クラージュせたがや ~Courage Setagaya~

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(日本語訳)市民球団の痛い現実、真剣に議論する時だ

2014-12-10 00:51:14 | アジア、韓国のサッカー
現在のKリーグ球団(クラブ)の多くを占める、「市民球団」の現実に迫った記事を日本語訳しました。
市民球団の中にはユニフォームに満足に民間スポンサーが付かず、胸に市や道のロゴが入る球団もいくつもあり、
企業球団同様かそれ以上に親の財政問題に左右されることもあるだけでなく、政治にも左右されることもあります。
そしてその市民球団の1つ、慶南(キョンナム)FCが球団オーナー(道知事)の発言をきっかけに存続の危機にあることが去る月曜に発覚しました。


なお、今年のKリーグの球団構成は以下の通りです。
韓国初の市民球団は2002年設立の大邱(テグ)FCですが、
市民球団がタイトルを獲得したのは今年の城南(ソンナム)FCのFAカップが初めてのことです。
市民球団のACL出場も来年の城南が初めてになります。

1.Kリーグクラシック(1部) 12球団
(1)企業球団:全北(チョンブク)現代(現代自動車)、水原(スウォン)三星、ソウル(GS)、
  浦項(ポハン=POSCO)、済州(チェジュ=SK)、蔚山(ウルサン)現代(現代重工業)、
  全南(チョンナム=POSCO)、釜山(プサン=現代産業開発)
(2)市民球団など:城南(ソンナム)、仁川(インチョン)、慶南(キョンナム)、尚州(サンジュ=軍)

2.Kリーグチャレンジ(2部) 10球団
(1)企業球団:忠州(チュンジュ)Hummel
(2)市民球団など:安山(アンサン=警察)、江原(カンウォン)、光州(クァンジュ)、安養(アニャン)、
  水原FC、大邱(テグ)、高陽(コヤン)、富川(プチョン)
※来年から企業球団のソウルE-LANDが参入。

(元の記事のURL)
http://sports.news.naver.com/sports/index.nhn?category=soccer&ctg=news&mod=read&office_id=452&article_id=0000000192

(以下、記事の日本語訳)

[ソ・ホジョンのキックオフ]市民球団の痛い現実、真剣に議論する時だ

Kリーグ市民球団の球団オーナーの叱責と攻勢でサッカー版が連日騒々しい。
城南(ソンナム)FCの球団オーナーであるイ・ジェミョン 城南市長は不公正判定と意図的誤審、判定関連表現禁止の不当さを指摘していた。
慶南(キョンナム)F C球団オーナーであるホン・ジュンピョ慶南道知事まで加勢して事態はさらに複雑になった。
ホン・ジュンピョ道知事は昇降プレーオフで落ちたチームの存廃を言及すると、降格確定後には特別監査を指示した。
監査結果によりチームの解体の有無を決めるという言葉にファンたちは衝撃を受けた。
光州(クァンジュ)FCは感激的な昇格をしても喜ぶ間がない。
直ちに次のシーズン予算と競技場、練習場確保に困難を経てため息をついている。
ユン・チャンヒョン 光州広域市長は妙案を出せずにいる。
この一連の事態で探すことができる共通したコードは市民球団、政治家、そして不安定性だ。 このコードは見えない線で結ばれている。
Kリーグで市民球団の安定性を確保する最も大きな主体が球団オーナーである自治体首長、すなわち政治家である。

ホン・ジュンピョ道知事は市民球団の存廃まで取り上げ論じている。
運命の分かれ目に立った慶南FCの問題はKリーグ全体が深刻さをもって調べなければならない。
ある球団だけの問題でない、Kリーグに存在する市民球団全体の明白な現実であるためだ。
昇格と降格の問題でなく、存在自体が心配という状況だ。
ホン・ジュンピョ道知事が取り出した議題だが、去るに5月地方選挙を通じて交替した新しい自治体長も
似た気持ちを抱いているということが色々な部分で確認される。
FC安養(アニャン)と富川(プチョン)FCはシーズンずっと産みの苦しみを味わった。
尚州(サンジュ)尚武(注:軍に入隊中の選手のチーム)は公聴会を開いたり、激しい内部討論を経た後に縁故地契約を2年延長した。
仁川(インチョン)ユナイテッドは去る9月流動性問題で給与支給が遅れたり、借金を通じて支給した。
アジア競技大会による市財政難で予算支援が縮小される予定だ。
大企業に売却するという意向を見せたが当然な企業も現れなかった。
反対に政治的支持を受ける大邱(テグ)FCと城南FCの場合はやっと安定傾向に入り込んだ。
球団オーナーといっても、サッカーが優先順位でない政治家個人の考えと決定で
思うままにされる現実を磐石だとみなさなければならない市民球団の状況はいつも危険だ。

