必死で死の法則性&逃れる方法を解き明かそうとする姿と、あと何といっても、工夫を凝らした登場人物たちの死に方が見どころ。
なんだか言葉にするとすごく不謹慎な感じになってしまいますが、とにかく見世物的な感覚で、その“死に様博覧会”を楽しむシリーズです。
その死に方も、ただの死に方ではなく、ピタゴラスイッチ的に小さなことが連鎖していった結果死につながるという、観ていてハラハラ&驚愕する“技”が続出。
「技術点○点! 芸術点○点!」とそれぞれフィギュアのように点数付けしたくなるような、そんな勢い。

しかし、言ってしまえば、このシリーズほど、いま生きていることの奇跡を実感する映画もない。
このシリーズ観終わってしばらくは、周りのすべてのものが凶器に見えるし、すべての場所が死に場所に見えてくるので…。
鑑賞後のメメント・モリ指数がハンパない映画です。


今回の『ファイナル・デッドブリッジ』は、冒頭の吊り橋崩壊の迫力がものすごくて、一気に観客のテンションを引き上げます。
しかも3Dですからね。棒状のものがこわくてこわくて。

あとはもはや“お家芸”といった壮絶な死に様が次々と展開されていきます。
今作は、フェイントがやたら多かったな。
「ああ、これで、きっと、これがこうなるんだな」というこちらの予想を裏切りまくる。
あと、レーシック手術とか、鍼治療院とか、くるぞくるぞ的な舞台設定が多かった。
新体操やってる人と、近々レーシック&鍼に行く予定がある人は、絶対観ちゃダメ!

これがシリーズ最終作なのかな。
全体的にまとまりがよくて楽しめたし、最後のまとめもキチッとキマっていて、満足。

あと、「映画秘宝」に書いてあった、トム・クルーズのそっくりさんから目が離せなかった。
微妙な似具合なんだけど、引きの画面だったり、ピントがぼけていたりすると、かなり似てる。
橋で走ってる姿が『宇宙戦争』のトムを思い起こさせました。




ファンタスティック Mr.FOX

2011-04-04 00:58:58 | movie
久しぶりに映画の感想。
『ファンタスティック Mr.FOX』が素晴らしすぎたから!!
ウェス・アンダーソンが初めてストップモーションアニメーションを撮るときいて、わくわくしていたけれど、まさかここまでのものが生まれるとは!

原作は、ロアルド・ダールの『すばらしき父さん狐』。

最初に画面にMr.FOXが現れたときから、ハートわしづかまれた!
すらっとした細身のなで肩のフォルムに、ちょっとラフな感じのするふさふさの毛。
『コラライン』とか最近のコマ撮りアニメの、完成し尽くされて触れがたいパペットとはひと味違って、なんか手にギュッと握って撫でてみたいような、絶妙な人形感。
ちょっと不気味な目の表情とかもいいのよね。
パンフによると、ロシアのスタレヴィッチのストップモーションアニメを参考にしたとか。
スタレヴィッチとか観てたんだ、監督。元々コマ撮り好きなのかな?
(そういえば、『ライフ・アクアティック』にもコマ撮りのシークエンスがありました。ちなみに、あのアニメはヘンリー・セリックの仕事!)
スタレヴィッチ作品は、昔『カメラマンの復讐』等観たことがあるけど、キャラクターの雰囲気など、たしかに通じるものがあったような(ちなみに、スタレヴィッチは、虫キャラのコマ撮りが良いんですよ☆)。


前から、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』とか『ライフ・アクアティック』などを観て、ウェス・アンダーソンの画面構成のセンスはすごいなと思っていたけど、それがこのアニメーションにも存分に発揮されていました。
画面の中での、キャラクターの配置の仕方、画角がばっちりキマっててしびれる。
さらに、秀逸な音楽センスやユーモアセンス、小道具や衣装に対するこだわりも、実写以上にイキイキと輝いていて、ウェス流美学が炸裂!

ウォレスとグルミットシリーズや、ティム・バートンのコマ撮り作品などと比べると、パペットの動きやカメラワークもラフな印象なのだけど、決してチープにならない、ほんとによい空気感があり。

Mr.FOXの声がジョージ・クルーニーっていうのも、またたまらない。超適役。
みんな大好き、ビル・マーレイもアナグマの声を演ってるよ。
なんでも、レコーディングは、場面に合わせて、実際に俳優たちに農場を駆け回ったり、穴を掘ったりさせながら行ったんだとか。型破りすぎ!


この作品、家族の話をメインテーマにしつつも、サバイバルの話でもある。
そういう意味では、いまこの時期にぴったりな作品なのかもしれない。
私たちも、野生の勘を取り戻すときなのかなと思ったり。
もし、まだそういうものが私たちの中に残っているならば。


とにもかくにも、ウェス・アンダーソンのセンスとコマ撮りのファンタスティックな出会いに拍手!!
みんなみんな観るべき、ほんとに!!
珍しく私が万人に薦める映画です(笑)!