市民球団が四時佳節頭が痛い理由は結局財政問題のためだ。
市民球団の年間予算はKリーグチャレンジ(2部)チームの場合、50億ウォンで80億ウォンの間、
Kリーグクラシック(1部)チームは100億ウォン以上だ。
最近市場が萎縮して費用が減ったが、自らが確保することができる財政が半分に半分にもならない状況だ。
それならば多くの財政は地方自治体に頼らなければならない。
ここで政治から適切に距離をおくことができない市民球団のジレンマが始まる。


(サムネイル)市民球団は財政を絶対的に地方自治体に頼みにする。 それと共に政治に振り回されるジレンマが始まる


市や道から与える数十億ウォンの予算支援だけでなく企業らの後援はやはり政治家の助けのおかげで可能だ。
この話は球団自体だけおいてみれば、企業らが後援をする程魅力的でないという話だ。
一種の迂回的政治献金と見ても差し支えない。
それで自治体首長の空白状態が発生したり、任期末に立場が揺れればそのような財政の部分まで揺れる。
慶南FCの場合、キム・ドゥグァン前知事が大統領選挙戦出馬のために辞退するとすぐにその空白期間の間大きな財政危機を迎えた。
大邱(テグ)FCもやはり昨年の降格以後、キム・ジェハ団長をはじめとする球団主な職員が大挙退いたし、
地方選挙で市長が交替する時まで事実上球団運営がストップなった。
球団は1年でなく次の年度とその次年度まで長い観点で運営されるべきなのに、
現在の市民球団は自治体首長の状況によってその日暮らしの身分になったりもする。

このような従属的な関係と見ると市民球団は政治的ノリゲ(おもちゃ)になる日々だ。
選挙が終わった後には論功行賞によりポストを分ける戦利品に含まれる。
スポーツに対する理解が不足した天下り人事が続く理由だ。
自治体首長は財政支援以上に人事にも慎重でなければならない。
結局市・道と企業が送ったお金をもってチームを運営するのを自治体首長が信じて任せた代表理事、団長の役割であるためだ。
だが、多数が天下り人事で、信じて送った人さえも専横を日常とする場合が多い。
政治家としての側近に対する配慮よりは市・道の名前がかかった球団が正しく運営されることに対する責任感に
さらに集中してこそ結果に対して是非の言い合いができることなのに、現在この部分は完全に欠如している。

Kリーグに市民球団創立の狂風が乗ったのは2002年韓日ワールドカップの影響が決定的だ。
通りに集まった数百万の人々を見て‘大衆の関心’にずっと喉が渇いた政治家たちをして、サッカーチームを自身の影響力の下に置こうとした。
市民球団が市民自らの強烈な熱望と叫びというよりはmそれ以上の政治的必要によって誕生したとのことを否定することはできない。
問題は2002年韓日ワールドカップ狂風の影響が完全に消えた今、球団オーナーにサッカーは何でもないことになったことだ。
野球やバレーボールのように、人気が冷めたサッカーの代替材にさらに注目する。
これが市民球団が10年間温かいご飯から冷や飯に転落した背景の中の一つだ。


(サムネイル)サッカーの影響力を実感した2002年以後、サッカー人の熱望と政治的必要性が出会って誕生した市民球団は
韓日ワールドカップの狂風が消えた今、大衆と政治家皆ににとって冷や飯の身分になった


市民球団が究極的に追求しなければならないのは財政的自立を通した政治的自立だ。
だが、10年間できなかったことを今日すぐしようと思ってもできない。
できるだけはやく抜け出さなければならない。
政治的影響力に隷属するのではなく、お互いがウィン・ウィンになるという関係へ切り替えなければならない。
たとえば優勝や昇格などの成果を通じて地方自治体の名誉をより高めたり、広報効果を出さなければならない。
市民球団のホーム競技場は地域社会統合と発展の場にならなければならない。
市民球団が市民に認められて、彼らの誇りになって、多くの観衆が持続的に競技場に集まるならば
政治家は競技場へ向かわなければならなくて関心をもっと持たなければならない。
市民の愛を受ける球団は絶対に地方自治体が冷遇することはできない。
だが、平均観衆が3千人にも達し得なくて残留か、降格かのチーム運命を決める最も重要な試合に2千人も来ない状況でできる話は違う。
冷徹に現在の市民球団が受けた抵抗は政治家個人の叱責もあるが、
自分たちの税金を投じても全く関心を持たない市民の冷たい反応にある。