予告編観るだけでワクワクしてきますよ。


東京国際ゾンビ映画祭

2011-03-08 19:31:18 | movie
先々週~先週、ビューマントラストシネマ渋谷で行われた「東京国際ゾンビ映画祭」、結局3作品観ることができました。
上映された16作品中12作品は観たことがあったのですが、スクリーンで観たことがないものも多く、今回は大好きなルチオ・フルチ作品を大画面で観ることを目標としました。

まず観たのは『サンゲリア』(フルチ監督)。
これはもうね、砂嵐の中地中から蘇りふらふらと彷徨う、西部劇調ゾンビがあまりにかっこ良い作品。
初めて観た時、かなりシビれましたもん。
舞台となる、ブードゥー信仰の残る小島の雰囲気もいいんですよね。能天気なBGMがまた効いていて。

フルチのゾンビって、もうカラカラに乾涸びてて、きったなくて好き☆
ロメロのゾンビより、モンスター色が強いというか、人間やめてからかなり日が経っている感じ。
肌表面はカラカラでも、頭かち割ると、超フレッシュな脳みそと血がドバーっ!
あと、すでにぐちゃぐちゃな顔に、さらにミミズを大量に目に突っ込んだりしていて、一見ちょっと無駄とも思える“ちょい足し”感覚も素敵。
ジャネット・デ・ロッシさん(特殊メイク担当。『ハイテンション』の特殊メイクもこの方)、いい仕事してるわ。

あと、フルチの映画って、噛まれたり撃たれたりで傷ができた途端、その傷口をバーンっとクローズアップする傾向があるような気が。カメラマンのクセなのかな。
「ほら、ここ! 見てや! ぐちゃってなっとるデショ!」っていうフルチの声が聞こえてきそうで、なんか好感が持てます。


次に観たのは、同じくフルチの『ビヨンド』。
こちらは、蜘蛛好き必見の名シーンがあります!
てゆうか、フルチさん蜘蛛好きでしょ!(それか、逆に恐怖症??)
改めて観ると特殊効果のチープさにも気付いちゃうんですが、あんなシーンを撮ろうと思ったフルチさんに感服。

あと名シーンは、「なんでそうなるの?」と皆がツッコまずにはいられないであろう硫酸と少女のシーン、そして最後の病院ゾンビ大発生シーンでしょうか。
病院で、磨りガラスごしに見えるゾンビは、ほんとに美しい!
あと、ゾンビの、まったくやる気のない動きも良いです。『28週後…』の全速力ゾンビと対極!
「もう肉とかいいや…。たまたま人間に会ったりしたら、とりあえず食べとくけど。疲れたし…。つうか地獄もうヤダなー…」みたいなスタンス?
造形はかなり不気味なんだけど、なんかあまり怖くない。哀しさがあります。


そして最後に観たのは、映画祭のクロージング作品『ヘルドライバー』。
奇抜な特殊メイクでおなじみの、西村喜廣監督の最新作です。
これが、もう“祭!”って感じの勢いがあるゾンビ映画で、最初っから最後までフルスロットルで駆け抜ける痛快作でありました。
『ビヨンド』の脱力ゾンビから一転、超ハイパーなご機嫌ゾンビだらけ!
西村監督がトークショーでおっしゃっていた「浅草寺の仲見世感覚の特殊メイク」を施された、ド派手造形のゾンビが大量に出てきます。
ストーリーといい、キャラクターといい、メイクや特殊効果といい、西村監督のサービス精神はハンパないです。
みんなでワイワイ観るのにぴったりな作品。
ヒロインの原裕美子ちゃんもかっこよかった(トークショーでの天然っぷりとすごいギャップ)。
終映後には、監督がふんどし姿で、赤ちゃんゾンビをふりまわしながら登壇。
赤ちゃんゾンビ、すごく可愛いの。
ピーター・ジャクソンの『ブレインデッド』の赤ちゃんゾンビに次ぐ可愛さでした。


今回の映画祭のきっかけとなった、超低予算(約5000円!)ゾンビ映画『コリン』も、先日、公開より一足先に観せていただきましたが、こちらにも大いに刺激を受けました。
荒廃した町をさまよう1人のゾンビの目を通して、淡々と終末世界を見る…そんな新鮮な体験ができる作品です。
ゾンビ映画のお決まりをおさえつつも、最後には他のゾンビ映画では見たことないような切ないオチが用意されていて。
ちょっと尺の長さが気になったり、粗さが目立つ部分もありましたが、またゾンビ映画の新しい可能性が出てきたぞ、とワクワクしました。