このためには市民球団の成功事例をはやく作らなければならない。
企業球団も困難に苦しむ現在のKリーグで容易なことではないが、この部分はサッカー界の多くの力を集中するだけの価値あることだ。
過去に仁川(インチョン)、慶南(キョンナム)、そして今年の大田(テジョン)が市民球団として所定の成果もおさめたし、イシューの中心にあった。
だが、このような短期的な成功でなく、Kリーグでチームを創立して運営する程魅力ある持続的な成功ケースが市民球団から出る必要がある。
とりあえずは市・道の支援を受けて運営するが、明確なビジョンと計画下に能力ある人物が球団運営の各パートに配分されて、
いつかは競技場をぎゅっと満たして週末なら地域の有名人が競技場に来たくててやきもきするようにして、
商業的手腕を通じて球団自らの価値を認められて後援企業らが後押しするようにさせて、
地域社会は市民球団を自慢して彼らのために自身のお金と時間を惜しまない好循環構造が市民球団から早く出てこなければならない。
それでこそ市民球団は毎年迎えることになる暗いトンネルをかき分けて出ることができる。


(サムネイル)市民の真の愛と関心を集めるならば市民球団が困難に出会うことはない


プロサッカー連盟の役割も重要だ。 規定を強化して版をまともに組まなければならない。
市民球団に対する多様な行政的支援を集中しなければならない。
子会社を作って市民球団に対する統合マーケティング戦略を立てる必要もある。 彼らの現実に合う中継と露出政策も必要だ。
収益の配分にも企業球団の同意を得ることができるならば市民球団にもう少し分ける必要もある。
その代わりチーム財政健全性と運営に対する監視と制裁も確実にしなければならない。
多くの支援にもかかわらず、市民球団が放漫な運営をする部門が把握されれば調査をして
勝点削減だったり、深刻な場合、強制降格などの措置も取るべきだ。
現在のプロサッカー連盟が追求している経営効率を上げて財政安定性を確保する戦略はむしろ市民球団に集中するべきだった政策だ。
だが、選手年俸公開の余波で市民球団が財政の相当部分を頼った移籍料は消えて二重三重の圧迫が加えられた。
プロサッカー連盟も自らが市民球団の首を固く締めつけたのではないかと反省しなければならない。

自治体首長はスポーツとサッカーに対する正しくなされた理解が先導されなければならない。
政治的目的を達成するのは球団がまともに運営されてこそ可能だということを忘れてはいけない。
また、自分たちが権力を持っていても市民球団のファンは市民であり彼らを尊重する基本的な礼儀を忘れてはいけない。
インタビューやSNSを通じて球団ファンをはじめとするサッカーファン全体を欺瞞する言動は自重する必要がある。
この部分に対してもプロサッカー連盟が線を引かなければならない。
FIFAがサッカーに対する政治的介入を断固として遮断するのはその悪影響がはるかに大きいためだ。

チームの解体は防がなければならない。
だが、色々な現実的状況に政治家の選択という推進体までより増して悲劇的な運命をむかえるならばそれも避けられない痛みだ。
政治家たちは現実的にサッカーチームよりはるかに社会的寄与が高い医療院もなくすことができる人々だ。
しかし彼らの属性は全面的に大衆の流れに向かっている。
世論を逆行できないことが政治家だ。 ファンがいるならば防げる。
2部リーグ降格にもチームを愛して、チームのために泣いて、競技場へ向かうことができるファンたちの大きい支持があってこそ防げる。
それを育てるのはサッカー自らの役割だ。

もう市民球団の現実を聞いて報告を認めなければならない。
これ以上先送りすることはできない問題だ。
遮って済むことでもない。
Kリーグに登場して10年が過ぎたし、もう全体規模半分を占める市民球団の問題点を解決しなければ
Kリーグとサッカーはただの一歩も前へ出て行くことはできない。
改革に近い刷新が必要な状況だ。
プロサッカー連盟も、各球団も、ファンたちもこれ以上腕組みだけして、シーズンを無事に終えて存続することに安心してはいけない。