てことで、映画祭をきっかけに、ゾンビと一言で言っても、姿形も動きも強さもテンションも設定もさまざまだなと、改めて気付くことができました☆
しかし、どのゾンビも魅力的なので、“理想のゾンビ像”を語ることは、“理想の恋人像”を語るよりきっと難しい…かも。
“走る”か“走らない”か、その時点ですでにどちらかに絞れないし…。


アンチクライスト

2011-03-02 19:23:58 | movie
ラース・フォン・トリアー監督の新作『アンチクライスト』、初日に観てきました。
公開前からずっと観たい観たいと思っていたものの、「海外の上映で失神者が出た!」とか前情報聞いてしまうと、若干ビビってしまったりも。
でも、今日行っとかないとさらに足が遠のいてしまうと思い、エイヤっと行ってきました、シアターN。

で、いろいろ「なんでっ??」と突っ込みたい部分が多々あって混乱したり、「痛い!!!」ってとこもあったけれど、失神することなく鑑賞できましたよ。
でも、それは、ボカシのおかげかも…。
あの、女性にとっては痛すぎるシーン、ボカシがなかったらとても正視できなかった。
初めて修正に感謝した!

森が好きな身には、森の美しさや恐ろしさが濃く描かれていたのが魅力的でした。
ドングリが降り注いだり、鹿が尻からなにやらぶらぶらさせてたり、ヤバいことになってる狐がしゃべったり、土の中からカラスがでてきたり…何が起こるかわからない場所ですね、森は。
ああいう森のコワさを知った上で“森ガール”は名乗ってほしい。
シャルロットばりに森で“セルフプレジャー”してこそ(一応柔らか表現)、ほんとうの森ガールだ!…って言いたい。

そして、スーパスロー映像で見せられるプロローグは、悲しいシーンなのに、とてつもなく美しく、ため息ものでした。
あと、ラストシーンの顔のない女たちもよかったなー。
映像美が売りだったころのトリアー作品好きとしては、ちょっと嬉しいものが観られたという感じ(ドグマ時代の作品は、実はあまりちゃんと観ていない…)。


視覚的にも心理的にもギリギリと締めつけてくる作品ではあるので、万人にはオススメしませんが、私は思っていたより楽しめました。
“楽しむ”って感覚ともまた違うけど。



冷たい熱帯魚

2011-02-07 01:38:01 | movie
ご無沙汰してしまいました。
年明けてから、ちょっと忙しさが続いております。
が、週末はけっこうお芝居や映画観にいっていて。

その中でも面白かったのが、園子温監督の『冷たい熱帯魚』。公開初日に観にいってきました。
埼玉県の愛犬家殺人事件をモチーフにした、猟奇殺人を描いた作品です。
もうファーストカットからグッと引き込まれて(オープニングのスーパーのシーン、すごく好き!)、最後までスクリーンに目も耳も釘付け。
主人公の村田を演じるでんでんさんの恐るべき引力、ものすごい!
まくしたてるようにしゃべってしゃべってしゃべって、ガハハと笑って、凄みきかせて脅して、女の乳揉んで、しゃべってしゃべって…休むことをしらない彼のパワフルな言動のジェットコースターに乗っているような2時間半。
舞台挨拶で、でんでんさん「声枯れた」って言ってたけど、そりゃそうだ。
そして、彼が“ボデーを透明にする”シーンは、血や肉片に彩られ、何ともおぞましい。
バスクリンとか醤油とか、ディテールがまたなんとも生々しいというか…(実際の事件でも使われてたらしい)。

フェロモン人間のような村田の妻を演じた黒沢あすかさん、村田にふりまわされる共犯者役の吹越満さんの抑圧された色気、彼の後妻役の神楽坂恵さんのエロ服、わけアリ女子たちがフーターズばりのコスチュームで働く熱帯魚店の怪しさなどもあいまって、なんだか終始色っぽく欲情を煽るような映画でありました。
最後の裏切られ感も心地よい。

あ、あと、余談ですが、悪徳弁護士(?)の家の畳の部屋に、ラブホみたいなチープで淫靡なベッドがどでんと置かれていて、ミラーボールみたいな照明までついているんですが、ああいうの嫌いじゃないな、ってちょっと思ってしまいました。

『冷たい熱帯魚』、人間描写も殺人シーンもけっこうグロテスクなので、苦手な人は注意ですが、オススメです。


あと最近観たのは…
AV界の巨匠・代々木忠監督に関するドキュメンタリー『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』(AVの歴史も知ることができて、とても興味深かった。いま、代々木監督の過去の作品いろいろ観てます。ドキュメンタリーとしても面白い!)、
アリス・クーパーなんかも出てるヴァンパイアムービー『SUCK』(脱力するアホコメディ・ホラーで、嫌いじゃない。ヴァンパイアの女の子がカワイイ☆)、
ある日突然人類が姿を消し暗闇に包まれた世界を描いた『リセット』(うーん、ちょっと消化不良。ただ起こったことを描くだけじゃなくて、謎解きしてほしかったよ。暗闇苦手なんで、こわかった。ジョン・レグイザモが出ているのが救い)
など。




スプライス

2011-01-21 21:42:52 | movie
『CUBE』でおなじみのカナダの映画監督ヴィンチェンゾ・ナタリの新作『スプライス』観てきました。
私は、『CUBE』も嫌いじゃないけど、彼の作品では『カンパニーマン』が大好き。

『スプライス』は、遺伝子操作で新種の生物を生み出した科学者カップル、クライヴとエルサがえらい目に遭うって映画で、予想はしてたけど、とても私好みの変態異形映画でした。

人工子宮から誕生した生命体を見て「まあ、なんて可愛いの!」と感動するエルサ。
カメラがその生命体をうつすと…えっ、チ○コ!? “巨大亀頭ちゃん”みたいな子(一応メス)がうにゅうにゅしているのです。
まあ、私も「可愛い~☆」って思ったけど、実際。

で、倫理観が麻痺して暴走気味の科学者カップルは、人間のDNAを使って、さらに新しい生物を生み出そうとします。
そして誕生したのが、ドレンちゃん。
この子は、脚が生えてたりしてちょっとだけ人間に近いんだけど、頭はやっぱ亀頭ちっく。
ルックスはたしかにグロテスクですが、動きとかが愛嬌があるので、妙に可愛く見えてきます。
そして次第に、歪んだ色気のある女子に成長していくのです(頭つるつるで脚逆間接だけど…)。

それからの展開はネタバレになるので書きませんが、思わず吹き出してしまうところあり、キツいゴア描写あり、で楽しめました。

主人公カップルはオタクっていう設定なので、二人が暮らす部屋の作り込みも、なかなか面白かった。
デハラユキノリさんのフィギュアが飾られてました。
あと、寝室の「奴が来るぞ!!」には思わず笑った。

最近観た映画2

2011-01-10 12:26:28 | movie
『キックアス』

クリスマスに観ました。
巷でもかなり評価が高いようですね。
いや、たしかにかなり面白かったです。

“みんなヒーローに憧れるのに、なぜ自らヒーローになろうとする人がいないの?”と疑問を感じた高校生男子が、通販で買ったコスチュームを身に着け、ヒーローになるべく街に出て奮闘する、というこの映画、最初は"ユルい青春ものっぽい感じなのかな”と思ってたのですが、全くそんなことはなく。
無謀な試みをした結果主人公にふりかかってくる災難は、コメディにしてはドギツすぎで残酷。
でも、そこが妙にリアルで、彼の素直さと勇気が胸にせまってくるんですよね。
チンピラとの格闘シーンも良かったです。あくまでも、“普通の男の子がチンピラに立ち向かったら”という視点を大切にしていて。

そんな彼の前に、リアルヒーローとも見える、バトルマニア父娘が登場。
11歳にして最強の殺し屋・ヒットガールの胸のすくような殺しっぷりには、思わずアドレナリン沸き立ちます。血も出る出る。音楽も煽る煽る。
その父親がニコラス・ケイジっていうのが、また何とも最高。
ピュアさと変態さを併せ持った、魅力的な俳優さんですよね。コメディセンスもあるし。

ヒーローになりたい普通の少年と、殺し屋になるべく育てられた特殊少女…そんなふたりの孤独な闘いと、クライマックスの畳み掛けるようなカタルシスに興奮したり涙したり。
素敵な作品でありました。



『トロン:レガシー』

3D大好き!ってことで、元旦に観に行ってきました。

行方不明だった父親に導かれ、デジタルの世界(って、ざっくりしてんな…)に入り込んだ青年の父親救出譚。
物語の大半は、そのデジタル世界の中で繰り広げられるんですが、3Dで描かれた蛍光色のグリッドは、美しくて、どこか懐かしくて、すっかり入り込んでしまいました。
ビジュアルにしても、ダフトパンクの音楽にしても、最先端でありながらどこかレトロさが漂っているのがよかったです。
冒頭の古びたアーケードのシーンもよかったし。

あと、主人公のバトル準備をする4人の白い美女たちのシーンもすごく好きだった(あの、予告編で「SURVIVE」って言ってる人たち)。かっこいい。
もちろん、女戦士・キオラの闘いっぷりも観ていて気持ちよかったです。

私、昔ちょっとサイバーパンクな世界に憧れていたことがあり、そのときのことをちょっと思い出してしまいました。
基本土臭いものが好きですが、こういうものも好きなんです。

ただ、私前作を観ていなかったため、わかりにくい部分があったのがちょっと残念。最後まで、“結局トロンって!?”って感じだったし…。でも、ビジュアルの力で充分楽しめました☆
これは、映画館で観ないと意味ないですよ!!